

キーストーン種というのは、生態系について学ぶ際に目にする用語だ。キーストーン種の概念は、生態系について理解するためには必須だぞ。そして、この概念は生態系保全などの場面においても役に立つ。持続可能な社会の実現には生態系の保全は不可欠だ。それゆえ、キーストーン種についての知識が無駄になることはないだろう。ぜひこの機会に、キーストーン種についての理解を深めてくれ。
工学の視点で生態系について学んだことがある学生ライター通りすがりのペンギン船長と一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/通りすがりのペンギン船長
工学部所属の現役理系大学生。環境工学を専攻している。高校時代は生物を学んでいなかったが、大学進学後に工学的な視点から生態系について詳しく学んだ。
キーストーン種について学ぶ前に

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キーストーン種というのは、生態系に関する用語の1つです。そのため、キーストーン種についての理解を深めるためには、生態系に関連する基礎的な知識が必要不可欠となります。ですから、この記事の前半では、生態系について解説しますね。そして、記事の後半で、本題であるキーストーン種について解説をしますよ。
今回の話題は、生物学に詳しくない方であっても、理解しやすい内容になっています。生態系に関係する議論は、環境問題などを学ぶ上でも重要です。生物学以外に興味がある場合でも、役に立つであろう内容なので、ぜひ最後まで記事を読んでみてくださいね。

まずは、生態系に関する知識を学ぶぞ。
生態系とは?
はじめに、生態系という言葉が何を意味しているのかを確認しておきましょう。生態系とは、ある地域に生息する動物や植物などのすべての生物とそれらを取り巻く非生物的環境の集合体のことを表します。つまり、複数の生物個体によるコミュニティが生態系なのです。
人類は、都市、町、村のようなコミュニティを形成し、生活を送っています。それと同様に、複数の生物が相互に影響を及ぼしながら、集合体を形作っているのですね。
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生態系の意味を覚えておけよ。
生態系の挙動
生態系は、生産者・消費者・分解者によって構成され、あらゆる物質が絶えず循環していますよ。これらの物質の流れは、大量の生物種が存在し、それらが絶妙なバランスを保っていることで維持されています。このように、大量の生物種が存在することを生物多様性といいますよ。
生態系の一部が変化すると、全体のバランスに影響が出てきます。つまり、生態系に属する生物は相互作用によって、持ちつ持たれつの関係をもっているのですね。この考え方は、生態系について勉強する際に、最も重要な概念となります。

生態系は絶妙なバランスの上に成り立っているぞ。
キーストーン種について学ぼう!
ここからは、メインテーマであるキーストーン種についての解説を進めていきます。以下では、キーストーン種という名称がついた理由とキーストーン種の特徴について説明を行いますね。
キーストーン種が生態系の中で担っている役割に注目して、記事を読み進めてみてください。また、キーストーン種以外との違いについても考えてみてくださいね。

ここからは、キーストーン種について学ぶぞ。
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