この記事では「ボトルネック」について解説する。

端的に言えばボトルネックの意味は「物事の難関」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は広告会社で経験を積み、文章の基本と言葉の使い方を知るライターのHataを呼んです。一緒に「ボトルネック」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Hata

以前は広告会社に勤務しており、多くの企業の広告作成経験を持つ。相手に合わせた伝え方や言葉の使い方も学び、文章の作成や校正が得意。現在はその経験をいかし、ライターとして活動中。

「ボトルネック」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「ボトルネック」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ボトルネック」の意味は?

「ボトルネック」には、次のような意味があります。

《瓶の首が狭いところから》
1.物事の進行の妨げとなるもの。難関。隘路 (あいろ) 。ネック。
2.道路で、いつも混雑するところ。車線の減少箇所や開かずの踏切など。
3.コンピューターやネットワークの高速化などの性能向上を阻む要因。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ボトルネック」

「ボトルネック」とは、英単語の「bottleneck」に由来する外来語。「bottleneck」とは、瓶の入り口付近の細くなった部分のことで、「bottle(瓶)」と「neck(首)」から成る言葉です。瓶の首部分が細くなっていると、中身の液体も出が悪くなってしまいます。そのため、その形状をたとえて“物事が混雑する部分”“狭い通路”のこと、転じて“障害”を意味して使われるのが「ボトルネック」です。

とくにビジネスにおいては、物事の流れを防ぐ部分としてマイナスイメージで用いられます。製造工程の生産性や、経営目標の未達成要因、物事のスピードの低下を招く原因を指して「ボトルネック」という言葉が使われ、ビジネス上の課題や障害として認識されるのです。

「ボトルネック」の使い方・例文

「ボトルネック」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「他分野での「ボトルネック」」を解説!/

1.目標数字を達成できない理由について、週末までに問題点を洗い出せと上司から言われてしまった。自分なりに行動を見直してボトルネックを見つけなくてはいけない。
2.このプロジェクトでは部長の決裁を仰ぐ必要があるけれど、忙しい部長をつかまえることが一番のボトルネックになっている。
3.どうやら第四工程の作業時間が遅いことがボトルネックとなり、全体の生産効率が下がっているようだ。
4.連休前はいつも渋滞に悩まされていた道だが、高架橋を設置することでボトルネックが解消された。
5.ボトルネックとなるシステムエラーを見つけ解消したことで、サイトの通信スピードが一気にアップした。

「ボトルネック」とは“物事の進行をさまたげる”もののこと。課題であり解消すべき点でであるという意味を持つため、基本的にはネガティブなイメージを与えます。

ビジネスでも広く用いられ、例文1~3のようにうまく進行できないい問題点とした意味で用いられるのが一般的です。また例文4のように道路上の渋滞しやすいポイントや、例文5のようにコンピュータのネットワークにおける要因としてIT分野でも使用されます。

こまかい部分はシーンごとに異なるものの、全体の持つイメージは同じ。いずれも“物事を遅らせる要因”のことを指して「ボトルネック」と言います。

他分野での「ボトルネック」

上記の意味のほか、「ボトルネック」という言葉はアパレル音楽技法遺伝子工学などの分野用語としても存在します。業界によって「ボトルネック」という言葉の意味はさまざまです。

たとえばファッション用語では、首の部分が首に沿って折り返さずに細く立ち上がった形状のものを「ボトルネック」と呼びます。これは首の部分を瓶の口にたとえたもので、ハイネックよりもすっきりとした形状が特徴です。

また音楽用語では、ギターの奏法に「ボトルネック奏法」があります。いわゆるスライド奏法のことで、もともとはバーボンの酒瓶の首の部分でスライドバーを作ったことが由来です。

さらに集団遺伝学においては、生物集団の個体数がなんらかの要因で著しく減少した際、生き残った集団の遺伝子が似たものが多くなる事象に対して「ボトルネック効果」という言葉を用います。

「ボトルネック」の類義語は?違いは?

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続いて「ボトルネック」と似た意味を持つ言葉を紹介します。

「遅延要因」

「遅延要因(ちえんよういん)」とは、言葉の通り遅延する要因のこと。つまり“物事が遅れてしまう原因”のことを指して使う言葉です。

「ボトルネック」と同様に“物事の進行を遅らせているもの”という意味を持つ類義語と言えます。ただし「遅延要因」はどちらかというと、突発的な物事に使うことが多い言葉。電車の遅延など、一時的なものに使用するのが一般的です。状況やニュアンスに応じて使い分けるようにしましょう。

\次のページで「「律速」」を解説!/

「律速」

「律速(りっそく)」とは、“物事の進行する速度を左右する要因”を意味する言葉。おもに化学分野の用語として用いられる言葉で、化学反応などの反応速度を決定する箇所を意味します。

“全体の速度を決める要因”であることから、「律速」とは一番反応速度の遅い部分を指して使う言葉です。そのため「ボトルネック」と同様の意味を持った類語表現と言えるでしょう。

あまり日常的に用いる言葉ではありませんが、化学反応の分野ではいわゆる「ボトルネック」と同じように使われています。関連用語として抑えておくといいでしょう。

「ボトルネック」の対義語は?

「ボトルネック」とは“物事がうまくいかない要因”そのものを指す言葉。そのため、反対の意味と言える言葉は基本的にありません。したがって「ボトルネック」にも明確な対義語はないと言えます。

「ボトルネック」の英訳は?

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最後に「ボトルネック」の英語訳についても確認しておきましょう。

「bottleneck」

「bottleneck」とは“ボトルネック”のもととなった英単語。冒頭で説明したように、英語の「bottleneck」をもとにしたのが日本語の「ボトルネック」です。英語でも瓶の首をたとえて“物事のうまく進まない要因”といった使い方をしているため、日本語と同様の使い方ができます。

そのため基本的に、「ボトルネック」を英語で表現したい時には「bottleneck」を用いるのが良いでしょう。

「ボトルネック」を使いこなそう

この記事では「ボトルネック」の意味・使い方・類語などを説明しました。今では「ボトルネック」について考えるのは、ビジネスでは当たり前のようになってきました。常になにが自分の「ボトルネック」になっているのか考えることで、自分自身の成長や勉強の効率化にもつながるかもしれませんね。

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「ボトルネック」の意味や使い方は?例文や類語を元広告会社勤務ライターがわかりやすく解説!

この記事では「ボトルネック」について解説する。

端的に言えばボトルネックの意味は「物事の難関」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は広告会社で経験を積み、文章の基本と言葉の使い方を知るライターのHataを呼んです。一緒に「ボトルネック」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Hata

以前は広告会社に勤務しており、多くの企業の広告作成経験を持つ。相手に合わせた伝え方や言葉の使い方も学び、文章の作成や校正が得意。現在はその経験をいかし、ライターとして活動中。

「ボトルネック」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「ボトルネック」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ボトルネック」の意味は?

「ボトルネック」には、次のような意味があります。

《瓶の首が狭いところから》
1.物事の進行の妨げとなるもの。難関。隘路 (あいろ) 。ネック。
2.道路で、いつも混雑するところ。車線の減少箇所や開かずの踏切など。
3.コンピューターやネットワークの高速化などの性能向上を阻む要因。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ボトルネック」

「ボトルネック」とは、英単語の「bottleneck」に由来する外来語。「bottleneck」とは、瓶の入り口付近の細くなった部分のことで、「bottle(瓶)」と「neck(首)」から成る言葉です。瓶の首部分が細くなっていると、中身の液体も出が悪くなってしまいます。そのため、その形状をたとえて“物事が混雑する部分”“狭い通路”のこと、転じて“障害”を意味して使われるのが「ボトルネック」です。

とくにビジネスにおいては、物事の流れを防ぐ部分としてマイナスイメージで用いられます。製造工程の生産性や、経営目標の未達成要因、物事のスピードの低下を招く原因を指して「ボトルネック」という言葉が使われ、ビジネス上の課題や障害として認識されるのです。

「ボトルネック」の使い方・例文

「ボトルネック」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

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