この記事では「一蓮托生」について解説する。

端的に言えば一蓮托生の意味は「結果にかかわらず、行動や運命を共にすること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

放送局の制作現場の最前線で10年の経験を積んだsinpeito88を呼んです。一緒に「一蓮托生」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/sinpeito88

放送局の現場で10年間、ニュース原稿などを日々執筆。より正確な情報を届けられるよう言葉の探求を続けている。

「一蓮托生」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「一蓮托生」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「一蓮托生」の意味は?

「一蓮托生」には、次のような意味があります。

1.仏語。死後、極楽の同じ蓮華の上に生まれること。

2.結果はどうなろうと、行動や運命をともにすること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「一蓮托生」

「一蓮托生」には、2つの意味があります。まずは仏教の考え方に由来するもので「死後、極楽浄土で同じ蓮の花の上で身を寄せ合おう」というものです。生前に徳を積んだものが死後に行けるという「極楽浄土」の世界の中で、また一緒になりましょうという意味になります。

そして、もう一つが「結果はどうなろうと、行動や運命をともにすること」です。何人かで同じ行動をすることによって、運命を共にすることを決めたさまを表して使われます。しかし、「一蓮托生」はどちらかといえば、待ち受ける運命や結果が良いものではなく、悪い方向になる可能性が高い場合に使われる言葉です。さらに言えば、「仮に悪い結果になるとしても、行動や運命を共にするのだ」という覚悟を持っている時に使われます。

「一蓮托生」の語源は?

次に「一蓮托生」の語源を確認しておきましょう。

この言葉は仏教のとりわけ「浄土思想」に由来しています。生前に善い行いをしたものは、死後に極楽浄土に行くことが出来るという考え方が浄土思想の基本です。そのうえで、「一蓮托生」とは、その極楽浄土に咲く「一輪の蓮の花」の上に寄り集まって生きましょうという誓いを立てるということを表しています。

蓮の花とは、仏様が座る蓮の花の形をした神聖な台座のことです。つまり、「一蓮托生」とは、複数の人間が「死をも覚悟の上」で運命を共にして行動をするというニュアンスが込められています。

\次のページで「「一蓮托生」の使い方・例文」を解説!/

「一蓮托生」の使い方・例文

「一蓮托生」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

飛沫感染するウイルスがまん延している中で、マスクを外して会食とは、まさに一蓮托生だ。

一蓮托生とは「結果はどうなるとしても、行動や運命を共にする」ことでありますが、「悪い結果になる可能性が高い」と考えられるときに使われます。よって、例文のように「あえてリスクのある行動をする」場合や「失敗する確率が高いとしても、それでも行う」ような場面が「一蓮托生」の使いどころです。

よって、「一蓮托生」は結末を予測してこの言葉を使うべきかどうかを見極める必要があります。良い方向に行く可能性があるのにもかかわらず「一蓮托生」を使ってしまうと、場合によっては「失敗ありき」の後ろ向きな意味合いが付加されてしまうためです。ビジネスシーンで「一蓮托生で頑張りましょう」とあなたが言えば、クライアントが逃げてしまうでしょう。

「一蓮托生」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

「結果はどうなろうとも、運命や行動を共にする」という意味の「一蓮托生」の類義語としては「一心同体」「死なばもろとも」「呉越同舟」といった言葉が挙げられます。

「一心同体」は「強いきずなやパートナーシップを持っている」という意味合いが強い言葉です。「死なばもろとも」は「死ぬときは一緒だ」という意味で、「一蓮托生」以上に「悪い結果になる」という想定が強い際などに使われます。そして、「呉越同舟」は「仲の良い悪いにかかわらず、運命や行動を共にする」という意味です。よって、運命や行動を共にする相手がどういう相手であるかということが「一蓮托生」よりも色濃く表現されています。

その1「一心同体」

「心も体も一つの人間のように同じであること」を意味する「一心同体」という言葉。「一蓮托生」よりも、強い結びつきがあることや、複数の人々の絆が深いことをより表すフレーズです。そのため、「一蓮托生」のように、運命や行動を共にする結果、悪い方向に行くというとき以外にも使うことが出来ます。悪い方向に行くときに使えないというよりも「良い結果でも、悪い結果でも運命や行動を共にしていく」というニュアンスを出したい時が使いどころです。

\次のページで「その2「死なばもろとも」」を解説!/

夫婦となって25年、一心同体で歩んできた。

その2「死なばもろとも」

「死なばもろとも」は「死ぬときは一緒に死のう」という意味と「自分が死ぬならば、お前まで一緒に巻き込んでやる」という両面の意味がある言葉です。

「一蓮托生」は悪い結果だとしても運命や行動を共にするという決意であるのに対して、「死なばもろとも」は半ばあきらめて最悪の結果に向かっていくさま。もしくは、最悪の事態になったら、最低でもお前だけは道連れにするという怨念のような感情を表します。

球数120球を超えても監督はエースを続投させたが、「死なばもろとも」という思いだったのだろう。

その3「呉越同舟」

「呉越同舟」は「仲が悪い者同士が居合わせて、運命を共にすること」「敵対していてもいざというときには、一緒に戦う」という意味を持つ言葉です。「一蓮托生」は「運命や行動を共にする」相手がどういう人物かを限定していませんが、「呉越同舟」は「仲が悪い、敵対している」者と限定されています。

無能な社長を退陣させないと会社の未来はないと、呉越同舟、社員全員で戦いを挑んだ。

「一蓮托生」の対義語は?

image by iStockphoto

「たとえ悪い結果になろうとも、運命や行動を共にする」という意味を持つ「一蓮托生」という言葉。その対義語となる言葉はあるのでしょうか。まず、意味としては「良い結果になることが見込まれている中で、運命や行動を共にする」ということを表している言葉。または、「悪い結果になることが分かっているので、運命や行動を共にすることをやめる」という意味を持つ言葉が対義語となります。

しかし、残念ながらはっきりと上記のような意味でつかわれる言葉はありません。よって、「一蓮托生」の対義語は挙げることが出来ないということになります。

\次のページで「「一蓮托生」を使いこなそう」を解説!/

「一蓮托生」を使いこなそう

この記事では「一蓮托生」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「悪い結果になろうとも、運命や行動を共にする」という意味でつかわれるこの言葉。

そもそもネガティブな意味を持っているので、良い結果になる可能性が残っている状況では使わないほうがよいでしょう。

「一心同体」や「呉越同舟」といった類義語とうまく使い分けていくことが肝要です。

" /> 「一蓮托生」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

「一蓮托生」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「一蓮托生」について解説する。

端的に言えば一蓮托生の意味は「結果にかかわらず、行動や運命を共にすること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

放送局の制作現場の最前線で10年の経験を積んだsinpeito88を呼んです。一緒に「一蓮托生」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/sinpeito88

放送局の現場で10年間、ニュース原稿などを日々執筆。より正確な情報を届けられるよう言葉の探求を続けている。

「一蓮托生」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「一蓮托生」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「一蓮托生」の意味は?

「一蓮托生」には、次のような意味があります。

1.仏語。死後、極楽の同じ蓮華の上に生まれること。

2.結果はどうなろうと、行動や運命をともにすること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「一蓮托生」

「一蓮托生」には、2つの意味があります。まずは仏教の考え方に由来するもので「死後、極楽浄土で同じ蓮の花の上で身を寄せ合おう」というものです。生前に徳を積んだものが死後に行けるという「極楽浄土」の世界の中で、また一緒になりましょうという意味になります。

そして、もう一つが「結果はどうなろうと、行動や運命をともにすること」です。何人かで同じ行動をすることによって、運命を共にすることを決めたさまを表して使われます。しかし、「一蓮托生」はどちらかといえば、待ち受ける運命や結果が良いものではなく、悪い方向になる可能性が高い場合に使われる言葉です。さらに言えば、「仮に悪い結果になるとしても、行動や運命を共にするのだ」という覚悟を持っている時に使われます。

「一蓮托生」の語源は?

次に「一蓮托生」の語源を確認しておきましょう。

この言葉は仏教のとりわけ「浄土思想」に由来しています。生前に善い行いをしたものは、死後に極楽浄土に行くことが出来るという考え方が浄土思想の基本です。そのうえで、「一蓮托生」とは、その極楽浄土に咲く「一輪の蓮の花」の上に寄り集まって生きましょうという誓いを立てるということを表しています。

蓮の花とは、仏様が座る蓮の花の形をした神聖な台座のことです。つまり、「一蓮托生」とは、複数の人間が「死をも覚悟の上」で運命を共にして行動をするというニュアンスが込められています。

\次のページで「「一蓮托生」の使い方・例文」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: