
「にっちもさっちも」の使い方
改めて意味を確認します。「にっちもさっちも」は「物事が行き詰まり、身動きのとれないさま」という意味です。そのため、ネガティブな状況で使われます。
「にっちもさっちも」を使った例文
実際の例を見ていきましょう。
1.この店も30年近く続けてきたが、跡継ぎがいないことにはにっちもさっちもいかない。もうたたむしかないのだろうか。
2.目的地への道を調べず、やみくもに歩いて、にっちもさっちもいかなくなった。
3.海外旅行のさいちゅうに、カバンを盗まれた。財布もパスポートもない状態ではにっちもさっちもいかないよ。
4.担当者が突然退職したせいで、プロジェクトの進行が二進も三進もいかなくなってしまった。
それぞれどのような状況が「にっちもさっちも」いかなくなったのかに注目します。
1では、個人で経営している店の先行きが行き詰まってしまいました。跡継ぎがいなければ、どれだけ続けていきたいという意思があっても、どうにもなりません。
2は道を知らない状態であちこち歩きまわり、目的地にもたどり着かなければ、引き返すことも困難になったことを「にっちもさっちも」で表現しています。
3海外旅行中に財布もパスポートも失ってしまっては、どこかへ行くことも身分を証明することも難しいでしょう。
4担当者が突然いなくなったということになれば、プロジェクト内容がどこまで話し合われ決まっていたのか、わかる人がいなくなってしまいます。これでは「にっちもさっちも」いきませんから、またイチから始めるということにもなりかねません。
「にっちもさっちもどうにもブルドッグ」とは?
「にっちもさっちも」を調べると必ずと言っていいほど出てくるのが「にっちもさっちもどうにもブルドッグ」という言葉です。この不思議なフレーズは、1977年に発売されたフォーリーブスの「ブルドッグ」という歌の一節。戦いの日々に追い詰められてどうしようもなくなった男が、それでも力強い見た目のブルドッグのように振る舞うんだという内容を、リズミカルに表現した歌詞です。
歌詞を書いた伊藤アキラ氏は、ほかに「南の島のハメハメハ大王」や「はたらくくるま」といった童謡を作詞しています。どの歌もユニークな歌詞が印象的ですよね。「ブルドッグ」も歌詞は当然のこと、ゴムバンドを使ったダンスも特徴的で、目でも耳でも楽しませてくれる曲です。
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