端的に言えば絆されるの意味は「情にひきつけられてその気になる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
日本語が好きで日本文学科を卒業したハルを呼んです。一緒に「絆される」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/ハル
日本語が大好きで日本文学科を卒業。現在は子供が言葉を覚えていく様子を見ながら日本語の奥深さを実感中。多くの人にそのよいところを紹介したいとの思いを込めて丁寧に解説する。
「絆される」の意味や語源・使い方まとめ
「絆される」と書いて、何と読むかご存知ですか。どんな意味を持つ言葉でしょうか。それでは早速「絆される」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「絆される」の意味は?
まず初めに、辞書で「絆される」の意味を確認してみましょう。「絆される」には、次のような意味があります。
1.情に引きつけられて、心や行動の自由が縛られる。
2.身体の自由を束縛される。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「絆される」
「絆される」は「ほだされる」と読みます。人の気持ちにひきつけられてその気になることや、人情や愛情に影響されて予定外の行動をとることなどを表す言葉です。相手の熱意や相手への同情に心を動かされて自分もその気になり、思っていたのとは違う行動をとってしまうことを表現しています。ただし、「強制される」とか「騙される」といった意味合いで使うのは誤用ですので注意しましょう。あくまでも、相手への共感、同情、感心によって、そもそも自分が考えていたこととは違った行動を起こすことになってしまったということを意味しているのです。
「絆される」の語源は?
次に「絆される」の語源を確認しておきましょう。
「絆される」は、動詞「絆す(ほだす)」に受け身の助動詞「れる」がついた言葉です。
「絆(きずな)」とは、本来、馬、犬、鷹などの家畜を通りがかりの立ち木につないでおくための綱のことを言いました。ですから当初は、しがらみ、呪縛、束縛の意味に使われていたのです。そこから転じて、「人と人との断つことのできないつながり」を意味するようになってきました。「絆」を訓読みすると「ほだ(す)」です。この「絆す」が受け身となって「絆される」。綱でつなぎとめられて束縛されるということから、「情に縛られる」ことを表すようになっていったのですね。
「絆される」の使い方・例文
「絆される」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
\次のページで「「絆される」の類義語は?違いは?」を解説!/