

端的に言えば不甲斐ないの意味は「情けない」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
国立大で国語学を学んだライターのタケルを呼んだ。言葉の解説を得意としていて、大学時代はクイズサークルに所属していたので雑学にも詳しい。一緒に「不甲斐ない」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/タケル
某国立大で日本語学を専攻。小さい頃の夢は科学者か宇宙飛行士だった。それを考えると今の自分は不甲斐ない。しかし、今さらもう無理なので、すでに諦めの境地にいる。
「不甲斐ない」の意味は?
「不甲斐ない」には、次のような意味があります。
情けないほど意気地がない。まったくだらしがない。「零敗とは―・い」
出典:デジタル大辞泉(小学館)「不甲斐ない」
「不甲斐ない」(ふがいない)とは「情けない、気力に欠ける」という意味です。結果が出なかったり失敗したときに、それをした人(特に自分自身)に対して言います。
「不甲斐ない」の語源は?
次に「不甲斐ない」の語源を確認しておきましょう。
実は「不甲斐ない」にはもう1つの表記の仕方があります。「腑甲斐ない」です。「ふがいない」は「腑甲斐ない」が先で、後になって「不」という漢字を当てました(その他に説あり)。「腑抜け」などとも使いますが、「腑」が常用漢字外のため「不」を当てたとする説もあります。
「腑」は「はらわた」のことです。「心の中」などの意味もあります。それに「無駄である、どうにもならない」という意味の「甲斐なし」が合わさって、「腑甲斐ない(不甲斐ない)」という言葉ができました。
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