

端的に言えば颶風の意味は「激しい風」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ドラマやアニメなど、数多くの映像字幕を作成した経験があるNagiを呼んだ。一緒に「颶風」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/Nagi
映像翻訳スクール出身。翻訳、チェッカー以外にも、CC字幕(クローズドキャプション)の制作多数。言葉を文字で表現する「字幕」の世界に数多く触れてきた経験を活かして、分かりやすく解説する。
「颶風」の意味や語源・使い方まとめ

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「颶風」の読み方は「ぐふう」です。「颶」という漢字が難しいですね。すんなり読めたという人は少ないのではないでしょうか。
それでは早速「颶風」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「颶風」の意味は?
まず、国語辞典に記載されている意味を見てみましょう。「颶風」には、次のような意味があります。
1.強く激しい風。
2.熱帯低気圧や温帯低気圧に伴う暴風をいう古い気象用語。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「颶風」
強く激しい風のことを指す「颶風」ですが、辞書の記載から分かるように、気象用語としても使われていたようです。「古い気象用語」といえば、台風も古くは「颱風」と書くのが公式でした。戦後、当用漢字が定められた際に「颱」の字から「台」に置き換えられたそうです。「颱(たい)」の語源は、英語のTyphoon(タイフーン)からきているとする説が一般的ですが、実際には諸説あり。「台湾付近の風」が由来とする説や、「大風(中国や台湾での暴風の呼び名)」の発音に由来する説などがあります。
「颶風」の語源は?
次に「颶風」の語源を確認しておきましょう。「颶」という漢字は、部首である「風」と「具」という字の組み合わせであることに注目してください。「具」には「完全にそろえる」という意味があります。ここから「東西南北の四方から吹きまわしてくる風=颶風」になるというわけです。
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