

端的に言えばかしずくの意味は「人に仕えて世話をする」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
高校で国語教師をしていた経歴を持つ、現役ライターのhiyoriを呼んだ。一緒に「かしずく」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/hiyori
大学で近現代日本文学を専攻し、その知識を活かして国語教師として教壇に立っていた経歴を持つ。現在はライターとして様々な情報を発信している。難しい言葉もわかりやすい言葉で解説していく。
「かしずく」の意味や語源・使い方まとめ

皆さんは「かしずく」という言葉の意味や使い方を知っていますか?古語表現であるため、見たり聞いたことはあっても「じゃあかしずくってどんな意味?」と聞かれると答えられない人も人も多いのではないでしょうか。今回は、そんな「かしずく」について解説していきたいと思います。
それでは早速「かしずく」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「かしずく」の意味は?
「かしずく」には、次のような意味があります。
1.人に仕えて守り、世話をする。
2.子供を大切に育てる。
3.後見する。
出典:大辞林 第3版(三省堂)
「かしずく」には3つの意味があります。ひとつひとつ確認していきましょう。
1の意味のように「かしずく」には、自分よりもはるかに身分の高い人に尊敬の念を持ってお世話する、仕えるという意味があります。対象は、昔で言うと王様や主君など身分の高い人ですが、現代だと大げさな表現になってしまうため、なかなか使用することはないかもしれません。
2のように、子供を大切にお世話するという意味も持ちます。もともと「かしずく」はこの意味で使用されていたため、古文などで出てくる場合も子供を大切に養育するという意味で出てくることが多いので覚えておきましょう。
また、3のように後ろ盾としてサポートするという意味も持ちます。この場合の対象も、2と同様に幼い子供が多いので使い分けに気を付けましょう。
「かしずく」には目上の人を心を込めて世話をする意味がありますが、身体が不自由な人の世話をするという場面では使用しません。意味が混ざりがちな部分なので使い分けに注意してください。
「かしずく」の語源は?
次に「かしずく」の語源を確認しておきましょう。「かしずく」はひらがなで書くのが一般的ですが、漢字の場合は「傅く」と書きます。人を表す「亻」と、助ける、手をあてがうという意味を持つ「尃」が組み合わされることで、人に仕えて守るという意味の「傅く」が成り立ちました。