この記事では「了見」について解説する。

端的に言えば了見の意味は「考え」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

幼少期から様々な分野の本を読み続け、知識を深めてきた川瀬を呼んです。一緒に「了見」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/川瀬

幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読み続けていく中で、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。

「了見」の意味や語源・使い方まとめ

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「了見」は少し難しい言葉で、「考え」「考えをめぐらすこと」などの、4つの意味を持つ言葉。「了見の狭い人だ」「了見が狭い」などの様に使いますが、実は「料簡」「了簡」などで表す事も出来るのです。それでは早速「折り合い」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「了見」の意味は?

「了見」には、次のような意味があります。…などと文章を始めてください。(文章を増やす場合は200字程度まで)

1 考え。思慮。分別。「悪い―を起こす」

2 考えをめぐらすこと。 「好く―して前後を考えて見たら」〈紅葉・金色夜叉〉

3 こらえること。堪忍。 「熊胆が出るや否や帰って仕舞ったと云う事がちゃんと分ったから、書生さん中々―しない」〈福沢・福翁自伝〉

4 とりはからい。処置。 「このことを語りなばいかなる―もありやせんと思ひ」〈伽・猿源氏〉

出典:デジタル大辞泉(小学館)「了見」

このように、「考え。思慮。分別。」「考えをめぐらすこと」「許すこと。こらえること。」「とりはからい、処置」の4つの意味があります。現代では、1つ目の「考え」という意味や、2つ目の「考えをめぐらすこと」という意味で使われる事が多い言葉です。3つ目の「こらえること」や4つ目の「処置」という意味では、古めかしい表現からか、現代ではあまり使われません。

「了見」の語源は?

次に「了見」の語源を確認しておきましょう。語源は、仏教語の「料簡法意(りゃんけんほうい)」と言われています。そもそもは、「料簡」は「りょうかん」と読み、「図り選ぶ」という意味がありました。やがて、「りょうけん」と読むようになり、意味合いも「さまざまな事情を思案し、適切な考えを選ぶ」という意味合いで使われるようになったのです。そこからまた派生し、「考え、思慮」という意味合いで現代使われていると考えられます。

\次のページで「「了見」の使い方・例文」を解説!/

「了見」の使い方・例文

「了見」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.君のその行動が、了見が狭いことを証明しているんだ。
2.了見違いをしているようだが、この程度のことで私は恐れなど抱かない。
3.まだ、幼い子どもを車に放置するなんて、どういった了見だ。

これらの例文について、1つ1つ詳しく見ていきましょう。「了見」の使い方には、「了見が狭い」「了見の狭い人」があり、例文1では前者を用いた例になっています。「了見が狭い」とは、「考え方が1つの方向に偏っていること」という意味。「了見が狭い人」とすると、「考え方が1つの方向に偏っている人」となるので覚えておきましょう。

「了見違い」も「了見」の言い回しの1つです。「了見違い」とは、「考え違い」「考えが間違っている」ことを意味する言葉で、例文2のように「了見違いをしている」のように使う事が出来ます。

他にも「どういった了見だ」という言い回しもあるため、覚えておきましょう。「どういった了見だ」とすると、「どういった考え」となるため、例文3の場合は「子供を放置するなんて、どういう考えだ」という意味の例文になるのです。

「了見」の類義語は?違いは?

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「了見」には「考え。思慮。分別。」「考えをめぐらすこと」「許すこと。こらえること。」「とりはからい、処置」の4つの意味がある事が分かりました。そんな「了見」の類義語についても見ていきましょう。

その1「考え」

「了見」を最も分かり易い日本語で言い換えると「考え」になり、最も近い類義語と言えるでしょう。「考え」とは「考えること。また、考えて得た結論・判断・予測・決意など」という意味。ほぼ意味に違いはなく、「了見違い」を「考え違い」へ、「了見が狭い」は「考え方が偏っていて狭い」へ言い換えることが可能です。

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その2「意見」

「意見」には2つの意味があり、「ある問題についての考え。」「自分の考えを述べて人をいましめること。」という意味。「了見」の類義語としては、前者の意味が当てはまるでしょう。

「了見」の対義語は?

「了見」の類義語について見ていきましたが、対義語についても見ていきましょう。

「了見が広い」

「了見」の対義語としては、「了見が広い」が当てはまります。「了見が狭い」は「考え方が片方に偏ってること」を意味しているため、「考え方が偏っていないこと」を意味する「了見が広い」が対義語と言っていいでしょう。意味は、「広い視野を持ち、周囲の考えを受け入れること」です。しかし、「了見が狭い」と比較して、「了見が広い」の使用頻度はあまり高くありません。

・了見が狭いとバカにするということは、彼女はさぞ広い了見をもっているのだろう。

・自分の考えが一番正しいと、自分以外の考えをわざわざ否定する人は、了見が広いとは言えないだろう。

「了見」の英訳は?

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「了見」の意味や類義語について見ていきましたが、英語で表現する際に適している単語についても見ていきましょう。

「Idea」

「了見」を英語で表現する場合、「Idea」が適しているでしょう。「Idea」とは、「考え」を意味する単語で、「了見」の1つ目の意味を表現出来ます。また、「了見が狭い」は、「Narrow-minded」で表現する事が出来るのです。「Narrow-minded」は、偏狭を意味しており、「A narrow-minded person(了見の狭い人)」のように使いましょう。

\次のページで「「了見」を使いこなそう」を解説!/

・What’s the big idea?(それはどういった考えだ)

・Well, people can be very narrow-minded sometimes. : (まあ、人は時に心がとても狭いからね。)

・never realized how narrow-minded someone is (人がこんなに心の狭い人間だとはまるで気付かなかった)

「了見」を使いこなそう

この記事では「了見」の意味・使い方・類語などを説明しました。「了見」には、「考え。思慮。分別。」「考えをめぐらすこと」「許すこと。こらえること。」「とりはからい、処置」の4つの意味がある言葉です。「了見」には言い回しの形が様々あり、「了見が狭い」「了見違い」「どういった了見だ」のように使いましょう。

類義語では「考え」という言葉があり、言い換え語としても使う事が出来ます。「了見」は日常的にあまり見聞きしない言葉なので、意味が伝わりにくいと感じた場合は、「考え」と言い換えてみましょう。「了見」の正しい意味と使い方を理解し、適した場面で使ってみましょう。

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国語言葉の意味

「了見」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「了見」について解説する。

端的に言えば了見の意味は「考え」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

幼少期から様々な分野の本を読み続け、知識を深めてきた川瀬を呼んです。一緒に「了見」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/川瀬

幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読み続けていく中で、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。

「了見」の意味や語源・使い方まとめ

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「了見」は少し難しい言葉で、「考え」「考えをめぐらすこと」などの、4つの意味を持つ言葉。「了見の狭い人だ」「了見が狭い」などの様に使いますが、実は「料簡」「了簡」などで表す事も出来るのです。それでは早速「折り合い」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「了見」の意味は?

「了見」には、次のような意味があります。…などと文章を始めてください。(文章を増やす場合は200字程度まで)

1 考え。思慮。分別。「悪い―を起こす」

2 考えをめぐらすこと。 「好く―して前後を考えて見たら」〈紅葉・金色夜叉〉

3 こらえること。堪忍。 「熊胆が出るや否や帰って仕舞ったと云う事がちゃんと分ったから、書生さん中々―しない」〈福沢・福翁自伝〉

4 とりはからい。処置。 「このことを語りなばいかなる―もありやせんと思ひ」〈伽・猿源氏〉

出典:デジタル大辞泉(小学館)「了見」

このように、「考え。思慮。分別。」「考えをめぐらすこと」「許すこと。こらえること。」「とりはからい、処置」の4つの意味があります。現代では、1つ目の「考え」という意味や、2つ目の「考えをめぐらすこと」という意味で使われる事が多い言葉です。3つ目の「こらえること」や4つ目の「処置」という意味では、古めかしい表現からか、現代ではあまり使われません。

「了見」の語源は?

次に「了見」の語源を確認しておきましょう。語源は、仏教語の「料簡法意(りゃんけんほうい)」と言われています。そもそもは、「料簡」は「りょうかん」と読み、「図り選ぶ」という意味がありました。やがて、「りょうけん」と読むようになり、意味合いも「さまざまな事情を思案し、適切な考えを選ぶ」という意味合いで使われるようになったのです。そこからまた派生し、「考え、思慮」という意味合いで現代使われていると考えられます。

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