この記事では「四方山話」について解説する。

端的に言えば四方山話の意味は「雑談」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元予備校校舎長で教育系ライターのみゆなを呼んです。一緒に「四方山話」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/みゆな

元大手予備校校舎長、現在は教育系のライター。国語、特に現代文の指導経験が豊富。難解な言葉や表現を中高生がスラスラ理解できるように解説するのが大得意。

「四方山話」の意味や語源・使い方まとめ

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「四方山話」は「よもやまばなし」と読みます。「四方の山の話…?」ではありませんよ。日常会話的に行っている身近な行動を指す言葉です。「四方山話」の意味を知らない、あるいはあいまいだという方は、由来まで含めて正しく把握していきましょう。

それでは早速「四方山話」の意味や語源・使い方を見ていきます。

「四方山話」の意味は?

「四方山話」には、次のような意味があります。

いろいろな話題の話。世間話。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「四方山話」

四方山話」は「世間話、雑談」という意味です。日頃からよくやっていますね。実際に使う場合は「四方山話に花が咲く」「四方山話に浸る」というように慣用表現になることが多い言葉です。ただ「四方山話」という漢字表記は読み方が難しいため、書き言葉では「よもやま話」とひらがなになることが多いですね。合わせて押さえておきましょう。

「四方山話」の語源は?

次に「四方山話」の語源を確認しておきましょう。

「四方山」はもともと「四方八方/四面八面」だったと言われています。「四方八方」は「しほうはっぽう」という読み以外に「よもやも」と読まれることがありました。そして「よもや《も》」が「よもや《ま》」と音が変化たと言われています。

もともとの「四方八方」が「あちこち、さまざま、いろいろ、世間」といった意味を持っており、そこから「あちこちさまざまな話題を離す雑談」のことを「四方山話」というようになりました。

\次のページで「「四方山話」の使い方・例文」を解説!/

「四方山話」の使い方・例文

「四方山話」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.商談という名の四方山話ばかりで、特にこれといった成果は得られなかった。
2.久しぶりに参加した同窓会で四方山話に花が咲いた。
3.ばったり旧友に出会った。四方山話に浸っていたら、1時間も経っていた。

「四方山話」は「他愛もない雑談、世間話」という意味ですね。話しているうちに盛り上がり、話題がどんどん変わっていくさまを表します。

例文1は「商談だと思ったら世間話ばかりで、特に成果は得られなかった」という意味です。せっかくアポを取り商談に臨んだのに、先方がずっと雑談ばかりしていたせいで契約に辿り着けなかったという落胆ぶりが伝わります。

例文2は「四方山話に花が咲く」という慣用表現です。「花が咲く」という表現自体に「それからそれへと、にぎやかに続く」という意味があるため、「四方山話に花が咲く」とは「雑談や世間話が盛り上がってずっと続いている状態」を表します。

例文3はよく使われるもう1つの慣用表現「四方山話に浸る」です。「浸る」は「ある状態や心境にはいりきる」という意味ですね。従って「四方山話に浸る」という表現は、「世間話や雑談に入りきる」という意味になります。

「四方山話」の類義語は?違いは?

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「四方山話」と同じ意味を持つ言葉には、どのようなものがあるのでしょうか?3つご紹介します。

その1「与太話」

「四方山話」の類義語の1つ目は「与太話(よたばなし)」です。「与太話」とは「出まかせのつまらない話。でたらめの話」という意味で、「四方山話」より「ばかばかしい」というニュアンスが強くなります。「与太話」の与太とは、落語に登場する”与太郎”というキャラクターに由来するのですよ。いつもばかげた話をしていたり、愚かな行動をしたりしているキャラクターで、転じてばかばかしい話を「与太話」というようになりました。

\次のページで「その2「他愛もない話」」を解説!/

その2「他愛もない話」

他愛もない話」という言葉もありますね。「他愛もない」とは「しっかりした考えがない。また、幼くて思慮分別がない」という意味で、「他愛もない話」は「内容のない話、取るに足らない話、どうでもよい話」という意味になります。

その3「井戸端会議」

「四方山話」の類義語として3つめにご紹介するのは「井戸端会議」です。「井戸端会議」は「主婦たちが家事の合間に集まってするおしゃべり」という意味で、その昔井戸端などで、近所の女性たちが水くみや洗濯などをしながら、人のうわさや世間話をすることをからかっていったことに由来します。

「四方山話」の対義語は?

「四方山話」には残念ながら対義語はありません。「雑談、世間話」という意味には反対になる概念がないからですね。もし真面目な話やシリアスなシチュエーションでの会話を表現したいときは「真剣な話」「会議」「訓戒」など場面に合わせた言葉を選ぶようにしましょう。

「四方山話」の英訳は?

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「四方山話」は世界中どこでもありそうですよね。英語で表現するとどのようになるのでしょうか?2つご紹介します。

その1「small talk」

「四方山話」を英語で表すと「small talk」です。「small talk」は「雑談、世間話」と訳される言葉で、近い間柄で交わされるちょっとした会話を指します。

I make small talk with my younger sister.
「私は妹と雑談をします」

\次のページで「その2「chat」」を解説!/

その2「chat」

chat」も「四方山話」の英語表現です。「くつろいで親しげに交わす雑談、おしゃべり」という意味ですね。「talk」はシリアスな話にも気軽なおしゃべりにも使える一方、「chat」は「ちょっと話をする、カジュアルなおしゃべり」という意味合いが強くなります。場面に応じて使い分けてみてください。

We spent the evening chatting about all sorts of things.
「その夜は四方山話に花が咲いた」

「四方山話」を使いこなそう

この記事では「四方山話」の意味・使い方・類語などを説明しました。

人間は他者と分かち合いたい生き物なのかもしれませんね。「四方山話」のような他愛もない話でも、おしゃべりし分かち合うことで高揚感や満足感が得られますよね。他人の時間を奪い過ぎるのはいけませんが、お互いに気持ちよく「四方山話」ができる時間は日々の潤いになってくれるのかもしれません。

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国語言葉の意味

「四方山話」の意味や使い方は?例文や類語を元予備校校舎長がわかりやすく解説!

この記事では「四方山話」について解説する。

端的に言えば四方山話の意味は「雑談」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元予備校校舎長で教育系ライターのみゆなを呼んです。一緒に「四方山話」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/みゆな

元大手予備校校舎長、現在は教育系のライター。国語、特に現代文の指導経験が豊富。難解な言葉や表現を中高生がスラスラ理解できるように解説するのが大得意。

「四方山話」の意味や語源・使い方まとめ

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「四方山話」は「よもやまばなし」と読みます。「四方の山の話…?」ではありませんよ。日常会話的に行っている身近な行動を指す言葉です。「四方山話」の意味を知らない、あるいはあいまいだという方は、由来まで含めて正しく把握していきましょう。

それでは早速「四方山話」の意味や語源・使い方を見ていきます。

「四方山話」の意味は?

「四方山話」には、次のような意味があります。

いろいろな話題の話。世間話。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「四方山話」

四方山話」は「世間話、雑談」という意味です。日頃からよくやっていますね。実際に使う場合は「四方山話に花が咲く」「四方山話に浸る」というように慣用表現になることが多い言葉です。ただ「四方山話」という漢字表記は読み方が難しいため、書き言葉では「よもやま話」とひらがなになることが多いですね。合わせて押さえておきましょう。

「四方山話」の語源は?

次に「四方山話」の語源を確認しておきましょう。

「四方山」はもともと「四方八方/四面八面」だったと言われています。「四方八方」は「しほうはっぽう」という読み以外に「よもやも」と読まれることがありました。そして「よもや《も》」が「よもや《ま》」と音が変化たと言われています。

もともとの「四方八方」が「あちこち、さまざま、いろいろ、世間」といった意味を持っており、そこから「あちこちさまざまな話題を離す雑談」のことを「四方山話」というようになりました。

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