

端的に言えば、年増の意味は「娘盛りを過ぎた年のころの女性」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
元新聞記者で、ライター歴20年のトラコを呼んだ。一緒に「年増」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/トラコ
全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。
「年増」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速、「年増」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。わからない単語があれば、まずは、国語辞典や辞書、事典などで調べる、インターネットで検索するのがおすすめです。
「年増」の意味は?
「年増」という言葉、次のような意味があります。
娘盛りを過ぎた女性。一般に30歳代半ばから40歳前後までの女性をいう。江戸時代には20歳前後を年増、20歳を過ぎてから28、9歳ぐらいまでを中年増、それより上を大年増といった。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「とし-ま【年増】」
年増は、若々しい女ざかりの年頃を過ぎた中年女性のことを意味します。読み方は「としま」です。
時代によってその年頃は変化し、江戸時代は今より早く、20歳(二十歳)前後ですでに年増、28、9歳までを「中年増」(ちゅうどしま)、30歳を超えると「大年増」(おおどしま)と言いました。
現在、年齢を重ねても若々しく見える女性が多いのもあり、20代だとまだ若いというイメージで、年増と言うと違和感があるかもしれません。30歳から40歳ごろの女性を指すのが適切と言えます。
「年増」の語源は?
次に、「年増」の語源を確認しておきましょう。
年増はもともと、年上を意味する「としまし(年増し)」「としまさり(年増り)」を略した言葉です。かつて遊郭(遊廓)で、盛りを過ぎた遊女に対して用いられたとされています。
江戸時代の作品にも登場し、例えば、山東京伝の洒落本『客衆肝照子』で「年増」と呼ばれる年頃の女性が登場するほか、別の洒落本『蕩子筌枉解』では色白で粋も不粋も知り尽くす妖艶で魅力的な遊女が「中年増」と呼ばれていました。
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