

端的に言えば勤行の意味は「お坊さんのお勤め」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
元予備校校舎長で国語指導歴の長い教育系ライターのみゆなを呼んだ。一緒に「勤行」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/みゆな
元大手予備校校舎長、現在は教育系のライター。国語、特に現代文の指導経験が豊富。難解な言葉や表現を中高生がスラスラ理解できるように解説するのが大得意。
「勤行」の意味や語源・使い方まとめ

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「勤行」は「ごんぎょう」と読みます。日常で頻繁に使う言葉ではありませんね。「勤行」は仏教で使われる言葉です。今回は「勤行」の意味や語源・使い方を見ていきます。具体的にどんなことをするのか、また宗派によって違いはあるのかなど、深く理解していきましょう。
「勤行」の意味は?
「勤行」には、次のような意味があります。
1.仏道を修行すること。
2.仏前で、一定の時を定めて行う読経・回向など。お勤め。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「勤行」
「勤行」とは宗派の経典に合わせて「おつとめ」を行うことを指します。仏教徒として善い行いをすることが目的であり、お坊さんが仏前でお経を読むことも含まれますし、家庭で仏壇に手を合わせることも「勤行」です。一周忌などの法要も「勤行」に含まれます。宗派によって細かく違いはありますが、一般的には「仏教徒としての善行」全てを含むと理解していて構いません。
「勤行」の宗派ごとの違いは?
厳密には仏教の宗派によって「勤行」の内容は変わります。代表的なものを見てみましょう。
【天台宗】
朝夕2回。懺悔文・般若心経・開経偈などの念仏や経典を使って行う。焼香が必要。
【真言宗】
手と口を水でゆすいで清らかにしてから、懺悔文、般若心経、三帰、などの経典を使って行う。
【浄土宗】
朝夕の2回。三宝礼、懺悔偈、十念などの念仏や経を御本尊である阿弥陀如来の前で唱える。
【曹洞宗】
朝夕の2回。勤行の前に仏前で正座し、深呼吸する。三尊礼文・修証義・四弘誓願などを唱える。
【臨済宗】
1日に1回。坐禅和讃・舎利礼文・宗門安心章といった経典や念仏を唱える。
【日蓮宗】
勧請・妙法蓮華経方便品第二・同如来寿量品第十六・お題目などを唱える。
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