
端的に言えば不埒の意味は「道理にはずれ不届きなこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
幼少期から様々な分野の本を読み続け、知識を深めてきた川瀬を呼んです。一緒に「不埒」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/川瀬
幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読み続けていく中で、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。
「不埒」の意味は?
「不埒」には、次のような意味があります。
1. 道理をよくわきまえていること。また、物事の善悪・損得などをよく考えること。「分別のないことを言う」「よく分別して態度を決める」
2.仏語。もろもろの事理を思量し、識別する心の働き。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「不埒」
「不埒」は「ふらち」と読み、冒頭でも紹介した通り2つの意味を持つ言葉です。1つ目は「道理に外れていること。けしからぬこと」という意味。その中でも、現代では「性的な下心を抱いてること」「卑怯な手段で財産を手に入れること」の意味で、使われる事が非常に多いです。
2つ目の意味は、「要領を得ないこと」「埒のあかないこと」という意味。「埒が明かない」という言葉が熟語になったような意味合いですが、この意味で用いられることはあまりありません。
「不埒」の語源は?
次に「不埒」の語源を確認しておきましょう。「不埒」の語源は、「埒」という字にあります。「埒」とは訓読みで「かこ-い」と読み、元々は「乗馬のために、広場に廻らせられていた柵」の事を意味していました。そこに「不」という否定を意味する字が組み合わさり、「物事の境目・区切りから外れたこと」を表現する「不埒」という言葉になり、次第に「道理から外れたこと」を指すようになったと言われています。
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