この記事では「微睡む」について解説する。

端的に言えば微睡むの意味は「うとうとする」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本語が好きで日本文学科を卒業したハルを呼んです。一緒に「微睡む」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハル

日本語が大好きで日本文学科を卒業。現在は子供が言葉を覚えていく様子を見ながら日本語の奥深さを実感中。多くの人にそのよいところを紹介したいとの思いを込めて丁寧に解説する。

「微睡む」の意味や語源・使い方まとめ

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「微睡む」と書いて何と読むかご存知ですか。漢字の意味にヒントがあります。何と読み、どんな意味を持つ言葉でしょうか。それでは早速「微睡む」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「微睡む」の意味は?

まず初めに、辞書で「微睡む」の意味を確認してみましょう。「微睡む」には、次のような意味があります。

1.少しの間うとうとする。
2.眠る。寝入る。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「微睡む」

そうです。「微睡む」は「まどろむ」と読むのですよ。少しの間うとうとすることを言います。眠気を催してちょっとの間浅く眠ること、気づいたら浅い眠りに落ちていたことを表現する言葉なのです。「少しだけ仮眠をとる」、「少しだけ昼寝をする」という行為を表現しているのですね。

「眠る。熟睡する。寝入る。転じて、活動が停止する。」という意味も持っていますが、一般的には「少しの間うとうとする」という意味で使われています。

「微睡む」の語源は?

次に「微睡む」の語源を確認しておきましょう。

「微睡む」の語源は、「目(ま)どろむ」であると言われています。眠くなって目がとろんとするところから由来しているのです。ちょっとだけ(微)眠る(睡)という漢字は、意味からあてがわれた当て字なのですよ。「微睡む」と漢字で書くよりも、「まどろむ」とひらがなで書いた方がしっくりくるような気がしてしまいます。

\次のページで「「微睡む」の使い方・例文」を解説!/

「微睡む」の使い方・例文

「微睡む」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.大学の授業中、講師の話を子守歌についつい微睡んでしまった。
2.その女性は、書店の小さなベンチに腰掛けて微睡んでいた。
3.睡眠不足で微睡んでいた頭がようやくクリアになって、新しいアイディアがわいてきた。

「微睡む」は「うとうと眠る」こと。つまり、襲ってきた睡魔に勝てず、つい浅い眠りに入ってしまったさまを表す言葉です。実際に眠ってしまう時だけでなく、ぼんやりとしてしまうことを表現する場合にも使うことができます。しっかりとベッドに入って長時間睡眠をとるといった場合には使えません。

「微睡む」は、日本で作られた大和言葉のひとつです。言葉の響きに艶や抒情的な雰囲気を感じませんか。日常会話で用いるよりは文学小説や歌詞の中に見る言葉かもしれませんね。しかし、ふとした時に使ってみると周りの人の心を和ませることができるかもしれませんよ。

「微睡む」の類義語は?違いは?

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「微睡む」の類義語を見ていきましょう。

その1「うたた寝」

「うたた寝」は漢字で「転寝」と書きます。「眠るつもりもないまま、うとうとと眠ること」「床にはいらないで、うつらうつら眠ること」を表す言葉です。「転」という文字が示す通り、横になって眠ってしまった場合に使われます。「居眠り運転」と言っても「うたた寝運転」とは言いませんね。寝るつもりではなかったのに横になっているうちに眠ってしまったという場合に使える言葉なのです。

\次のページで「その2「居眠り」」を解説!/

その2「居眠り」

では「居眠り運転」の「居眠り」とはどんな状態を表すのでしょうか。「居」という文字が入っているように、「(何かをしている途中で)すわった(=居)まま眠ること」を表しています。椅子などに座ったまま寝てしまうことや、作業などをしている途中で寝てしまうことをいうのです。この言葉も、「微睡む」と似ていますね。

その3「仮眠」

「仮眠」は、「一時的に短時間眠ること」を意味する言葉です。通常の睡眠時間が取れないときなど、少しの間でも寝ておくことを表します。思わずうとうとしてしまったという意味の「微睡む」と比べると、自分から積極的に眠るという意味合いを持っていますね。

その4「一眠りする」

「一眠りする」は「ひとねむりする」と読み、「一睡りする」と書くこともあります。「しばらくの間、眠ること」を表す言葉です。この言葉も、うっかり寝てしまったというニュアンスではなく、自ら進んで少し寝るという意味合いを持つ言葉ですね。休日の朝「もう一眠り」できるのは幸せですね。

その5「睡魔」

「睡魔」は「すいま」と読み、「引きずりこまれるような眠けを魔物にたとえていう語」です。「睡魔に襲われる」とよく言いますね。どうしようもない眠たさ、打ち克ち難い眠たさのことを言いますから、「微睡む」と比べた場合、厳密に言うと眠ってしまう少し前のところということになるかもしれません。とはいえ、つい眠りに引き込まれてしまうという点で「微睡む」と似ていますね。

「微睡む」の対義語は?

「微睡む」と反対の意味を持つ言葉を見ていきましょう。

「覚醒する」

「微睡む」の対義語というのは特にありません。うとうとと眠ってしまうことの反対の意味と考えると、「覚醒する」があげられると思います。「覚醒する」は、「目がさめること、また意識や感覚がはっきりと働きはじめること」を表す言葉です。こう考えると、「目が覚める」も「微睡む」の反対の意味を持つ言葉と言ってもいいかもしれませんね。

\次のページで「「微睡む」の英訳は?」を解説!/

「微睡む」の英訳は?

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「微睡む」を英語に訳すとどのように表現できるか見ていきましょう。

その1「doze」

「doze」は、「ちょっと眠る、居眠りする、思わずうたた寝する」といった意味を持つ単語です。動詞として「doze off」と用いると「思わずうたた寝をする」という意味になり、他動詞として「doze away」と用いると「うとうと過ごす」という意味になります。また、名詞として「fall into a doze」「have a doze」などと用いることもできますよ。

その2「nap」

「nap」は、「昼寝」を意味する単語ですが、「(日中の)居眠り、うたた寝」の意味で使うこともできます。「have a nap」と名詞として用いるのが一般的ですが、動詞として「napped」と用いると「うたた寝する」。「napping」と用いると「昼寝する」という意味で使うことができますよ。

I dozed off over a book.(本を読みながら微睡んでしまった。)

I took a nap after eating lunch.(ランチを食べた後、微睡みました。)

「微睡む」を使いこなそう

この記事では「微睡む」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「微睡む」は、「少しの間うとうとする」を意味する言葉でしたね。どうしようもない睡魔に襲われてしまった時は、状況が許すのであれば10分から15分ほど微睡むとその後の効率が上がるそうですよ。とはいえ、学校や職場ではなかなかそうはいかないのが悲しいところです。それはさておき、「微睡む」という言葉は響きのとても美しい言葉だと思います。「仮眠する」「うとうとする」と言う代わりに、日常会話でもぜひ使ってみてくださいね。

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国語言葉の意味

「微睡む」の意味や使い方は?例文や類語を日本文学科卒Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「微睡む」について解説する。

端的に言えば微睡むの意味は「うとうとする」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本語が好きで日本文学科を卒業したハルを呼んです。一緒に「微睡む」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハル

日本語が大好きで日本文学科を卒業。現在は子供が言葉を覚えていく様子を見ながら日本語の奥深さを実感中。多くの人にそのよいところを紹介したいとの思いを込めて丁寧に解説する。

「微睡む」の意味や語源・使い方まとめ

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「微睡む」と書いて何と読むかご存知ですか。漢字の意味にヒントがあります。何と読み、どんな意味を持つ言葉でしょうか。それでは早速「微睡む」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「微睡む」の意味は?

まず初めに、辞書で「微睡む」の意味を確認してみましょう。「微睡む」には、次のような意味があります。

1.少しの間うとうとする。
2.眠る。寝入る。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「微睡む」

そうです。「微睡む」は「まどろむ」と読むのですよ。少しの間うとうとすることを言います。眠気を催してちょっとの間浅く眠ること、気づいたら浅い眠りに落ちていたことを表現する言葉なのです。「少しだけ仮眠をとる」、「少しだけ昼寝をする」という行為を表現しているのですね。

「眠る。熟睡する。寝入る。転じて、活動が停止する。」という意味も持っていますが、一般的には「少しの間うとうとする」という意味で使われています。

「微睡む」の語源は?

次に「微睡む」の語源を確認しておきましょう。

「微睡む」の語源は、「目(ま)どろむ」であると言われています。眠くなって目がとろんとするところから由来しているのです。ちょっとだけ(微)眠る(睡)という漢字は、意味からあてがわれた当て字なのですよ。「微睡む」と漢字で書くよりも、「まどろむ」とひらがなで書いた方がしっくりくるような気がしてしまいます。

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