この記事では「頑な」について解説する。

端的に言えば頑なの意味は「他人にかまわず自分の思い込みを保つ態度のこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

幼少期から様々な分野の本を読み続け、知識を深めてきた川瀬を呼んです。一緒に「頑な」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/川瀬

幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読み続けていく中で、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。

「頑な」の意味や語源・使い方まとめ

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「頑なな人」「頑なに〇〇」などという言葉を一度は見聞きしたことがあるのではないでしょうか。「頑固なこと」と、なんとなく意味のイメージはつきます。しかし、正しい意味と使い方を知ることで、適した場面で自分で使う事が出来るのです。それでは早速「頑な」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「頑な」の意味は?

「頑な」には、次のような意味があります。

1 意地を張って自分の主張や態度を変えないさま。頑固。「頑なに拒みつづける」「頑なな態度」

2 見苦しく劣っているさま。愚かで下品なさま。 「翁 (おきな) 、門をえ開けやらねば、寄りて引き助くる、いと―なり」〈源・末摘花〉

3 不体裁なさま。ぎごちないさま。 「―なる筆やうして書きたるが」〈徒然・八一〉

出典:デジタル大辞泉(小学館)「頑な」

「頑な」は「かたくな」と読み、大きく分けて3つの意味があります。1つ目は「意地を張って自分の主張や態度を変えないさま。」、2つ目は「 見苦しく劣っているさま。愚かで下品なさま。」、3つ目は「 不体裁なさま。ぎごちないさま。 」という意味

類義語の「頑固」と同じ漢字が使われている事もあり、「頑として受け入れない」のように、「がんな」と読み間違えてしまう方がいますが、これは間違いです。

「頑な」の語源は?

次に「頑な」の語源を確認しておきましょう。「頑」という漢字自体の元々の定義は、「融通が利かない・かたくな」と言われており、他にも「がっしりとしている」などの意味もあると言われています。

「頑な」の語源は、一説では「曲がる」に加え「偏る」ではないかと言われているのです。この説に基づくと、「偏って曲がる」から転じ、「偏屈」「ひねくれもの」「頑な」に転じたと言われています。

\次のページで「「頑な」の使い方・例文」を解説!/

「頑な」の使い方・例文

「頑な」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.あの人は性格が頑なで、人の意見を一切聞きいれないから放っておくことにする。
2.彼は頑なに断り続けており、結局答えを導き出すことはできなかった。
3.あの人は頑なで意地っぱりだから、何を言っても無駄だ。

これらの例文について、1つ1つ詳しく見ていきましょう。例文1は「頑な」の言い回しの1つ、「頑なで」を使った文章になります。主に現代では「融通が利かなく、自分の意見や主張を変えないこと」という意味で使われる事が多いです。例文1では「あの人は融通が利かなく、人の意見を聞き入れないため、放っておく」という意味の文章になっています。

例文2、3の「頑な」も同様の意味です。「頑なに」とすると、「あの人は融通が利かなく、一切動作を変えようとしない」ことを表現しており、「彼は一切融通が利かず、断り続けている」という意味の文章になっています。

「頑な」の類義語は?違いは?

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「頑な」とは「意地を張って自分の主張や態度を変えないさま。」「 見苦しく劣っているさま。愚かで下品なさま。」「 不体裁なさま。ぎごちないさま。 」の3つの意味がありました。そんな「頑な」の類義語についても見ていきましょう。

その1「頑固」

「頑な」の類義語には、「頑固」が挙げられます。「頑固」とは「がんこ」と読み、「かたくなで、なかなか自分の態度や考えを改めようとしないこと」という意味。「かたくな」と意味にあるように、「頑な」と「頑固」はほぼ全く同じ意味です。

しかし、「頑な」と「頑固」は使われるシーンに違いがあります。「頑固」は自分の考えや態度など、「性格」を表す場合に用いられる事が多いです。「頑な」は、人の意見を受け入れない、つまり状態や言動を表す場合に使います。

\次のページで「その2「強情」」を解説!/

・どんな優しい人にでも頑固な一面はあるから、人の意見を聞き入れらないと思っても仕方がない。

・クラスにとても頑固な人が居るが、関わると面倒な事が多くなるためなるべく関わらないようにする。

・頑固な頭痛に悩まされているので、病院でもらった薬を必ず飲むようにする。

その2「強情」

「強情」とは「ごうじょう」と読み、「意地が強く、一度こうと決めたらそれを守り通す、態度・様子」という意味。こちらも「頑固」とほぼ同じ意味と感じてしまいます。しかし、「頑固」は「自分の考えや態度を貫き通すこと」ですが、「強情」は「自分の考えなどを中々変えない」というニュアンスがあるのです。「頑な」「頑固」「強情」、それぞれ適した場面が異なるため、上手に使い分けていきましょう。

「頑な」の対義語は?

「頑な」の類義語や意味についてご紹介させて頂きましたが、対義語についても見ていきましょう。

「素直」

「頑な」の対義語には「素直」が挙げられます。「素直」とは、「ひがんだ所がなく、人に逆らわないこと。心が純真さを失っていないこと」という意味。周囲の意見を無下にせず、反発する事もなく受け入れる事を「素直」と表現します。「自分の主張や意見を曲げず、人の意見を聞かないさま」を表す、「頑な」の対義語と言っていいでしょう。

・彼は担任の先生の忠告に素直に従った。

・息子は素直な子に育った。

「頑な」の英訳は?

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「頑な」の意味や類義語について見ていきましたが、英語で表現する際に適している単語についても見ていきましょう。

「stubborn」

一般的には、「頑な」を英語で表現する場合、「stubborn」が適しているでしょう。「stubborn」とは、自分の考えを変えたり、何かを辞める事を嫌がる事を意味します。また、「頭が固い」を表現する際には、「hard-headed」が使われる事もあるため、あわせて覚えておくと便利でしょう。

・「彼は頑固な人だ」

 「He is a stubborn person」
 「He is a hard-headed person」

・「お父さんは頑固だから、話しにくい」

 「It’s hard to talk with my father because he isstubborn」
 「It’s hard to talk with my father because he is hard-headed」

「頑な」を使いこなそう

この記事では「頑な」の意味・使い方・類語などを説明しました。「頑な」は「意地を張って自分の主張や態度を変えないさま。」「 見苦しく劣っているさま。愚かで下品なさま。」「 不体裁なさま。ぎごちないさま。 」の3つの意味を持っています。主に現代では、1つ目の意味で使われる事が殆どです。

類義語としては「頑固」と「強情」が挙げられ、意味もほぼ同じになっています。「頑固」は自分の考えや態度など、「性格」を表す場合に用いられる事が多く、「頑な」は、人の意見を受け入れない、つまり状態や言動を表す場合に使うと覚えておくと、上手に使い分けることができるでしょう。

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国語言葉の意味

「頑な」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「頑な」について解説する。

端的に言えば頑なの意味は「他人にかまわず自分の思い込みを保つ態度のこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

幼少期から様々な分野の本を読み続け、知識を深めてきた川瀬を呼んです。一緒に「頑な」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/川瀬

幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読み続けていく中で、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。

「頑な」の意味や語源・使い方まとめ

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「頑なな人」「頑なに〇〇」などという言葉を一度は見聞きしたことがあるのではないでしょうか。「頑固なこと」と、なんとなく意味のイメージはつきます。しかし、正しい意味と使い方を知ることで、適した場面で自分で使う事が出来るのです。それでは早速「頑な」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「頑な」の意味は?

「頑な」には、次のような意味があります。

1 意地を張って自分の主張や態度を変えないさま。頑固。「頑なに拒みつづける」「頑なな態度」

2 見苦しく劣っているさま。愚かで下品なさま。 「翁 (おきな) 、門をえ開けやらねば、寄りて引き助くる、いと―なり」〈源・末摘花〉

3 不体裁なさま。ぎごちないさま。 「―なる筆やうして書きたるが」〈徒然・八一〉

出典:デジタル大辞泉(小学館)「頑な」

「頑な」は「かたくな」と読み、大きく分けて3つの意味があります。1つ目は「意地を張って自分の主張や態度を変えないさま。」、2つ目は「 見苦しく劣っているさま。愚かで下品なさま。」、3つ目は「 不体裁なさま。ぎごちないさま。 」という意味

類義語の「頑固」と同じ漢字が使われている事もあり、「頑として受け入れない」のように、「がんな」と読み間違えてしまう方がいますが、これは間違いです。

「頑な」の語源は?

次に「頑な」の語源を確認しておきましょう。「頑」という漢字自体の元々の定義は、「融通が利かない・かたくな」と言われており、他にも「がっしりとしている」などの意味もあると言われています。

「頑な」の語源は、一説では「曲がる」に加え「偏る」ではないかと言われているのです。この説に基づくと、「偏って曲がる」から転じ、「偏屈」「ひねくれもの」「頑な」に転じたと言われています。

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