

端的に言えば「虻蜂取らず」の意味は「二つのものを同時に取ろうとして、結局一つも取れないこと」だが、意味やもっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ビジネスマンをしながら副業Webライターで活動している焚き付けを呼んだ。一緒に「虻蜂取らず」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/焚きつけ
平日は一般企業のビジネスマン、スキマ時間は副業Webライターとして活動している。「言葉のチカラをビジネスに活かす」を信条に、実際の生活と照らしながら分かりやすく解説していく。
「虻蜂取らず」の意味や語源・使い方まとめ

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「虻蜂」をどう読むか分からない方もいるかもしれませんね。こちらは「あぶはち」と読みます。虻も蜂も似たような虫ですが、この言葉にはどんな意味があるのでしょうか?
実は「虻蜂取らず」の意味や考え方は、仕事や人生において重要な教えの一つになる得るのです。今回は、そんな「虻蜂取らず」について詳しく、かつ分かりやすく解説して参ります。
それでは早速「虻蜂取らず」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「虻蜂取らず」の意味は?
「虻蜂取らず」には、次のような意味があります。
二つのものを同時に取ろうとして両方とも得られないこと。欲を出しすぎると失敗することのたとえ。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「虻蜂取らず」
欲にかまけることなく、まずは一つのことを集中して取り組むべきである、という意味合いにも捉えることができますね。
意味はこれで分かったと思いますが、「そもそもどうして虻と蜂なのか?」と疑問を感じた方もいらっしゃることでしょう。次に語源を見ていきます。この言葉の元となった、逸話を押さえると、「虻と蜂」である理由が分かりますよ。
「語源」の語源は?
それでは「虻蜂取らず」の語源を確認しましょう。この言葉は、次のような物語が語源となっています。
ある日一匹の虻がクモの巣にかかりました。クモの巣の主である蜘蛛は、その虻を食べようとしましたが、なんと他に蜂までかかっているではありませんか。蜘蛛が蜂の方へ向かうと、虻はその隙に逃げようとしました。蜘蛛は慌てて虻の方へ戻りますが、すると今度は蜂が逃げ出そうとするのです。
そして二匹の間で右往左往しているうちに、虻にも蜂にも逃げられてしまいました。結局、蜘蛛は一匹も捕らえることができなかったのです。
このことから、「二つのことを欲張って同時に得ようとすると、何一つも得ることはできない」という意味で「虻蜂取らず」という言葉が生まれました。
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