この記事では「疼く」について解説する。意外かもしれないが、「疼く」は案外生活でよく使用する言葉です。意味としてはシンプルですが、日常に寄り添った言葉で、覚えておくといろんな場面で使えるぞ。元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「疼く」の意味や使い方、類義語などを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「疼く」ってどんな意味?

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「疼く」の意味は以下の通りです。

1 傷口などが脈打つように痛む。ずきずき痛む。
2 心に強い痛みを感じる。

出典:コトバンク「疼く」

「疼く」は基本的に痛みの表現です。主にずきずきとした痛みに使用します。人間だれしも、体の不調は生活につきもの。したがって「疼く」に限りませんが、痛みや病などに関する表現は生活に寄り添っており、覚えておくと非常に有用です。日常生活だけでなく、病院にかかり痛みの感じを聞かれた際なども、覚えておくと伝わりやすく、便利と言えます。

「疼く」ってなんて読むの?

「疼く」の読み方は「うずく」です。「ひひく」「ひびらく」とも読みますが、現実問題としてほとんど使用しません。生活において「疼く」と表記されている場合、ほぼすべて「うずく」と読んで良いでしょう。また、「うずく」ではなく「うづく」と表記することもあります。

なお、「疼」という漢字だけを取り上げた場合は「トウ/ドウ」などと読むこともあるので覚えておいてください。「トウ」と読む場合の使い方は下記の類義語のトピックで説明します。

「疼く」の使い方は?

「疼く」は以下のように使用します。

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1.先日階段で転んで以来、どうも膝が「疼く」。
2.良い病院にかかれて、やっと肘の「疼き」がなくなった。
3.闘病中の母のことを思うと、仕事中だというのに胸が「疼い」て仕方がない。

1、2は身体的な痛みであり、3は心の痛みを表しています。「痛い」という言葉こそでませんが、上記はすべて痛みを感じる描写です。「痛い」という言葉と異なり、「疼く」は疼いている部分を主語にした動詞となるため、置き換えの際は語尾などを多少整える必要があります。注意してください。また、「疼き」という表現にして名詞扱いにすることも可能です。

使い方に特に難しい点はありませんが、強いて言うのであれば主語が自分ではなく傷や患部になることについて、慣れない場合があるかもしれません。使っていくうちに馴染みますので、徐々に慣れていきましょう。

もっと知りたい!「疼く」について

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「疼く」は比較的意味合いが簡単な言葉であり、掴みやすいです。そのため辞書で引いて分かることを頭に入れておけば、それだけで不自由なく使うことはできます。しかし本記事ではもう一歩踏み込み、「疼く」という言葉に対して掘り下げて解説しますので、ぜひ参考にしてください。

「疼く」がカバーする痛みの範囲は?

「疼く」は辞書上の意味として、「ずきずき痛む」と定義されています。つまり、痛みの種類としては基本的に鋭いものを指しているのです。また、ずきんずきんと脈動に合わせて強くなるタイプの痛みとも定義されています。

ただし実際は誤解されることも多く、じくじくと鈍い痛みを指して「疼きます」と表現する人も見受けられるのも確かです。生活の上でちらりと出る程度であれば問題ありません。しかし正確に痛みの程度や種類を聞きたいときは、「鋭い痛みですか鈍い痛みですか」「脈に合わせて痛みますか」と確認を取った方が、より確実と言えるでしょう。

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勘違いされがち!「疼く」は痛みの表現だが…

「疼く」は痛みの表現です。身体的なものと精神的なものの違いはありますが、痛みに対する言葉という意味では変わりません。しかしまれに、「疼く」に対して「むずむずする」「じんじんする」「熱くなる」などという意味と誤解している人もいます。

本当に体に傷ができた際、痛みを感じるのはもちろんです。しかし痛みだけでなく、他にもさまざまな感覚が生じます。「むずむずする」「じんじんする」「熱を持つ」などはすべて代表的な症状であり、傷に対してこういった感覚が出てくるのはよくあること。それによって、「傷が疼く」などという文章になった際、「傷がじんじんするのだろう」「傷が熱いのかな?」などと誤解する人が出てくるのでしょう。

「胸が疼く」という表現について

「胸が疼く」という表現には注意が必要です。これには2通り意味があり、本当に何らかの病などで胸に痛みが生じている場合。それから、精神的に辛いことがあり、たとえの表現として心が痛いという意味で「胸が疼く」という場合があります。どちらであるかは、文脈で判断する必要があるのです。

本当に傷があるわけでなく、精神的な痛みにも「疼く」は使用可能ですが、実際の所多くは「疼く」部位として「胸が」と繋げられます。胸はこの場合心のある場所としての例えであり、人間の体で他に心を連想させる場所はほぼありません。

「疼く」の類義語には大きな特徴が?

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「疼く」の類義語には面白い特徴があります。たとえば「痛む」なども立派な類義語ですが、他の言葉にはオノマトペが非常に多いのです。「ひりひり/ぴりぴり/ひりつく/ずきずき/じくじく」など、日本語の痛みに対するオノマトペは実にバリエーション豊か。そのバリエーション豊かな痛みの表現の多くが、「疼く」の類義語として使用されています。

「疼痛」って何?

「疼痛」という言葉があります。「疼く痛み」と書くこの言葉は、意味合いとしては「疼く」とまったく変わりがありません。ただ、「疼くような種類の痛み」という表現を手短に伝えたいときは、「疼痛」という表現が便利です。読み方は「とうつう」となります。「うずく」という読み方とは変化してしまいますので、注意してください。

いつか我が身に降りかかりかねない「疼く」

「疼く」という言葉は痛みに対する言葉です。そのため、縁がない人はほとんど使わないケースもあります。しかし、今健康で怪我にも病気にも縁が無いからと言って、これから先死ぬまでそうであるとは限りません。生きていれば怪我をすることもあり、病気をすることもあります。そのような場合に「疼く」を覚えていれば、何かと役に立つでしょう。

「痛い」とだけ覚えていれば良いのでは?という人もいますが、それは違います。医師であっても、診察の際に「痛い」だけでは判断しかねる状況は多いです。自分の状況を正確に伝えられる言葉を覚えておくことは、巡り巡って自分が助かることに繋がります。

「疼く」はメディアなどにもしばしば用いられる言葉です。そのため、「やや大げさな表現」とみなされることもありますが、「疼く」はけっして過剰な表現ではありません。自信を持って使用してください。

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国語言葉の意味

実はとっても役に立つ!「疼く」の意味や使い方・類義語などを言葉大好きライターがわかりやすく解説!

1.先日階段で転んで以来、どうも膝が「疼く」。
2.良い病院にかかれて、やっと肘の「疼き」がなくなった。
3.闘病中の母のことを思うと、仕事中だというのに胸が「疼い」て仕方がない。

1、2は身体的な痛みであり、3は心の痛みを表しています。「痛い」という言葉こそでませんが、上記はすべて痛みを感じる描写です。「痛い」という言葉と異なり、「疼く」は疼いている部分を主語にした動詞となるため、置き換えの際は語尾などを多少整える必要があります。注意してください。また、「疼き」という表現にして名詞扱いにすることも可能です。

使い方に特に難しい点はありませんが、強いて言うのであれば主語が自分ではなく傷や患部になることについて、慣れない場合があるかもしれません。使っていくうちに馴染みますので、徐々に慣れていきましょう。

もっと知りたい!「疼く」について

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「疼く」は比較的意味合いが簡単な言葉であり、掴みやすいです。そのため辞書で引いて分かることを頭に入れておけば、それだけで不自由なく使うことはできます。しかし本記事ではもう一歩踏み込み、「疼く」という言葉に対して掘り下げて解説しますので、ぜひ参考にしてください。

「疼く」がカバーする痛みの範囲は?

「疼く」は辞書上の意味として、「ずきずき痛む」と定義されています。つまり、痛みの種類としては基本的に鋭いものを指しているのです。また、ずきんずきんと脈動に合わせて強くなるタイプの痛みとも定義されています。

ただし実際は誤解されることも多く、じくじくと鈍い痛みを指して「疼きます」と表現する人も見受けられるのも確かです。生活の上でちらりと出る程度であれば問題ありません。しかし正確に痛みの程度や種類を聞きたいときは、「鋭い痛みですか鈍い痛みですか」「脈に合わせて痛みますか」と確認を取った方が、より確実と言えるでしょう。

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