国語言葉の意味

「粛々」の意味や使い方は?例文や類語を日本文学科卒Webライターがわかりやすく解説!

よお、ドラゴン桜の桜木建二だ。この記事では「粛々」について解説する。

端的に言えば粛々の意味は「静かで厳かなさま」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本語が好きで日本文学科を卒業したハルを呼んだ。一緒に「粛々」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/ハル

日本語が大好きで日本文学科を卒業。現在は子供が言葉を覚えていく様子を見ながら日本語の奥深さを実感中。多くの人にそのよいところを紹介したいとの思いを込めて丁寧に解説する。

「粛々」の意味や語源・使い方まとめ

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「粛々」という言葉をご存知ですか。「粛々と~する」といった形で耳にしたことがあるかと思います。どんな意味を持つ言葉でしょうか。それでは早速「粛々」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「粛々」の意味は?

まず初めに、「粛々」の意味を辞書で確認してみましょう。「粛々」には、次のような意味があります。

1.ひっそりと静まっているさま。
2.おごそかなさま。厳粛なさま。威厳をもって物事を行うさま。
3.つつしみうやまうさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「粛粛」

「粛々」の読み方は「しゅくしゅく」です。「静かで厳かなさま」を意味します。静かにひっそりと、慎み、敬い、厳かに物事を行うさまを表現する言葉です。ただ静かにというだけでなく、身を引き締めて、真剣に真面目に厳しい態度で物事を行うという意味合いを含んでいます。現代では、「慌てず騒がず厳かに」といった意味で使われることが多い言葉ですね。

「粛々」の語源は?

次に「粛々」の語源を確認しておきましょう。

「粛々」は、古代中国では鳥が羽ばたく音を表す擬態語でした。

「粛」という漢字は、竿を手に持つ象形と両岸が迫り間に淵のある形の象形から成り、淵に竿を指すことから「おそれつつしむ」という意味を持つ文字として成り立ちました。「慎む」「敬う」「厳か」「正す」「厳しい」「静か」などの意味を持っています。行動を慎む「自粛」、礼儀正しい「厳粛」、静かな様子を表す「静粛」などに使われている文字ですね。この「粛」という字を二つ重ねていることから、身の引き締まるように厳しいさまが表現されているのです。

有名な頼山陽(らいさんよう)の詩句に「鞭声粛粛(べんせいしゅくしゅく)夜(よる)河(かわ)を渡(わ)たる」というものがあります。「鞭声粛粛」は「相手に気づかれないように、静かに馬に鞭(むち)打つさま」を表す四字熟語。この詩句は、川中島の戦いで、上杉謙信が武田信玄の機先を制すべく、夜、馬に鞭打つ音も静かに千曲川を渡ったときの情景を詠んだものです。頼山陽は、「粛々」という言葉の持つ「静かに厳かに」という意味と共に、鳥が羽ばたく擬態語であったことも知識として持っていました。ですから、この一節で闇夜に響く鞭の音という効果音も重ねて表現しているのが絶妙であると言われているのですよ。

\次のページで「「粛々」の使い方・例文」を解説!/

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