この記事では「雀の涙」について解説する。

端的に言えば「雀の涙」の意味は「微々たるもの・少量なさま」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好き・英語好き・読書好きなライターくふを呼んです。一緒に「雀の涙」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/くふ

語学好き・英語好き・読書好きなライター。学習塾での経験を活かし分かりやすく丁寧な解説をお届けする。

「雀の涙」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「雀の涙」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「雀の涙」の意味は?

「雀の涙」には、次のような意味があります。辞書や辞典などで正確な内容を確認しましょう。

1.ごくわずかなもののたとえ

出典:デジタル大辞泉(小学館)「雀の涙」

チュンチュンと鳴きながら飛んでいる小さな鳥の「雀」。この「雀」が使われている代表的な慣用句の「雀の涙」をご紹介しましょう。「雀の涙」とは「きわめてわずかなもの・微々たるもの」の意。読み方は「すずめのなみだ」です。物の量を示す言葉ですね。「必要な量が全く見込めない場面」や「量が全然足りない様子」のようにマイナスなニュアンスで使われることが多い言葉でしょう。日常会話でも使用しやすい慣用句の1つですよ。

「雀の涙」の語源は?

次に「雀の涙」の語源を確認しておきましょう。「雀」とは鳥の「スズメ」のことを示しています。私たちの生活の中でもよく見かける馴染みのある鳥ですね。「雀」は鳥の中でもとても小さな鳥です。とても小柄な雀が涙を流したとしても、ほんの少しでしずくのような涙しか流れないことがイメージできるでしょう。このような光景から「雀の涙=少量で微々たるもののたとえ」という意味が誕生したと伝えられていますよ。動物の性質や特徴を活用して言葉の意味が成り立っているとはとても興味深いですね。

\次のページで「「雀の涙」の使い方・例文」を解説!/

「雀の涙」の使い方・例文

「雀の涙」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この用語は、たとえば以下のように用いられます。

1.今期は営業成績が落ち込み、ボーナスは雀の涙ほどしかなかった。
2.グラスの中には雀の涙ほどのワインしか残っていなかった。
3.彼女は雀の涙ほどの朝食しか食べていないが、もうお腹いっぱいだと言っている。

例文から「雀の涙」の使い方を学びましょう。例文1は「今期の売り上げが思うように伸びず、ボーナスがとても少なかった様子」を示しています。例文のように「雀の涙」は「ボーナス」や「給料」、「家賃」のようにお金に関する言葉と一緒に用いられることが多い表現でしょう。例文2は「グラスの中にはほんの少しのワインしか残っていなかったさま」を表しています。ほとんどワインが残っていないグラスの光景が目に浮かびますね。例文3は「彼女は極めて小食で少しの量で満腹になっている場面」を言い表していますよ。「雀の涙」は日々の会話でも使いやすい表現ですね。いろいろな場面で使ってみましょう。

「雀の涙」の類義語は?違いは?

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「雀の涙」の類義語にはどのような言葉が考えられるのでしょうか。一緒に確認しましょう。

「猫の額」

「雀の涙」の類義語には「猫の額」が考えられるでしょう。「猫の額」とは「場所や土地が狭いこと」の意。読み方は「ねこのひたい」です。「猫の額」も「雀の涙」も「微々たるものやほんの少ししかないさま」を表す言葉ですよ。「雀の涙」は「量」に対して「わずかしかないこと」を示し、「猫の額」は「面積」が「微々たるものであること」を言い表すことがポイントです。

例文から使い方を学びましょう。例文1は「狭い庭で野菜を育てることを楽しんでいる場面」を示しています。例文2は「小さな公園で子どもたちが楽しそうに遊んでいる様子」を表していますよ。「猫の額」と「雀の涙」のニュアンスの違いを味わってくださいね。

\次のページで「「雀の涙」の対義語は?」を解説!/

1.猫の額ほどしかない庭だが、家庭菜園を楽しんでいる。

2.近所の公園は猫の額ほどの広さだが、子どたちは楽しそうに遊んでいる。

「雀の涙」の対義語は?

「雀の涙」の対義語にはどのような言葉が考えられるのでしょうか。関連する言葉を確認しましょう。

「枚挙にいとまがない」

「雀の涙」の対義語には「枚挙にいとまがない」が考えられるのでしょう。「枚挙にいとまがない」とは「たくさんありすぎて数えきれないさま」の意。読み方は「まいきょにいとまがない」です。「枚挙」とは「一つ一つ数えること」の意。「いとま」は「休んでいる時間・暇」のことを示しています。ドラマなどで「おいとまします=休暇をとる」というセリフで耳にしたことがある言葉かもしれませんね。「いとま」に「ない」がつくことで「休む時間や余裕のないこと」を表します。これらの言葉を組み合わせて「枚挙にいとまがない=たくさんありすぎて数えきれない様子」を示すようになったとされていますよ。有名な慣用句です。ぜひ、覚えておきましょう。

「雀の涙」の英訳は?

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「雀の涙」の英語訳にはどのような表現が考えられるのでしょうか。キーワードとなる英単語をチェックしましょう。

「chicken feed」

「雀の涙」は英語で「chicken feed」と表現できるでしょう。「chicken feed」は直訳すると「ひよこのエサ」です。「小さなひよこのエサは人間から見ると極めて少量であること」から「雀の涙」を示すとされていますよ。使い方を例文から学びましょう。例文1は「ボーナスがとても少なかった様子」を表しています。例文2は「私にとって高い家賃は友だちには雀の涙ほど安く感じる家賃である場面」を示していますよ。例文のように「chicken feed」は「何かの量が非常に少ない場面」を示す際に用いられる表現です。イディオムとして頭に入れておきたいですね。

1.The bonus I got for the first time was chicken feed.
(私が初めてもらったボーナスは雀の涙ほどだった。)

2.My friernd's rent is very expensive. However, that might be chicken feed to her.
(私の友人の家賃はとても高い。しかし、彼女にとっては雀の涙ほどの家賃なのだろう。)

\次のページで「「雀の涙」を使いこなそう」を解説!/

「雀の涙」を使いこなそう

この記事では「雀の涙」の意味・使い方・類語などを説明しました。「ごくわずかな量であること」を日本語では「雀」と「涙」を用いて示しています。一方、英語では「chicken」と「feed」を使って表現していますね。言葉の誕生には英語圏と日本語圏の文化や歴史的な背景が大きく関係しているのかもしれません。とても興味深いですね。言語と一緒に歴史も学んでみることもおすすめです。

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国語言葉の意味

【慣用句】「雀の涙」の意味や使い方は?例文や類語を現役塾講師がわかりやすく解説!

この記事では「雀の涙」について解説する。

端的に言えば「雀の涙」の意味は「微々たるもの・少量なさま」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好き・英語好き・読書好きなライターくふを呼んです。一緒に「雀の涙」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/くふ

語学好き・英語好き・読書好きなライター。学習塾での経験を活かし分かりやすく丁寧な解説をお届けする。

「雀の涙」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「雀の涙」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「雀の涙」の意味は?

「雀の涙」には、次のような意味があります。辞書や辞典などで正確な内容を確認しましょう。

1.ごくわずかなもののたとえ

出典:デジタル大辞泉(小学館)「雀の涙」

チュンチュンと鳴きながら飛んでいる小さな鳥の「雀」。この「雀」が使われている代表的な慣用句の「雀の涙」をご紹介しましょう。「雀の涙」とは「きわめてわずかなもの・微々たるもの」の意。読み方は「すずめのなみだ」です。物の量を示す言葉ですね。「必要な量が全く見込めない場面」や「量が全然足りない様子」のようにマイナスなニュアンスで使われることが多い言葉でしょう。日常会話でも使用しやすい慣用句の1つですよ。

「雀の涙」の語源は?

次に「雀の涙」の語源を確認しておきましょう。「雀」とは鳥の「スズメ」のことを示しています。私たちの生活の中でもよく見かける馴染みのある鳥ですね。「雀」は鳥の中でもとても小さな鳥です。とても小柄な雀が涙を流したとしても、ほんの少しでしずくのような涙しか流れないことがイメージできるでしょう。このような光景から「雀の涙=少量で微々たるもののたとえ」という意味が誕生したと伝えられていますよ。動物の性質や特徴を活用して言葉の意味が成り立っているとはとても興味深いですね。

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