
端的に言えば啖呵を切るの意味は「はぎれのよい言葉で話す」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
語学好きで歴史好き、名古屋出身で6年間のライター経験を持つeastflowerを呼んです。一緒に「啖呵を切る」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/eastflower
今回の記事を担当するのは語学好きで英語、中国語が得意な6年目のライター、eastflower。「啖呵を切る」の言葉の起源やどんな場面で使えるのかをわかりやすく解説していく。
「啖呵を切る」の意味は?
まずは、「啖呵を切る」の辞書(じしょ)の意味をみていきましょう。
1. 痰火(たんか)を治療するのを「痰火を切る」といい、これがなおると胸がすっきりするところから胸のすくような、鋭く歯切れのよい口調で話す。鋭い勢いでまくしたてる。また、激しくののしりたてる。
出典: 日本国語大辞典(精選版)「啖呵を切る」
2. 《3が原義》喧嘩をする際などの、勢いよく言葉が飛び出す歯切れのよい言葉。
3. 香具師(やし)が品物を売るときの口上。
4. せきと一緒に激しく出る痰。また、ひどく痰の出る病気。
出典: デジタル大辞泉(小学館)「啖呵を切る」
「啖呵を切る」(たんかをきる)は、「痰火を切る」とも書かれ、元々は、痰(たん)を切るための治療の一種のことで、その後に、痰が切れた後のスッキリ感を表すようになった言葉なのです。
その後、威勢のよい言い回しやお祭りの日などに神社や寺で開催される露天商である香具師(やし)の口上のことも意味するようになったのですね。
「啖呵を切る」の語源は?
次に「啖呵を切る」の語源を確認しておきましょう。
「啖呵を切る」は聞いていると威勢がよくて歯切れのよい物言いのことですが、語源については同音で異なる漢字の「痰火」(たんか)から来ていると言われています。「痰火」とは痰(たん)の出る病気や咳と一緒に出る痰のことですが、喉(のど)や胸に詰まった痰が切れて外に出すことで、スッキリする状態になることから「啖呵を切る」という言葉に発展していったという説があるのです。
仏教の言葉の相手を強圧的にののしるという概念が「啖呵を切る」と表現されるようになったという説もあるようですね。
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