
「専ら」は常に漢字なの?
「専ら」は難読の言葉に当てはまります。そのため、日常で使用される際はあえて漢字表記を使わず、「もっぱら」とひらがなで表記されることも少なくありません。このように、漢字で書けるけれどあえてひらがなで使用することを「漢字を開く」と言います。
難読の言葉にはしばしば見られることですが、特に「専ら」は言葉そのものが短く、ひらがなにしても読みづらいということもないため、開かれていることが多いです。
「専ら」の使い方
「専ら」は以下のように使います。
1.最近の趣味は「専ら」ガーデニングだ。
2.彼は「専ら」あのプロジェクトの作業ばかりこなしている。
3.これは「専ら」小売店を相手にした事業となるだろう。
1、3の例文はどちらかというと「主に」という意味で受け取れます。2の例文は「専念している」という意味で、そればかりこなしているという意味で捉えられるでしょう。しかしいずれにしろ、「主に」という意味でも「専念している」という意味でも文章として間違いではありません。「専ら」という言葉の判断の難しさが、例文ひとつとってもよくわかります。
「専ら」が用いられる言葉は?

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「専ら」はどちらかというと日常的な言葉です。何気ない会話の中で使われることが多い言葉ですが、「専ら」を用いた派生用語も存在しています。用語の意味だけではなく、「専ら」がどのように使われているかも含めて知識を深めていきましょう。
その1:ごみ関連用語である「専ら物」
「専ら物」という言葉をご存知ですか?古紙・古繊維(古着などのこと)・空きびん・鉄くずの4つのことです。状況に応じて「専ら物はあっちへ置いてください」などという文脈で使用されます。ただし、必ず4つ全部揃った状態を指しているわけではなく、1種類だけであっても「専ら物」のひとつであることは変わりません。
「専ら物」というのは略称で、正式には「専ら再生利用(リサイクル)の目的となる廃棄物」を指しており、一番最初と一番最後を取って「専ら物」です。真ん中の部分が丸々略されているため、予備知識なしで聞くとごみ関連の言葉だとはわかりませんが、日々仕事で携わっている人には「専ら物」というだけで通じます。業界用語と言っても良いでしょう。
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