この記事では「青は藍より出でて藍より青し」について解説する。

端的に言えば青は藍より出でて藍より青しの意味は「弟子が師匠よりも優れた成果を出すことのたとえ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本語学を学び学習ライターを経験したfleurを呼んです。一緒に「青は藍より出でて藍より青し」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/fleur

小学校の頃の趣味は広辞苑を読むこと。日本語学を専攻し、出版社で校正を担当した経験も活かしわかりやすい日本語解説記事を発信する。

「青は藍より出でて藍より青し」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「青は藍より出でて藍より青し」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「青は藍より出でて藍より青し」の意味は?

「青は藍より出でて藍より青し」には、次のような意味があります。

《「荀子」勧学から》青色の染料は草の藍からとるが、それはもとの藍草よりももっと青い。弟子が師よりもすぐれていることのたとえ。出藍 (しゅつらん) の誉れ。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「青は藍より出でて藍より青し」

染物をたとえに、教わる側の人物が指導者を上回ることをたとえたことわざです。

また学ぶことや努力によって持って生まれた以上の実力を手に入れることを指すこともあります。

キーワードは自分や師匠を「追い抜く、超えること」。悪い意味ではなく素晴らしいことだというニュアンスで使われます。

「青は藍より出でて藍より青し」の語源は?

次に「青は藍より出でて藍より青し」の語源を確認しておきましょう。

由来は辞書の意味でも述べられているように藍の草で染めた布がより濃く鮮やかな青色を発することからです。

これは中国の戦国時代の思想家である荀子の言葉で、本来は現代とは異なり信頼できる師の元でしっかり学問にはげむべきだ、という意味を持ちました。

\次のページで「「青は藍より出でて藍より青し」の使い方・例文」を解説!/

「青は藍より出でて藍より青し」の使い方・例文

「青は藍より出でて藍より青し」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.「青は藍より出でて藍より青し」とは言ったものだな、太郎はお母さんより英語が話せるみたいだ。
2.彼は天才ともてはやされているが、座右の銘は「青は藍より出でて藍より青し」だそうだ。才能があると言われていた兄に負けじと毎日10時間も稽古をしていたらしい。

1は辞書で示されている「師匠を上回ることのたとえ」として使われている例です。指導していたお母さん以上に子の英語力が向上したことを表しています。

2では才能を凌駕する努力をしたことを示す例です。才能の差に絶望することなく実力を伸ばすことに特化したということですね。

「青は藍より出でて藍より青し」の類義語は?違いは?

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「青は藍より出でて藍より青し」は日常会話で使うには少し難しい言葉かもしれませんね。

合わせて似た言葉を覚えておき、使いこなせるようにしておきましょう。

その1「氷は水より出でて水よりも寒し」

荀子の言葉で「青は藍より出でて藍より青し」に続くものです。

そのため意味は全く同じですが、布を染めることは一般にありませんから「青は藍より出でて藍より青し」より身近で分かりやすいかもしれません。

水が氷に変わる際に必ず温度が下がることが由来です。

\次のページで「その2「鳶が鷹を生む」」を解説!/

その2「鳶が鷹を生む」

ごくごく普通の両親の元にとびぬけた才能を持つ子が生まれることのたとえです。

意味としては「青は藍より出でて藍より青し」に似ていますが、親子関係のある人々に対して使う点が異なります。

鳶は鷹類には当たるが勇猛さに欠けるので、その比較が由来となった表現です。

その3「出藍の誉れ」

出典を「青は藍より出でて藍より青し」と同じくし、意味も同じ言葉です。

ただし注目したいのが「誉れ」という名誉を指す言葉が使われている点。

師匠側にフォーカスし、自分より立派な弟子を生んだその功績を称えた表現になっています。

「青は藍より出でて藍より青し」の対義語は?

つづいて、「青は藍より出でて藍より青し」の対義語についてご紹介します。

その1「蛙の子は蛙」

この才能は親譲りであり、それ以上にはならないという意味です。

初めは才能があるように見えたとしても成長していくにつれて親程度の人間になることを示します。

基本的には良い意味では使われず、「ご両親のように素晴らしい人になった」という意味では使えないため注意しましょう。

その2「瓜の蔓に茄子はならぬ」

ごく平凡な両親の元には特別な能力を持った子などは生まれないことのたとえです。

瓜の蔓(つる)には瓜しかなることがなく、見た目の似ている茄子も実がなることはないということに由来します。

かつては茄子が高級品であったことから生まれた表現です。

その3「血は争えない」

血がつながった家族は外見・中身問わず性質が似るということを指す言葉です。

「青は藍より出でて藍より青し」や他の類義語と違い良い意味でも、単に親と似ているという意味でも使うことができるのが特徴ですね。

また最も日常会話で使われている表現でもあるので覚えておくと良いでしょう。

\次のページで「「青は藍より出でて藍より青し」の英訳は?」を解説!/

「青は藍より出でて藍より青し」の英訳は?

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「青は藍より出でて藍より青し」を英語で表現するとしたらどのように言い表すことができるでしょうか。

最後の仕上げに確認しましょう。

その1「the student has become the master」

「教え子が師匠になった」という意味です。

「青は藍より出でて藍より青し」の意味をシンプルに表しているので余計な説明がいらず使いやすいでしょう。

単体で使うとただ生徒が教師になったという事実を述べているようにも捉えられるので、努力をして師を超えることになったことも合わせて説明するのがおすすめです。

その2「The student may surpass the teacher.」

「あの生徒は先生を超えるかもしれない」という意味です。才能がありしっかり学んでいる人に対して期待を込めて評価したいときに使えます。

決まり文句ではないので、前後で話題の人物の才能について触れるとより分かりやすいでしょう。

「青は藍より出でて藍より青し」とは意味が違いますが、「教える側も常に鍛錬が必要だ」という意味でも使えます。

「青は藍より出でて藍より青し」を使いこなそう

この記事では「青は藍より出でて藍より青し」の意味・使い方・類語などを説明しました。古くから残る向上心や師弟関係の美しさがうかがえる素敵な表現でしたね。

私たちも、「蛙の子は蛙」と、自分の才能に見切りをつけて諦めることがなくできることを積み重ねて大きな成果を出していけると良いですね。

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国語言葉の意味

【慣用句】「青は藍より出でて藍より青し」の意味や使い方は?例文や類語を現役文学部生ライターがわかりやすく解説!

この記事では「青は藍より出でて藍より青し」について解説する。

端的に言えば青は藍より出でて藍より青しの意味は「弟子が師匠よりも優れた成果を出すことのたとえ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本語学を学び学習ライターを経験したfleurを呼んです。一緒に「青は藍より出でて藍より青し」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/fleur

小学校の頃の趣味は広辞苑を読むこと。日本語学を専攻し、出版社で校正を担当した経験も活かしわかりやすい日本語解説記事を発信する。

「青は藍より出でて藍より青し」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「青は藍より出でて藍より青し」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「青は藍より出でて藍より青し」の意味は?

「青は藍より出でて藍より青し」には、次のような意味があります。

《「荀子」勧学から》青色の染料は草の藍からとるが、それはもとの藍草よりももっと青い。弟子が師よりもすぐれていることのたとえ。出藍 (しゅつらん) の誉れ。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「青は藍より出でて藍より青し」

染物をたとえに、教わる側の人物が指導者を上回ることをたとえたことわざです。

また学ぶことや努力によって持って生まれた以上の実力を手に入れることを指すこともあります。

キーワードは自分や師匠を「追い抜く、超えること」。悪い意味ではなく素晴らしいことだというニュアンスで使われます。

「青は藍より出でて藍より青し」の語源は?

次に「青は藍より出でて藍より青し」の語源を確認しておきましょう。

由来は辞書の意味でも述べられているように藍の草で染めた布がより濃く鮮やかな青色を発することからです。

これは中国の戦国時代の思想家である荀子の言葉で、本来は現代とは異なり信頼できる師の元でしっかり学問にはげむべきだ、という意味を持ちました。

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