「後生」の使い方・例文
「後生」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.どこかで財布を落としてしまって帰れないので、後生だから電車賃を貸してくれませんか。
2.幼い頃に私が描いてプレゼントした似顔絵を、母は後生大事にしまっている。
3.迷子になっている子供に声をかけずに無視しては、後生が悪い。
4.甚大な被害をもたらした未曾有の大災害は、後生にしっかりと伝えてゆかねばならない。
1は、財布を落とすという急なトラブルで家に帰れないため、お金を貸してくれと頼む例文です。「後生(ごしょう)だから〜」という言い回しは、何かを懇願する際に使用されます。この表現を使ってお願いをするのは、願いに応えてもらなかった時に大変な状況になるような、並々ならぬほど切羽詰まった時です。そのため、軽いお願いをする時に使用するのは不適切なので注意してください。
2は、娘からもらった絵をとても大事に取っておく母親についての例文になります。ここでのポイントは、「後生」を(ごしょう)用いた「後生大事」という四字熟語を使用する点です。この言葉にはとても大事にすることや、後世の安楽を第一に考えるという意味があるので覚えておきましょう。
3は、困っている子供に手を差し伸べないと後世を幸せに生きるための徳が積めないことを表す例文です。「後生」(ごしょう)には、来世をより良いものにするために今世で徳を積むという意味があります。そのため、何か悪いことをしてしまうと来世に悪影響を与えてしまうと考えられているのです。
4は、震災の記憶を次の世代にも残していこうという例文になります。「後生」(こうせい)は後から生まれてくる人という意味があるため、震災を経験していない次の世代の子供たちを表現するために使用されているのです。
その1「来世」
「来世」とは、未来世の略語、死んだあとに生まれ変わる人生のことを意味する言葉です。「後生」(ごしょう)と同様に死んだあとの世、死後に生まれ変わることを表現します。しかし、「後生」(ごしょう)のように「お願い」というニュアンスは含まれていないので気をつけましょう。
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