その4「力負けする」
「力負け」は、「腕力や実力が足りないために負けること」「力を入れすぎて、かえって負けること」を意味する名詞ですが、「力負けする」と動詞の形にすると、「無理やり好ましくないことを決められること」といった意味でも使われます。相手の力が強すぎて負けざるを得ないということが表現されるのですね。「力負けする」は、前述の「押し切られる」と言い換えることのできる言葉ですよ。
「絆される」の対義語は?
「絆される」と反対の意味を持つ言葉を見ていきましょう。
その1「意に介さない」
「意に介さない(いにかいさない)」は、「気に掛けない、気にしない、気にもとめない」という意味を持つ言葉です。主に自分に対する批判や嫌な出来事を気にしない場合に使われます。情にひかれて自由を束縛されてしまう「絆される」とは逆の意味を持つ言葉ですね。
その2「歯牙にもかけない」
「歯牙(しが)にもかけない」は、「問題にしない、無視して相手にしない」という意味を持つことわざ。歯牙とは文字通り歯と牙です。それが転じて言葉や議論を意味するようになりました。「歯牙にもかけない」は、わざわざとりあげて議論の対象にすることもないということを表しているのです。
その3「一顧だにしない」
「一顧(いっこ)だにしない」は、「わずかに振り返ってみることもしない、まったく顧みない」ことを意味する言葉です。「一顧」は、「ちょっと振り返って見ること、ちょっと心にとめてみること」を言います。それすらしない。つまり、まったく気にも留めないという意味になるのです。ちなみに、一顧の価値もないことを「一顧だに値しない」と言いますよ。
その1「be moved by」
「be moved by」は、「によって動かされる」「~に感動する」という意味があります。「情にほだされる」を表現したい場合には、「to be moved by affection」。「親切に絆される」を表現したい場合には、「be moved by somebody’s kindness」とすることができます。
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