端的に言えば篤実の意味は「誠実で親切なこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ドラマやアニメなど、数多くの映像字幕を作成した経験があるNagiを呼んです。一緒に「篤実」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/Nagi
映像翻訳スクール出身。翻訳、チェッカー以外にも、CC字幕(クローズドキャプション)の制作多数。言葉を文字で表現する「字幕」の世界に数多く触れてきた経験を活かして、分かりやすく解説する。
「篤実」の意味や語源・使い方まとめ
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「篤実」の読み方は「とくじつ」です。「あつさね」「あつみ」と読むと、人名になります。「篤」の字を見ると「篤姫(あつひめ)」を連想するという人も多いのではないでしょうか。
それでは早速「篤実」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「篤実」の意味は?
まず、国語辞典に記載されている意味を見てみましょう。「篤実」には、次のような意味があります。
情が深く誠実なこと。また、そのさま。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「篤実」
「篤実」は、人情があって誠実、真面目といった申し分のない人格を表す言葉です。形容動詞でもあるので「篤実な○○」という形にして「人柄・性格・人間」などの名詞の前に置くこともできます。「穏やかで優しい」という意味の「温厚(おんこう)」と組み合わせた「温厚篤実」や「篤実温厚」という四字熟語も、あわせて覚えておきましょう。
「篤実」の語源は?
次に「篤実」の語源を確認しておきましょう。「篤」という漢字の語源は「馬がゆっくり歩く・馬が毒で苦しむ・欠点のない馬」など、諸説あるようです。「篤実」という言葉の「篤」は、「馬がゆっくり歩く」もしくは「欠点のない馬」からきているのかもしれません。
「篤」の字を使う言葉には、ほかにも「重篤」や「危篤」といった病気に関わる表現があります。これらの言葉は「馬が毒で苦しむ」といった意味が語源になっていると考えられるでしょう。
一方の「実」の基本の意味は「中身が詰まっていること」。転じて「心がこもっている」という意味で用いられています。
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