

端的に言えば与太を飛ばすの意味は「いいかげんなでたらめを言うこと」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
今回は日本文学部卒の現役WEBライター、ヒマワリを呼んだ。一緒に「与太を飛ばす」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/ヒマワリ
今回の記事を担当するのは、日本文学科卒で現役ライターのヒマワリ。専攻は近代文学だが、古典からマンガまで幅広く読んでいる。受験生家庭教師の経験を生かして、「与太を飛ばす」についてわかりやすく丁寧に説明していく。
「与太を飛ばす」の意味や語源・使い方まとめ

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「与太を飛ばす」は「よたをとばす」と読みます。あまり、耳慣れない慣用句ですが、小説や、映画などのセリフで聞いた事があるでしょう。簡単に言うと「ふざけて嘘をつく」ことですが、「与太」とは一体なんのことでしょうか。それでは早速「与太を飛ばす」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「与太を飛ばす」の意味は?
まず初めに「与太を飛ばす」の正確な意味を辞書からの引用で確かめてみましょう。「与太を飛ばす」には、次のような意味があります。
1.でたらめを言う。ふざけてくだらないことを言う。よたる。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「与太を飛ばす」
上記の通り、「与太を飛ばす」は、ふざけてでたらめを言う、と言う意味です。「与太」には、愚かで役に立たないことや、いいかげん、でたらめ、と言う意味があります。「飛ばす」は「野次を飛ばす」などに使われるのと同じ意味で、遠慮なく言う、強く言う、と言う意味です。つまり「与太を飛ばす」は、いいかげんなことをベラベラと喋る様子を表している慣用句なのですね。そして、辞典からの引用にある通り、でたらめを言うことを「与太」を用いて「よたる」と言うこともあります。
また、同じ「与太」を用いた表現で、「与太話」がありますが、これは「いいかげんなでたらめの話」と言う意味です。併せて覚えておきましょう。
「与太を飛ばす」の語源は?
次に「与太を飛ばす」の語源を確認しておきましょう。
実は、「与太」の由来は、古典落語にあります。古典落語には「与太郎(よたろう)」と言う名前の登場人物がおり、色々な落語に登場します。この「与太郎」は、間抜けな愚か者、と言う設定のキャラクターで、いつも失敗ばかりをして、観客の笑いを取る人物なのです。この落語用語が一般の人々に広まって、馬鹿げたこと、でたらめなこと、を「与太」と言う言葉で表現するようになったと考えられています。
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