端的に言えば至極の意味は「この上ない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
国立大で国語学を学んだライターのタケルを呼んです。言葉の解説を得意としていて、大学時代はクイズサークルに所属していたので雑学にも詳しい。一緒に「至極」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/タケル
某国立大で日本語学を専攻。自分なりの至極の一杯といえるラーメンがあるのだが、その店は家から車で1時間くらいかかる。しかも人気店なので、開店1時間前に並ばないと食べられない。
「至極」の意味は?
「至極」には、次のような意味があります。
一. [名・形動]
1.極限・極致に達していること。この上ないこと。また、そのさま。「―の貧生で、…按摩をして凌いで居る者がある」〈福沢・福翁自伝〉
2.きわめて道理にかなっていること。また、そのさま。至当。「兄を殺そうとした自分が、かえって犬に食われて死ぬ。これより―な天罰はない」〈芥川・偸盗〉「これでごきげんの直るやうにと、―なる事を申し出だせば」〈浮・親仁形気・一〉
3.他人の意見などをもっともだと思って、それに従うこと。納得。「母が言葉をひとつも忘れなといへば、娘も是を―して」〈浮・織留・二〉
二. [副]その状態・程度が、これ以上はないというところまでいっているさま。きわめて。まったく。「至極便利である」「至極ごもっとも」
三. [接尾]形容動詞の語幹や状態性名詞に付いて、この上なく…である、まったく…だ、などの意を表す。千万(せんばん)。「残念至極」「迷惑至極だ」
出典:デジタル大辞泉(小学館)「至極」
辞書をほぼそのままの形で掲載したため、「至極」の意味がものすごく多いようにも見えるでしょう。しかし、これは「至極」という言葉がいろいろな使われ方をするため、分類上分けざるをえなかったのに過ぎません。「至極便利」と前に付いたり、「残念至極」と後ろになったりしますが、意味自体は同じと考えてもいいでしょう。
「至極」は「しごく」と読みます。「しきょく」ではありませんので気を付けましょう。意味は「これ以上はない、まったく」などがあります。
「至極」の使い方・例文
「至極」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
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