
受粉は植物の生殖の過程で生じる現象です。受粉をきっかけに種子がつくられ、次世代の個体が生育していくことになる。今回は、受粉から始まる種子形成の流れを確認するだけでなく、受粉の種類や花粉の送粉・受粉方法についても学んでいこう。
大学で生物学を学び、現在は講師としても活動しているオノヅカユウに解説してもらうぞ。

ライター/小野塚ユウ
生物学を中心に幅広く講義をする理系現役講師。大学時代の長い研究生活で得た知識をもとに日々奮闘中。「楽しくわかりやすい科学の授業」が目標。
1.受粉
受粉(じゅふん)とは、種をつくる植物=種子植物で、めしべの先端=柱頭に花粉が付着することを言います。受粉が起きて初めて、種子植物で種子の形成過程が始まるのです。

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なお、高校で学ぶ生物学以降では”めしべ(雌しべ)”という言葉は使わずに”雌蕊(しずい)”と呼ぶことが増えます。これと対になる用語が、花粉のつくられる場所である”おしべ(雄しべ)”を表す”雄蕊(ゆうずい)”です。雌蕊・雄蕊という言葉の方が、より専門的な感じがしますよね。
ただし、今回の記事では見やすさ・読みやすさを考慮し、あえて「めしべ」や「おしべ」という用語を使っていきたいと思います。
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