

端的に言えば垢抜けるの意味は「洗練されている」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
国語力だけでこれまでの社会人生活を乗り切ってきたライター、ヤザワナオコに、「垢抜ける」の意味や例文、類語などを説明してもらおう。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/ヤザワナオコ
コールセンターの電話応対指導やマナー講師、テレビ番組の字幕製作経験もあるライター、ヤザワナオコ。
研修インストラクターをしていると、地方出身の大学生がどんどん垢抜けていく様子を楽しみに見守っていたらしい。「垢抜ける」とはどんなときに使う言葉なのか解説してもらう。
「垢抜ける」の意味は?
「垢抜ける」には、次のような意味があります。
容姿・動作や技芸などが洗練されている。いきですっきりしている。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
デビュー当時は野暮ったい感じがするアイドルが、数年のうちにみるみる都会の女性らしく変身するのを感じたことはありませんか。そのように服装などの見た目や仕草から感じ取れる雰囲気が粋で洗練されているさまを表すのが「垢抜ける」という言葉です。
もちろん女性だけでなく男性にも使うことが可能。成長して大人っぽくなった様子や田舎っぽさが抜けたことを表す褒め言葉として使われます。ただ、使い方によっては相手の気分を損ねる恐れもある点には注意が必要。「垢抜ける」ということは「以前は野暮ったかった」と言っているようなものなので、無難に褒めたいならば「素敵ですね」など過去との比較ではない褒め方にしておきましょう。
「垢抜ける」の語源は?
次に「垢抜ける」の語源を確認しておきましょう。スーパー銭湯などにあかすりのサービスがあるように、体の垢を落とすとすっきりした印象になるというのは分かりやすいですね。
でもそれなら、「垢を落とす」となりそうで「抜ける」を使う点を説明できません。実はこの言葉、「垢」ではなく「灰汁(あく)が抜ける」が起源と言われています。煮込み料理をするときに肉や野菜から出るあくを取りますね。また、一般に受け入れられにくい性格の人を「あくが強い」と言ったりします。この「灰汁」が抜けて人当たりが良くなる様子を「あくが抜ける」といい、転じて「垢抜ける」と使うようになったそうです。
\次のページで「「垢抜ける」の使い方・例文」を解説!/