この記事では「ご厚情」について解説する。

端的に言えばご厚情の意味は「深い思いやり」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

幼少期から様々な分野の本を読み続け、知識を深めてきた川瀬を呼んです。一緒に「ご厚情」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/川瀬

幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読み続けていく中で、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。

「ご厚情」の意味や語源・使い方まとめ

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皆さん「ご厚情」という言葉をご存じでしょうか。一見堅苦しい言葉に感じますが、葬儀や式典や、年賀状などの書面に置いてよく使われる言葉になっています。いざ目にした時に戸惑わないよう、正しい意味と使い方を知る事が大切です。それでは早速「ご厚情」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ご厚情」の意味は?

「ご厚情」には、次のような意味があります。

「厚情」に丁寧の「お」をつけた表現。「厚情」は、深い情けや思いやりのこと。「格別のご厚情を賜わり厚く御礼 申し上げます」のように用いる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ご厚情」

「ご厚情」とは、「深い情けや思いやりのこと」という意味。「厚情」と漢字で表されている通り、人の「深い情け」「思いやり」「親切心」の意味を持っており、言葉の頭に尊敬語である「ご」のついた、敬語の表現になっています。

「ご厚情」は「ごこうじょう」という読み方です。「厚」は訓読みでは「厚い」と読みますが、「ご厚情」では音読みで「ごこうじょう」と読むため、間違えないように注意しましょう。また、「ご厚情」は漢字で「御厚情」と書く場合もあるため、あわせて覚えておきましょう。

「ご厚情」の使い方・例文

「ご厚情」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「ご厚情」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.昨年中は並々ならぬご厚情を賜り、心よりお礼申し上げます。
2.当店は本日で開店20周年を迎えることができました。これも皆様のご支援とご厚情の賜物でございます。心よりお礼申し上げます。
3.子犬の件ですが、既に引き取り先が決まってしまったため、ご厚情にお応えすることができません。大変申し訳ございません。

これらの例文について、1つ1つ詳しく見ていきましょう。例文1の「ご厚情を賜り」とは、「相手の情けや思いやりを受ける」という意味。「ご厚情を賜る」は、日常生活ではあまり見聞きしない言葉ですが、書面やスピーチなど、改まったシーンで使われる事が多いです。例文1のように「ご厚情を賜り、心よりお礼申し上げます」といったように、主に感謝の気持ちを述べる際に使います。

例文2の「賜物」ですが、意味としては「賜ったもの。いただき物」「結果として生じた、よい事・物」という意味。「努力の賜物」といったように、良い結果・良いものを表します。「ご厚情の賜物」とすると、「相手の思いやりのおかげで現れたもの」という意味です。例文2の場合、「皆様のおかげで開店20周年を迎える事が出来た」という例文になります。

「お答えする」は、「相手からの要望や期待に応じる」という意味。例文3のように「ご厚情にお答えする」とすると、「相手の情けや親切心に応じる」という意味になります。相手のご厚情に対し、同意か断る時に使う事が出来る言い回しです。

「ご厚情」の類義語は?違いは?

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「ご厚情」には「深い情けや思いやり」という意味でした。そんな「ご厚情」の類義語についても見ていきましょう。

その1「ご高配」

「高配」は「ごこうはい」と読み、「相手・他人の払ってくれる配慮を敬う」という意味。「ご高配」とすると、「高配」の尊敬語になります。「ご高配」は、書面やビジネス文書などで、あいさつ文として使われる事が多いです。「ご厚情」との違いは、「ご高配」は具体的に何かをしてもらった事を意味しています。

・ここに謹んでご報告申し上げますとともに、これまでの皆さんのご支援ご高配に心よりお礼申し上げます。

・平素は格別のご高配をいただき、誠にありがとうございます。資料をお送りしますので、お確かめくださいますようお願い申し上げます

\次のページで「その2「ご厚意」」を解説!/

その2「ご厚意」

「厚意」とは「おもいやりのある心。厚情。」という意味。「ご厚意」とすると、「相手の優しくおもいやりのある心」を指しています。

・社員の皆様のご厚意により、新しいプロジェクトが完成しました。

・せっかくのご厚意ですが、僕には勿体ないためお断りいたします。お気持ちだけでもありがたく頂戴したいと存じます。

・お客様のご厚意により、本日新築完成見学会を開催させていただきました。

「ご厚情」の対義語は?

「ご厚情」の類義語や意味についてご紹介させて頂きましたが、対義語についても見ていきましょう。

「薄情」

「ご厚情」の対義語は「薄情」で、「人情に薄く思いやりがないこと」を意味しています。「ご厚情」は「深い情けや思いやり」を表しており、「薄情」は「人情に薄く思いやりがないこと」を示しているため、対義語と言えるでしょう。

「ご厚情」の英訳は?

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「ご厚情」の意味や類義語について見ていきましたが、英語で表現する際に適している単語についても見ていきましょう。

「your kindness」

「ご厚情」を英語で表現する場合、「your kindness」が最も適しているでしょう。「your kindness」は「親切さ」や「優しさ」を意味しています。一般的には、「Thank you for your kindness.」「I appreciate your kindness.」などと使われることが多いです。

\次のページで「「ご厚情」を使いこなそう」を解説!/

・I will take advantage of your kindness.(私はあなたのご好意に甘えます)

・I thank you for your kindness.(御厚志を謝す)

・I shall never forget your kindness(このご恩は忘れません)

「ご厚情」を使いこなそう

この記事では「ご厚情」の意味・使い方・類語などを説明しました。「ご厚情」とは、「深い情けや思いやりのこと」という意味。日常生活などではあまり見聞きしない言葉ですが、書面や改まった場面で使われる事が多い言葉です。

「ご厚情」には「ご」という尊敬を表す接頭語があるように、基本的に目上の人に使います。目下の人に対しては、使ってしまうと逆に失礼と捉えられてしまう事もあるため、気をつけましょう。

「ご厚情」をはじめとして、相手に対し感謝を伝える言葉は他にもありますが、場面に合わせた適切な言葉を選び、感謝の気持ちを述べる事が出来るようにしたいですね。

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国語言葉の意味

「ご厚情」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「ご厚情」について解説する。

端的に言えばご厚情の意味は「深い思いやり」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

幼少期から様々な分野の本を読み続け、知識を深めてきた川瀬を呼んです。一緒に「ご厚情」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/川瀬

幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読み続けていく中で、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。

「ご厚情」の意味や語源・使い方まとめ

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皆さん「ご厚情」という言葉をご存じでしょうか。一見堅苦しい言葉に感じますが、葬儀や式典や、年賀状などの書面に置いてよく使われる言葉になっています。いざ目にした時に戸惑わないよう、正しい意味と使い方を知る事が大切です。それでは早速「ご厚情」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ご厚情」の意味は?

「ご厚情」には、次のような意味があります。

「厚情」に丁寧の「お」をつけた表現。「厚情」は、深い情けや思いやりのこと。「格別のご厚情を賜わり厚く御礼 申し上げます」のように用いる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ご厚情」

「ご厚情」とは、「深い情けや思いやりのこと」という意味。「厚情」と漢字で表されている通り、人の「深い情け」「思いやり」「親切心」の意味を持っており、言葉の頭に尊敬語である「ご」のついた、敬語の表現になっています。

「ご厚情」は「ごこうじょう」という読み方です。「厚」は訓読みでは「厚い」と読みますが、「ご厚情」では音読みで「ごこうじょう」と読むため、間違えないように注意しましょう。また、「ご厚情」は漢字で「御厚情」と書く場合もあるため、あわせて覚えておきましょう。

「ご厚情」の使い方・例文

「ご厚情」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「ご厚情」の類義語は?違いは?」を解説!/

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