この記事では「仔細」について解説する。「仔細」は漢字から意味を推測するのがやや難しいが、意味はそれほど難しくはないからすぐに覚えられるでしょう。それよりも間違えやすい類義語があるから、そちらを重点的に覚えて区別できた方が良いな。元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「仔細」の意味や使い方、類義語などを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「仔細」ってどういう意味?

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「仔細」の意味は以下の通りです。

1.事細かであること。また、そのさま。詳細。
2.詳しい事情。一部始終。
3.特別の理由。こみいったわけ。
4.差し支えとなる事柄。異議。

出典:Weblio辞書「仔細 意味」

意味が4種類もあるので驚くかもしれませんが、上記引用トピックの1番と2番はほぼ同様の意味になるため、実質3種類と捉えても構いません。また、実際に日常で使われる場合も大抵1番か2番のどちらかに該当します。品詞としては名詞か形容動詞のどちらかです。

詳しい事情としての「仔細」

引用トピック1番と2番の意味は、簡単に言うと「詳しい事情」という意味です。厳密に言うと細かいこととは若干意味がズレます。しかし日常生活で使用する言葉としては、「細かい事情」と「詳しい事情」の差はほとんど無いと言って良いくらいであるため、そこまで厳密に区別する必要はありません。

現在「仔細」という言葉が出てくる場合は、多くがこの意味に該当します。

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特別な事情を指し示す「仔細」

「仔細」は「詳しい・細かい事情」という意味以外に、「特別な事情」という意味も持っています。相手にこちらの事情を分けって欲しいけれど、具体的なことが言えない。そういう場合などに「仔細」はとても便利であり、こっちにも事情があるんです、という意思表示になります。

細かい事情という意味での「仔細」と区別するにあたっては、文脈を読みましょう。例えば「言いにくい特別な事情があります」と相手に伝える際、特別な事情という意味で使うのであれば「仔細があります」という言い方になります。しかし細かい事情という意味で使うのであれば、言い回しとしては「仔細は言えません」という言い方になるわけです。

同じ「仔細」という言葉を使いますが、「ある」という肯定の言葉と「言えない」という否定の言葉、正反対の表現になることがわかります。

「仔細」は反対意見も表せる?

引用トピック4番の「差支えとなる事柄」という言い回しは、ややピンときにくいかもしれませんが「異議」という言葉に置き換えると分かりやすいです。「異議」をさらに噛み砕いて言うと「異論」「反対意見」という意味になり、主に相手の言うことに対して賛成できない場合に使用されます。

上記トピックの「特別な事情」という意味の「仔細」とやや区別しづらいですが、こちらの方が相手の話に対してより逆らっているような印象が強いです。自分の意志で反対している場面だけではなく、相手の意見を阻害するような事情がある場合に対しても使用されます。

もっと詳しく!「仔細」について

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「仔細」は意味もいろいろある言葉ですが、意味だけでなく言葉としてもいろいろな側面を持っています。より深く知ることで自分でも扱いやすく、身近な言葉になるでしょう。

「仔細」ってどう読むの?

「仔細」は「しさい」と読みます。漢字から連想しやすい読み方であるため、一度知ったら忘れにくい言葉です。「仔(し)」は子供の子に人べんが付いており、見慣れない漢字に見えるかもしれません。しかし意味は人べんに関係なく「子供」という意味です。もっと昔に使用されていた漢字にあたり、現在は常用漢字ではありません。

「細(さい)」は「仔細」以外にもいろいろな場面で見受ける読み方であるため、あまり悩むことはないでしょう。

今と意味がズレる?古語としての「仔細」

「仔細」は古語でもあり、意味は「異議/異論」となります。注意点として、現代の日本では「仔細」というと高い確率で「細かい事情/詳しい事情」という意味です。それに対して、古語の場合は「異議/異論」という意味で使用されるケースが多くなります。

現代でも「異議/異論」という意味が無くなっておらず、かえって判断しづらい場合もあるため注意して読みましょう。

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「仔細」ってどう使うの?

「仔細」の使い方は以下の例を参考にしてください。

1.仕事の話に関しては、私は「仔細」を知らないので本人に聞いてください。
2.この企画は彼女に白羽の矢を立てるつもりだったが、「仔細」があって頼めなくなってしまった。
3.彼の言い分は理想ではあるが、現実のことを考えると「仔細」が多すぎる。

1は「細かい事情」という意味の「仔細」です。「知らない」という言葉を続けると、「詳しくは知らない」という意味になります。2番は「特別な事情」という意味の「仔細」です。3番は話の流れに逆らうという意味の「仔細」であり、「異議」ではなく「障害になる事情」という意味で「仔細」を使った例になります。

さまざまな「仔細」の類義語

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「仔細」にはさまざまな類義語がある言葉です。ほぼ同じ意味の言葉が多いため置き換えが簡単である反面、同じような言い回しが多く混同しやすいという側面もあります。本記事で紹介する以外にも、シンプルな意味を持つ 「仔細」には多くの類義語がありますので、調べるて頭に入れておくと便利です。

「仔細」とほぼ同じ?「詳細」

「詳細」は「仔細」に非常に近しい類義語であり、ほぼ同様の意味と言っても差し支えありません。意味は読んで字のごとく、「詳しく細かいこと」という意味です。日常的に出てくる言葉であるため、知っている人も多いでしょう。

ただし、ほぼ同様の意味と言ってもそれは「仔細」において「詳しい事情/細かい事情」という意味に限っての話です。「詳細」という言葉に「特別な事情/反対意見」という意味もあるというわけではありません。

「仔細」と部分的に被る「委細」

「委細」も「仔細」の類義語のひとつであり、読み方は「いさい」です。「委細」には意味が2つあり、そのうちのひとつが「詳しく細かいこと」という意味になります。「仔細」も同様の意味を持つため、部分的にまったく同じと言えるわけです。

ただし、「委細」のもうひとつの意味は「仔細」とまったく違っており、「すべて/もろもろのことを含めて」という意味になります。総合的にひっくるめて、というニュアンスになりますが、「仔細」はそのようなニュアンスはまったく持っていません。どこが同じでどこが違うのか、きちんと覚えておきましょう。

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「仔細」とは要らない言葉なのか?

「仔細」という言葉は類義語も多く、意味もそれほど難しくない言葉です。そのことを本記事で知った上で、もしかしたら「仔細という言葉は無くても良いのでは?」と思う人も居るかもしれません。確かに意味上では「仔細」という言葉の置き換えがたくさんあります。しかし、言葉はそう単純なものではありません。

読んだり書いたりというだけでなく、言うことや聞くことも言葉にとっては大切なアクションです。いくら置き換え可能だからと言って、同じ言葉ばかり使っている文章と言うのは、話したり聞いたりしているとあまり美しくないのがわかります。不要な言葉はこの世にはなく、どのような単語も生きる場面が必ずあるのです。

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国語言葉の意味

意味も類義語もたくさん?「仔細」の使い方や読み方も言葉大好きライターがわかりやすく解説!

この記事では「仔細」について解説する。「仔細」は漢字から意味を推測するのがやや難しいが、意味はそれほど難しくはないからすぐに覚えられるでしょう。それよりも間違えやすい類義語があるから、そちらを重点的に覚えて区別できた方が良いな。元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「仔細」の意味や使い方、類義語などを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「仔細」ってどういう意味?

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「仔細」の意味は以下の通りです。

1.事細かであること。また、そのさま。詳細。
2.詳しい事情。一部始終。
3.特別の理由。こみいったわけ。
4.差し支えとなる事柄。異議。

出典:Weblio辞書「仔細 意味」

意味が4種類もあるので驚くかもしれませんが、上記引用トピックの1番と2番はほぼ同様の意味になるため、実質3種類と捉えても構いません。また、実際に日常で使われる場合も大抵1番か2番のどちらかに該当します。品詞としては名詞か形容動詞のどちらかです。

詳しい事情としての「仔細」

引用トピック1番と2番の意味は、簡単に言うと「詳しい事情」という意味です。厳密に言うと細かいこととは若干意味がズレます。しかし日常生活で使用する言葉としては、「細かい事情」と「詳しい事情」の差はほとんど無いと言って良いくらいであるため、そこまで厳密に区別する必要はありません。

現在「仔細」という言葉が出てくる場合は、多くがこの意味に該当します。

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