

端的に言えば紺屋の白袴の意味は「他人のことに忙しくて、自分自身のことには手が回らないこと」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
今回は難関私大の文学部を卒業し、表現技法にも造詣が深い十木陽来を呼んだ。一緒に「紺屋の白袴」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。
- 「紺屋の白袴」の意味や語源・使い方まとめ
- 「紺屋の白袴」の意味は?
- 「紺屋の白袴」の語源は?
- 「紺屋の白袴」の使い方・例文
- 「紺屋の白袴」の類義語は?違いは?
- その1「医者の不養生」
- その2「易者身の上知らず」
- その3「髪結い髪結わず」
- その4「大工の掘っ立て」
- 「紺屋の白袴」の対義語は?
- 「閑古鳥が鳴く」
- 「紺屋の白袴」の英訳は?
- その1「The dyer wears white.」
- その2「The shoemaker’s children go barefoot.」
- その3「Specialists often fail to apply their skills to themselves.」
- 「紺屋の白袴」を使いこなそう
この記事の目次

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/十木陽来
難関私大の文学部卒ライター。現代文芸の表現技法を学びながら趣味で小説を書いたりもしてきた。その知識を使って様々な言葉の意味をわかりやすく丁寧に解説する記事を書いている。
「紺屋の白袴」の意味は?
「紺屋の白袴」には、次のような意味があります。
紺屋が、自分の袴は染めないで、いつも白袴をはいていること。他人のことに忙しくて、自分自身のことには手が回らないことのたとえ。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「紺屋の白袴」
「紺屋の白袴」は「他人のことに忙しく自分のことをする暇がない」という意味です。また「専門的な知識を持ちながらそれを自分に対して使わないこと」という意味でも用いられることがあります。これだけを聞くと自分のことよりも他人のことを優先しているので、一見すると他人のために働くほめ言葉のようにも見えてしまうかもしれません。しかし実際にはその道のプロでありながら自分のことを気にかけていない、というようなネガティブなニュアンスで用いられることが多いです。また、白袴を白足袋に変えた「紺屋の白足袋」ということわざもあります。
「紺屋の白袴」の語源は?
次に「紺屋の白袴」の語源を確認しておきましょう。「紺屋」とは藍染め屋のことを指し、のちに染物屋全般を指すようになりました。江戸時代、染物屋は大変に繁盛していました。それに加えて染物の専門知識を身に着け、その時々の流行にも対応していかなければならなかったため、とても忙しい仕事の一つという認識が広くありました。それだけ忙しいと自分の袴を染める時間すらない、ということから「紺屋の白袴」ということわざが生まれました。
\次のページで「「紺屋の白袴」の使い方・例文」を解説!/