この記事では「鼻白む(はなじろむ)」について解説する。

端的に言えば鼻白むの意味は「興覚めする」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国語力だけでこれまでの社会人生活を乗り切ってきたライター、ヤザワナオコに、「鼻白む」の意味や例文、類語などを説明してもらおう。

ライター/ヤザワナオコ

コールセンターの電話応対指導やマナー講師、テレビ番組の字幕製作経験もあるライター、ヤザワナオコ。

「鼻白む」という表現は小説などで見かけていたものの、長年耳から入ったことがなかったために「はなしらむ」と誤読していたらしい。正しい読み方を知ったときは驚いたとか。鼻白むとはどんなときに使う言葉なのか解説してもらう。

「鼻白む」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「鼻白む」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「鼻白む」の意味は?

「鼻白む」には、次のような意味があります。

1.気後れした顔つきをする。

2.興ざめがする。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

筆者のような間違いをしないよう、まず読み方「はなじろむ」をしっかり覚えましょう。

この言葉には2つの意味があります。1つ目は状態が思わしくなくなって気おくれする様子。2つ目は楽しんでいた気持ちに水をかけられて気分を害することです。どちらも、思わぬことが起こってポジティブさが失われる点で共通していますね。

「鼻白む」の語源は?

次に「鼻白む」の語源を確認しておきましょう。急に悪い知らせを受けたり怒られたりしたときに「顔面蒼白(がんめんそうはく)になる」という言い方をしますね。このように驚いて顔から血の気が引き、中心にある鼻が白くなる様子から「鼻白む」が生まれたといわれています。

また、「鼻」という漢字には「自分自身」という意味も。「私がね…」などというときに、鼻を指さすことがありますよね。中国では、人はまず鼻から形作られるともいわれたようです。

そして「白む」だけでも「興が冷める、しらける」の意味があります。この2つが合わさって「鼻白む」というようになりました。

\次のページで「「鼻白む」の使い方・例文」を解説!/

「鼻白む」の使い方・例文

「鼻白む」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.相手が感情のままに勢いよく言い募るから、一瞬鼻白んでしまった。

2.皆が盛り上がっているときに、彼女はすぐネガティブな発言をするから鼻白む思いをさせられる。

「鼻白む」は例文のように普段の会話で使ってもおかしくはない言葉ですが、日常会話で聞く機会はあまりないかもしれません。「興覚めした、がっかりした」を用いたり、シーンと相手によっては「ドン引きした」などが適切なこともあるでしょう。

そうした内容を多少文語的に言い換えたい場合に便利なのが「鼻白む」といえます。例えば、友人の結婚式でふさわしくないスピーチをした人がいて驚いた、と報告する場合に「鼻白んでしまった」と使うと、語彙力が豊かな印象になりますよ。

「鼻白む」の類義語は?違いは?

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では、「鼻白む」と同じ意味で使える言葉を見ていきましょう。もちろん意味としても使われた「気後れする」「興覚めする」も類語といえますが、ここではそれ以外の表現を解説します。

その1「しらける」

その場の雰囲気が悪くなることをいいます。盛り上がっていたムードが一転して、そこにいる人たちの顔色がさっと変わるようなシーンにぴったりなこの言葉。「鼻白む」との違いは、「鼻白む」のは「人」なのに対し、「しらける」は主語が「状況や場」という点です。

「何が」すっと冷めてしまったかによって、「鼻白む」と「しらける」を使い分けましょう。

\次のページで「その2「萎える(なえる)」」を解説!/

その2「萎える(なえる)」

気力が抜けてぐったりする様子を表します。植物がしおれることや、人間の手足などが麻痺して物理的に衰えることを指すこともありますよ。この言葉が「気力を失う」の意味で使われる場合は、「鼻白む」の類語といえますね。

・実現不可能な夢でも、みんな楽しく妄想話をしているんだ。急に現実的なことを言って場をしらけさせるなよ。

・せっかく本気で仕事の説明をしているのに、退屈そうな表情をされて萎えてしまった。

「鼻白む」の対義語は?

次に、「鼻白む」とは反対の意味を表す言葉を紹介します。

その1「白熱する」

雰囲気や感情が、極度に熱を帯びた状態になることです。よく使われるのは「白熱した試合」「議論が白熱した」などスポーツや会話に関するシーン。

「鼻白む」が持つ「興ざめする」とは逆に盛り上がる様を表します。違うのは、「鼻白む」はその原因とともに使われることが多いのに対し、「白熱した」は特に原因を明示しない場合も多い点。また、「白熱」は人ではなく、状況や場の雰囲気を主語にして使うことがほとんどです。

その2「ボルテージが上がる」

「ボルテージ」は元は電圧を意味し、そこから熱気や興奮度合いを指すようになった言葉です。スポーツ観戦やコンサートなどで観客の気持ちが高ぶっている様子を示す際によく使われます。

さらに盛り上がりを強調したい場合は、「会場のボルテージは最高潮に達した」などということもありますよ。

 

・みなさんの白熱した議論のおかげで、有益な解決策を導き出すことができました。

・超有名バンドの登場で、会場のボルテージはさらに上がった。

\次のページで「「鼻白む」の英訳は?」を解説!/

「鼻白む」の英訳は?

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ここにライティングを挿入してください。(200字程度まで)

その1「lose one's nerve」

「気後れする」の意味を英語で表すならこの表現がいいでしょう。nerveは「神経」なので、直訳すると「神経を失う」の意味。「おじけづく」「臆病風に吹かれる」などと訳すこともできます。大勢の聴衆の前でスピーチすることになり、緊張するようなシーンで便利に使えますよ。

その2「turn off」

スイッチを切る、電気を消すといった場合によく使う「turn off」ですが、「興味をなくす、嫌気がさす」の意味もあります。「鼻白む」を「興ざめする」の意味で使う場合の英訳にはこれが適切でしょう。

といっても「鼻白む」のように文語的なニュアンスは特にないので、日本語でいう「彼の今日のファッションにはドン引きしたわー」といった場合に気軽に使うことができますよ。

「鼻白む」を使いこなそう

この記事では「鼻白む」の意味・使い方・類語などを説明しました。ビジネスシーンでは、悪気はなくてもマナーを知らないだけでも職場の人が鼻白む事態を起こしかねないのが怖いところですね。就職や転職をする際は、その企業や職種の常識とされるものは一通り押さえて、悪目立ちすることがないようにしたいものです。

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【慣用句】「鼻白む」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「鼻白む(はなじろむ)」について解説する。

端的に言えば鼻白むの意味は「興覚めする」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国語力だけでこれまでの社会人生活を乗り切ってきたライター、ヤザワナオコに、「鼻白む」の意味や例文、類語などを説明してもらおう。

ライター/ヤザワナオコ

コールセンターの電話応対指導やマナー講師、テレビ番組の字幕製作経験もあるライター、ヤザワナオコ。

「鼻白む」という表現は小説などで見かけていたものの、長年耳から入ったことがなかったために「はなしらむ」と誤読していたらしい。正しい読み方を知ったときは驚いたとか。鼻白むとはどんなときに使う言葉なのか解説してもらう。

「鼻白む」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「鼻白む」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「鼻白む」の意味は?

「鼻白む」には、次のような意味があります。

1.気後れした顔つきをする。

2.興ざめがする。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

筆者のような間違いをしないよう、まず読み方「はなじろむ」をしっかり覚えましょう。

この言葉には2つの意味があります。1つ目は状態が思わしくなくなって気おくれする様子。2つ目は楽しんでいた気持ちに水をかけられて気分を害することです。どちらも、思わぬことが起こってポジティブさが失われる点で共通していますね。

「鼻白む」の語源は?

次に「鼻白む」の語源を確認しておきましょう。急に悪い知らせを受けたり怒られたりしたときに「顔面蒼白(がんめんそうはく)になる」という言い方をしますね。このように驚いて顔から血の気が引き、中心にある鼻が白くなる様子から「鼻白む」が生まれたといわれています。

また、「鼻」という漢字には「自分自身」という意味も。「私がね…」などというときに、鼻を指さすことがありますよね。中国では、人はまず鼻から形作られるともいわれたようです。

そして「白む」だけでも「興が冷める、しらける」の意味があります。この2つが合わさって「鼻白む」というようになりました。

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