この記事では「不甲斐ない」について解説する。

端的に言えば不甲斐ないの意味は「情けない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国立大で国語学を学んだライターのタケルを呼んです。言葉の解説を得意としていて、大学時代はクイズサークルに所属していたので雑学にも詳しい。一緒に「不甲斐ない」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タケル

某国立大で日本語学を専攻。小さい頃の夢は科学者か宇宙飛行士だった。それを考えると今の自分は不甲斐ない。しかし、今さらもう無理なので、すでに諦めの境地にいる。

「不甲斐ない」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「不甲斐ない」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「不甲斐ない」の意味は?

「不甲斐ない」には、次のような意味があります。

情けないほど意気地がない。まったくだらしがない。「零敗とは―・い」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「不甲斐ない」

不甲斐ない」(ふがいない)とは「情けない、気力に欠ける」という意味です。結果が出なかったり失敗したときに、それをした人(特に自分自身)に対して言います。

「不甲斐ない」の語源は?

次に「不甲斐ない」の語源を確認しておきましょう。

実は「不甲斐ない」にはもう1つの表記の仕方があります。「腑甲斐ない」です。「ふがいない」は「腑甲斐ない」が先で、後になって「不」という漢字を当てました(その他に説あり)。「腑抜け」などとも使いますが、「腑」が常用漢字外のため「不」を当てたとする説もあります。

「腑」は「はらわた」のことです。「心の中」などの意味もあります。それに「無駄である、どうにもならない」という意味の「甲斐なし」が合わさって、「腑甲斐ない(不甲斐ない)」という言葉ができました。

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「不甲斐ない」の使い方・例文

「不甲斐ない」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.禁煙が3日も続かなかった自分が不甲斐ない。
2.今年も最下位という不甲斐ない成績に終わり、ファンの皆様には非常に申し訳無く思います。
3.彼女が二股かけていたのも腹立たしいが、それよりも自分が二股に気付けず、そして彼女をそうさせて不甲斐なく感じている。

「不甲斐ない」は「情けない」などの意味があるため、言葉にした場合にその対象をおとしめる可能性があります。「あいつの営業成績は不甲斐ない」などとも使いますが、そういったことは数字で結果が現れてこそ言えるものです。やはり、自分自身に対して「不甲斐ない」と言う場面が多いでしょう。例文1や3がその典型です。

また、謝罪の場面でも「不甲斐ない」という言葉が使われます。シーズンを通して成績が振るわなかったときのシーズンオフに、チームの社長や監督が例文2のようにファンに対してお詫びするシーンを見たことがあるのではないでしょうか。自らの力不足が原因で結果を残せなかったことに責任を感じているという意味合いで、「不甲斐ない」は使われます。

「不甲斐ない」の類義語は?違いは?

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ところで、「不甲斐ない」の類義語は何でしょうか。違いとともに見ていきましょう。

「意気地がない」「だらしない」

前掲した辞書にも記載がありますが、「不甲斐ない」を「意気地がない」や「だらしがない」に言い換えることができます。違いなどを1つずつ見ていきましょう。

「意気地」(いきじ、いくじ)を辞書で調べると、「やり遂げようとする気力」などと書いてあります。つまり、「意気地がない」は「やり遂げようとする気力がない」という意味です。一方「不甲斐ない」の語源は前に述べましたが、「気持ちがない」となります。ほぼ同義と言えますが、「意気地がない」には最後までやり遂げる気持ちに欠け、「不甲斐ない」はやる気が出ないというように分けられるでしょう。

また、「だらしがない」も辞書には「気力がない」などとあります。「だらしない」は、もともとは「しだらない」という形容詞の音節順を入れ替えて出来たものです。江戸時代にはこのような逆さ言葉が流行しました。「だらしない」もそのときに生まれたとされます。さて、元とされる「しだらない」ですが、意味は「物事にしまりがない」です。よって、「不甲斐ない」は「情けない、残念だった」となりますが、「だらしがない」は「しまりがない、うまく収められなかった」と区別できるでしょう。

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「不甲斐ない」の対義語は?

さらに「不甲斐ない」の対義語も見ていきましょう。

「甲斐甲斐しい」

「不甲斐ない」の対義語に、同じく「甲斐」を使ったものがあります。「甲斐甲斐しい」(かいがいしい)です。「看病」や「世話」といった単語がすぐに思い付いたのではないでしょうか。

「甲斐甲斐しい」という言葉にはいろいろな意味があります。辞書に掲載されているのは「手際良くきびきびとした」や「労を惜しまず働いてけなげだ」などといったものです。「不甲斐ない」が「気力がない」ということを表しているのに比べると、対を成していることが分かるでしょう。

「不甲斐ない」の英訳は?

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では、「不甲斐ない」を英訳すると何になるでしょうか。

「uselessness」

「不甲斐ない」を英和辞典で調べると、「cowardly」「fearful」などと出てきます。「coward」は和訳が「臆病者」で、「cowardly」がその形容詞型です。「fearful」も「fear」(恐れ)を形容詞にしたものなので、「不甲斐ない」の英訳としては間違っていないでしょう。しかし、それらを使って「不甲斐ない」を表現するのは、あまり実践的ではないと言えます。

実践的と言えるには、「uselessness」を使用すると良いでしょう。「uselessness」は日本語で「役立たず、無駄」などと訳せる単語です。たとえば、「I'm upset by my own uselessness.」で「私が不甲斐なくて悲しい」、「I hate myself for my uselessness.」で「私の不甲斐なさが嫌だ」とすることができます。

「不甲斐ない」を使いこなそう

この記事では「不甲斐ない」の意味・使い方・類語などを説明しました。

誰しもが自分のことを「不甲斐ない」と思ったり、「不甲斐なくてすみません」と他人に謝ることはあるでしょう。しかし、そういった感情を持てるということは、自らを客観視して反省ができるということです。その後に努力して伸びる余地があるということになります。ですので、自分が「不甲斐ない」と思っても、そんなに自分を否定して悲しむ必要はありません。「不甲斐ない」と思うことを減らして、自信を持てるように日々研鑽していきましょう。

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国語言葉の意味

「不甲斐ない」の意味や使い方は?例文や類語を雑学大好きwebライターがわかりやすく解説!

この記事では「不甲斐ない」について解説する。

端的に言えば不甲斐ないの意味は「情けない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国立大で国語学を学んだライターのタケルを呼んです。言葉の解説を得意としていて、大学時代はクイズサークルに所属していたので雑学にも詳しい。一緒に「不甲斐ない」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タケル

某国立大で日本語学を専攻。小さい頃の夢は科学者か宇宙飛行士だった。それを考えると今の自分は不甲斐ない。しかし、今さらもう無理なので、すでに諦めの境地にいる。

「不甲斐ない」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「不甲斐ない」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「不甲斐ない」の意味は?

「不甲斐ない」には、次のような意味があります。

情けないほど意気地がない。まったくだらしがない。「零敗とは―・い」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「不甲斐ない」

不甲斐ない」(ふがいない)とは「情けない、気力に欠ける」という意味です。結果が出なかったり失敗したときに、それをした人(特に自分自身)に対して言います。

「不甲斐ない」の語源は?

次に「不甲斐ない」の語源を確認しておきましょう。

実は「不甲斐ない」にはもう1つの表記の仕方があります。「腑甲斐ない」です。「ふがいない」は「腑甲斐ない」が先で、後になって「不」という漢字を当てました(その他に説あり)。「腑抜け」などとも使いますが、「腑」が常用漢字外のため「不」を当てたとする説もあります。

「腑」は「はらわた」のことです。「心の中」などの意味もあります。それに「無駄である、どうにもならない」という意味の「甲斐なし」が合わさって、「腑甲斐ない(不甲斐ない)」という言葉ができました。

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