この記事では「無遠慮」について解説する。

端的に言えば無遠慮の意味は「遠慮しないこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「無遠慮」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「無遠慮」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説していく。

「無遠慮」の意味や語源・使い方まとめ

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あなたの周りに「無遠慮」な振る舞いをする人はいませんか?「無遠慮」な人を見たらどう感じるでしょうか?イライラしたり、関わらないように距離を取りたくなったりしませんか?「無遠慮」とは、その振る舞いで人を不快な気持ちにさせてしまうようですね。なぜそう感じるのかを含め、「無遠慮」について詳しく解説していきます。

それでは早速「無遠慮」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「無遠慮」の意味は?

「無遠慮」には、次のような意味があります。

1.遠慮せずに図々しく振る舞うさま。
2.失礼で常識がないさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「無遠慮」

「無遠慮」とは「ぶえんりょ」と読み、「遠慮せずに図々しく振る舞うさま」や「失礼で常識がないさま」の意。好き勝手に振る舞う態度を表す言葉ですよ。子どもはまだ周囲に気を遣うのも上手ではなく、時には思った事をストレートに言って周りをハラハラさせてしまいますよね。ですが子どものそういった振る舞いは「無邪気」と言われます。「遠慮が無い」と「邪気が無い」では大きく違いますよ。つまり「無遠慮」とは「常識をわきまえた大人が、無作法・不躾に振る舞う」から、「遠慮が無く図々しい」と認識されてしまうのです。

「無遠慮」の使い方・例文

「無遠慮」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「無遠慮」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.彼は無遠慮に私をジロジロと見た。
2.彼女の無遠慮な振る舞いには呆れた。

例文を2つ挙げてみました。例文の一つ目はチラチラとではなくジロジロと、遠慮なく女性を見る不躾な男性の視線を表現しています。男性に限らず人からジロジロ見られると、多少なりとも不快な気持ちになりますよね。チラチラだと悪い気はしないのに、ジロジロだと不信感を抱かせる、ここが「遠慮」の有るか無いかの大きな違いですね。

例文の二つ目は、どんな振る舞いだったのでしょう?「遠慮が無い」は言い換えれば「不躾」とも取れますね。女性らしさを欠いていたのか常識外れな振る舞いなのか、いずれにしても「無遠慮」な振る舞いによって周囲の人に呆れられた彼女は、白い目で見られたという事が分かりますね。

「無遠慮」の類義語は?違いは?

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「無遠慮」と同じ意味を持つ言葉はあるでしょうか?一緒に見ていきましょう。

その1「不躾」

「無遠慮」の言い換え表現はたくさんありますが、まず「不躾」を紹介します。「不躾」とは「ぶしつけ」と読み、「礼を欠くこと・無作法・無礼」の意。「無礼・非常識・失礼」の意味をギュッと凝縮した言葉になりますよ。「不躾」は「不仕付け」とも表現できますよ。「仕付け」は裁縫の縫い目や折り目を揃えるための仮縫いの事で、そこから派生して「礼儀や作法を教え込むこと」を意味する「躾」となりました。ですので「躾」に否定の「不」が付いていることから「無礼・非常識」を表す言葉として使われているのですよ。

その2「傍若無人」

次は四字熟語を紹介します。「傍若無人」とは「ぼうじゃくぶじん」と読み、「人目を気にせずに勝手気ままに振る舞う事」の意。「傍(かたわ)らに人(ひと)無(な)きが若(ごと)し」と訓読みをしますよ。意味は「まるでそばに誰もいないようだった」訳します。図々しい振る舞いや思い上がったような態度を表し、「自由奔放」などとは違いマイナスの要素が強い言葉ですよ。普段温厚な人がお酒を飲むと人格が変わり、横暴な態度を取る時などにも用いられますね。

ですのでこの言葉も「無遠慮」の類義語としてふさわしいでしょう。

\次のページで「「無遠慮」の対義語は?」を解説!/

「無遠慮」の対義語は?

「無遠慮」という言葉には、どんな対義語があるでしょうか。

その1「遠慮がち」

「遠慮がち」は、言葉の通り「言葉や態度が控えめであるさま」の意。「他人を気兼ねして思い通りにしないことの多いさま」の意味もあります。「遠慮」という行為を全くしない「無遠慮」とは、まさに正反対の意味ですね。「遠慮がち」が必ずしも良いとは思いませんが「場の空気を読む・節度ある行動」が常識ある大人には求められるので、「無遠慮」よりは「遠慮がち」の方が、周囲とは上手くやっていけますよね。

その2「遠慮会釈」

「遠慮会釈」という四字熟語をご存じでしょうか?「えんりょえしゃく」と読み、「遠慮」は相手を思いやる心、「会釈」は軽くお辞儀をすることから、「他人のことを考え、控えめな態度で接すること。」の意味になります。無遠慮の類義語で紹介した「傍若無人」の対義語としてふさわしいですね。とても素敵な言葉なので合わせて覚えましょう。

「無遠慮」の英訳は?

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好き勝手に振る舞う「無遠慮」という言葉は、英訳するとどうなるでしょうか?

「unreserved」

「unreserved」「(人・態度などが)無遠慮な・遠慮のない」を表す英単語ですよ。厚かましいや図々しいは「rude」という単語で表しますが、「粗野・未完成」などの意味も含まれています。またズケズケと物を言うことを「outspoken」と表現しますよ。

「無遠慮」を表す「unreserved」の英文を挙げるので参考にしてみて下さい。

「He looked at me with unreserved eyes.」(彼は無遠慮に私をジロジロと見た。)

「I was amazed at her unreserved behavior.」(彼女の無遠慮な振る舞いには呆れた。)

\次のページで「「無遠慮」を使いこなそう」を解説!/

「無遠慮」を使いこなそう

この記事では「無遠慮」の意味・使い方・類語などを説明しました。簡単に復習しましょう。「無遠慮」のキーワードは「常識がない・失礼・図々しい」でしたね。遠慮がないという事は、こんなにもネガティブでマイナスな印象を与える振る舞いだという事がよく理解出来ました。

どんな時でも節度をわきまえて良識ある振る舞いを、というのは正直堅苦しくて息が詰まりますよね。大切なのは「迷惑をかけない」ということなのかなと感じます。「自由奔放」や「天真爛漫」という言葉が「無遠慮」と違うのは、「邪気のなさ」や「人に迷惑をかけない」からではないでしょうか。この記事を読んで自分の振る舞いが「無遠慮」になっていないか、一度振り返るきっかけになれば幸いです。

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国語言葉の意味

「無遠慮」の意味や使い方は?例文や類語を読書好きWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「無遠慮」について解説する。

端的に言えば無遠慮の意味は「遠慮しないこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「無遠慮」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「無遠慮」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説していく。

「無遠慮」の意味や語源・使い方まとめ

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あなたの周りに「無遠慮」な振る舞いをする人はいませんか?「無遠慮」な人を見たらどう感じるでしょうか?イライラしたり、関わらないように距離を取りたくなったりしませんか?「無遠慮」とは、その振る舞いで人を不快な気持ちにさせてしまうようですね。なぜそう感じるのかを含め、「無遠慮」について詳しく解説していきます。

それでは早速「無遠慮」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「無遠慮」の意味は?

「無遠慮」には、次のような意味があります。

1.遠慮せずに図々しく振る舞うさま。
2.失礼で常識がないさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「無遠慮」

「無遠慮」とは「ぶえんりょ」と読み、「遠慮せずに図々しく振る舞うさま」や「失礼で常識がないさま」の意。好き勝手に振る舞う態度を表す言葉ですよ。子どもはまだ周囲に気を遣うのも上手ではなく、時には思った事をストレートに言って周りをハラハラさせてしまいますよね。ですが子どものそういった振る舞いは「無邪気」と言われます。「遠慮が無い」と「邪気が無い」では大きく違いますよ。つまり「無遠慮」とは「常識をわきまえた大人が、無作法・不躾に振る舞う」から、「遠慮が無く図々しい」と認識されてしまうのです。

「無遠慮」の使い方・例文

「無遠慮」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

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