この記事では「蟠り」について解説する。

端的に言えば蟠りの意味は「心の中に引っかかっているいやな気分や物事」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

放送局の制作現場の最前線で10年の経験を積んだsinpeito88を呼んです。一緒に「蟠り」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/sinpeito88

放送局の現場で10年間、ニュース原稿などを日々執筆。より正確な情報を届けられるよう言葉の探求を続けている。

「蟠り」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「蟠り」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「蟠り」の意味は?

「蟠り」には、次のような意味があります。

1.心の中にこだわりとなっている重苦しくいやな気分。特に、不満・不信・疑惑などの感情。

2.心に悪い考えのあること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「蟠り」

まず、「蟠り」には「心の中にこだわりとなっている重苦しくいやな気分」という意味があります。特に、不満や不信感など相手に対して抱いているマイナスな感情です。気がかりなことがあるけれど、それを素直に聞くことができなかったり、本音を打ち明けることがはばかられるような状態になっていることを表して使われます。

また、「心の中に悪い考えがあること」も「蟠り」です。相手に対するネガティブな感情が渦巻いているような状況を指して使われます。

このように、「蟠り」は、決して良い心持ち、感情に対して使われる言葉ではありません。不安や不信感、憎悪などが腹に満ちているような状況を意味しています。

「蟠り」の語源は?

次に「蟠り」の語源を確認しておきましょう。

「蟠り」とは、「蟠る」という動詞の連用形です。「ヘビがトグロを巻いている状態」を表した言葉で、その入り組んださまから連想されて「心の中に重苦しい感情などがあること」となっています。簡単には紐解けないような不信感や不満がまるで「蛇のとぐろのように」心に絡みつき、縛り付けているようだということです。

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「蟠り」の使い方・例文

「蟠り」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.ウソをついた友人に対する蟠りが消えることは一生ないだろう。

2.笑顔の二人には、蟠りなどないように思えた。

「蟠り」は何の原因もなく心に起こるものではなく、何か原因となる事象があることがほとんどです。例えば、職場の関係者や恋人からウソをつかれたり、足を引っ張られたりしたときに生まれるのが「蟠り」となります。

最初は小さな心のしこりかもしれませんが、解決しないでいると相手に対する不信感は募るばかり。次第に疑問に思っても話し合うこともしなくなり「しこり」は「蟠り」へと肥大化していくのです。

相手へのイメージが悪いので、「蟠り」のある場合には必要以上に悪意を感じたり、不信感を抱くようなってしまいます。

「蟠り」の類義語は?違いは?

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「蟠り」は「心の中にこだわりとなっている重苦しくいやな気分」という意味を持つ言葉です。類義語としては「懸念」「フラストレーション」「鬱屈」などが挙げられます。

それぞれを端的に表すと、「気になって離れることができない」状態が「懸念」、「欲求がかなわずに不満がたまる」のが「フラストレーション」、「気分がふさぐ」のが「鬱屈」です。

それぞれ心の中に起こっているネガティブな感情ですが、それを抱いた人間の反応が違います。

その1「懸念」

「懸念」は「ある物事が気になって離れられないほど不安であること」を意味しています。ビジネスや政治の世界でよく使われる言葉で「懸念がある」や「懸念が生じる」「懸念を示す」といった用法がポピュラーです。

「蟠り」と比べるとまだ「問題が複雑化し、解決が難しい状態」まで到達する手前の段階の問題にも使うことができます。むしろ「蟠り」になる前に、早急に解決すべき問題であることを示すことが出来る単語です。

「しこり」と表現してもよいですが、それよりは「蟠り」になりかねない危機感が内包されています。

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首相は度重なる外国船の領海侵犯に、強い懸念を示した。

その2「フラストレーション」

「欲求通りにいかない事に対する不満」を意味するのが「フラストレーション」です。理想像や計画がある中でそれが遂行できないことでイライラしたり、不満を持っているような状態を指します。

「蟠り」は相手があって生まれてくるものですが、「フラストレーション」はどちらかといえば自己に向いた感情です。相手に対する不信感というより、自己のふがいなさや自分が立てた計画が上手くいかないことに対する自分へのイライラを「フラストレーション」と表します。

試合前のプラン通りいに行かず、フラストレーションのたまる敗戦となった。

その3「鬱屈」

「気分が晴れ晴れとしない、ふさいだりする」ことを「鬱屈」と言います。「鬱屈とした心情」などと使われる言葉です。「蟠り」や「フラストレーション」があることによって、気持ちが落ち込んでしまったり、ふさぎ込んでしまった状態を表しています。

上司からのパワハラに耐えることしかできず、鬱屈とした日々を過ごしていた。

「蟠り」の対義語は?

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「蟠り」とは「心の中にこだわりとなっている重苦しくいやな気分、特に、不満・不信・疑惑などの感情」です。よって対義語となる言葉は「心の中にこだわりとなっている重苦しくいやな気分、特に、不満・不信・疑惑などの感情がない状態」を意味している言葉となります。

候補としてあげられるのは「放心」や「満足」です。「放心」は「気にかけない、心配事を払いのける」という意味があります。また「満足」は「不平不満がなく、心が満ち足りていること」を意味する言葉です。

しかし「放心」はどちらかと言えば「あまりの出来事に心を奪われてしまい、ぼんやりすること」という意味合いが強く、「満足」についても「蟠りがないこと」だけでは「心が満たされる」ということではありません。

よって「蟠り」の対義語は挙げることが出来ないということになります。

\次のページで「「蟠り」を使いこなそう」を解説!/

「蟠り」を使いこなそう

この記事では「蟠り」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「心の中にこだわりとなっている重苦しくいやな気分、特に、不満・不信・疑惑などの感情」を表している「蟠り」という言葉。

最初は小さなしこりかもしれませんが、それが長期化したり、複雑化したりすることで「蟠り」になっていきます。

早急に解決することが肝要なのにもかかわらず、放置したことがほとんどの原因です。

「蟠り」を捨て去るのに、何倍もの時間と労力がかかります。

人間関係が常に良好ということはありませんが、「蟠り」を持ったり、持たれたりすることはとても厄介です。

長く付き合う相手ならば、なおさら「しこり」も残さないくらい、向き合うことが必要になります。

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国語言葉の意味

「蟠り」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

首相は度重なる外国船の領海侵犯に、強い懸念を示した。

その2「フラストレーション」

「欲求通りにいかない事に対する不満」を意味するのが「フラストレーション」です。理想像や計画がある中でそれが遂行できないことでイライラしたり、不満を持っているような状態を指します。

「蟠り」は相手があって生まれてくるものですが、「フラストレーション」はどちらかといえば自己に向いた感情です。相手に対する不信感というより、自己のふがいなさや自分が立てた計画が上手くいかないことに対する自分へのイライラを「フラストレーション」と表します。

試合前のプラン通りいに行かず、フラストレーションのたまる敗戦となった。

その3「鬱屈」

「気分が晴れ晴れとしない、ふさいだりする」ことを「鬱屈」と言います。「鬱屈とした心情」などと使われる言葉です。「蟠り」や「フラストレーション」があることによって、気持ちが落ち込んでしまったり、ふさぎ込んでしまった状態を表しています。

上司からのパワハラに耐えることしかできず、鬱屈とした日々を過ごしていた。

「蟠り」の対義語は?

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「蟠り」とは「心の中にこだわりとなっている重苦しくいやな気分、特に、不満・不信・疑惑などの感情」です。よって対義語となる言葉は「心の中にこだわりとなっている重苦しくいやな気分、特に、不満・不信・疑惑などの感情がない状態」を意味している言葉となります。

候補としてあげられるのは「放心」や「満足」です。「放心」は「気にかけない、心配事を払いのける」という意味があります。また「満足」は「不平不満がなく、心が満ち足りていること」を意味する言葉です。

しかし「放心」はどちらかと言えば「あまりの出来事に心を奪われてしまい、ぼんやりすること」という意味合いが強く、「満足」についても「蟠りがないこと」だけでは「心が満たされる」ということではありません。

よって「蟠り」の対義語は挙げることが出来ないということになります。

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