この記事では「腐れ縁」について解説する。

端的に言えば、腐れ縁の意味は「切ろうとしても切れない縁」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元新聞記者で、ライター歴20年のトラコを呼んです。一緒に「腐れ縁」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/トラコ

全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。

「腐れ縁」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速、「腐れ縁」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「腐れ縁」の意味は?

腐れ縁」には、次のような意味があります。

離れようとしても離れられない関係。好ましくない関係を批判的・自嘲的にいう。くさりえん。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「くされ-えん【腐れ縁】」

まず、腐れ縁は、本当は離れたいけれど離れることができない縁だったり、縁を断ち切りたいけれど断ち切れなかったりといった意味です。日常生活の中で、特に経験上、恋愛や異性、男女など二人の関係性や相談ごと、解釈などで、よく聞かれる言葉かもしれません。

その他、一般的に好ましくない関係を、批判的だったり自嘲的だったりといった感じで表現する時にも使われます。

「腐れ縁」の語源は?

次に、「腐れ縁」の語源を確認しておきましょう。

腐れ縁というと、切りたいけれど切れない悪い縁という、どちらかというとネガティブな印象を受けるかもしれません。この腐れ縁、鎖(くさり)から「くさりえん」から派生した言葉という説が、腐れ縁の語源として有力です。

鎖はつなぎ合わせるという意味を持ち、それであれば、鎖のように切ることができない関係という意味合い。そのため、本来の意味は決してネガティブではなく、その後に腐った、腐敗した関係という意味での腐れ縁が定着したと考えられます。

\次のページで「「腐れ縁」の使い方・例文」を解説!/

「腐れ縁」の使い方・例文

次に、「腐れ縁」の使い方を、例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.ご縁あるあの女性とは小学校からの幼なじみで、ずっと腐れ縁の仲だ。
2.長年のカップルで、腐れ縁でもあった男性とやっと別れた。
3.政治家と官僚の腐れ縁は、新聞やウェブ上に毎日あふれている。
4.数年に一度しか会わない同性なのに腐れ縁に近い関係が続いている。
5.今日こそ借金を返してもらって、腐れ縁を断ち切らないといけない。

例文1は、とてもよくある関係で、成人しても子どの頃からの友人関係が、特に望んでいないのにずっと続いている、まさに腐れ縁という表現が当てはまる文章です。例文2は、腐れ縁によくある恋愛関係を表現しています。

例文3もよく見られる関係で、政治家と官僚のつながり。例文4は、腐れ縁をネガティブにもポジティブにも取ることができる意味として使われています。そして、例文5は、ネガティブな意味での腐れ縁です。

「腐れ縁」の類義語は?違いは?

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次に、「腐れ縁」の類義語と、その意味の違いについて紹介します。

腐れ縁の類義語を挙げると、例えば「悪縁」「腐り縁」「旧知」などです。

その1「悪縁」

まず、腐れ縁の類義語として「悪縁」について、説明します。

悪縁の意味は主に2つあり、1つがよくない縁、もう1つが無関係になろうとしても離れられずに結びついている縁のことです。腐れ縁の場合、後者が類義語になります。

ただ、前者のよくない縁に関しても、腐れ縁のネガティブな意味合いの場合には類義語となるのを、覚えておきましょう。

\次のページで「その2「腐り縁」」を解説!/

その2「腐り縁」

次に、「腐り縁」について説明します。

腐り縁は、腐れ縁とまったく同じ意味です。ひらがなで「くされ縁」と表現する場合もあります。腐れ縁の語源で説明した通り、もともと「鎖」だったのが「腐り」となり、腐れ縁という言葉が定着しました。

腐り縁も、腐れ縁と合わせて覚えておきましょう。

その3「旧知」

旧知」も、腐れ縁の類義語です。意味は、古くからの知り合いや知人であり、昔馴染みも同じ意味になります。

よく使われる表現として「旧知の仲」「旧知のよしみ」などがありますので、覚えておいて損はありません。

「腐れ縁」の対義語は?

続いて、腐れ縁の対義語についても、ぜひ知っておきましょう。

腐れ縁のはっきりとした対義語として挙げられるのが「良縁」です。

「良縁」

腐れ縁の対義語である「良縁」の意味は、そのまま良い縁組のことです。例えば、「良縁を得て結婚する」といった文章表現で使われます。

もう1つの意味として、極楽往生できるよい因縁もあり、これは腐れ縁がネガティブな意味合いなのに対してポジティブな意味です。

「腐れ縁」の英訳は?

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さらに、腐れ縁の英訳について、見ていきましょう。

腐れ縁を英語にそのまま訳すと「inseparable relation」です。ほかにも、関連用語で「fatal ties」「bad relationship」「on-and-off  relationship」「troublesome connection」など多数あります。

その1「inseparable relation」

まずは「inseparable relation」について。

「inseparable」の意味は、切っても切れない仲、という意味。それに、関係という意味を持つ「relation」を組み合わせて、腐れ縁となります。

\次のページで「その2「fatal ties」」を解説!/

その2「fatal ties」

次に、「fatal ties」について、紹介します。

この言葉の意味は、腐れ縁であり、特に断ち難い関係です。「fatal」が多くの意味を持つうち、宿命的な、運命を免れることができないという意味が、腐れ縁に近い意味合い。「ties」は関係で、「bonds」という場合もあります。

その3「troublesome connection」

さらに、「troublesome connection」について見ていきます。

「troublesome」は、厄介な、面倒な、といった意味。つまり、腐れ縁の、厄介な関係、面倒な関係という意味合いが共通しています。

・Please make the best of your lot with fatal relationship.

これは腐れ縁だと思って諦めてください。

・They can't cut the troublesome connection easily.

彼らは簡単に腐れ縁を切ることができない。

・Resign yourself to my love as a fatal attachment.

相手に惚れられてしまったことは腐れ縁だと思って諦めなさい。

・I cannot split up with her, we seem to be inseparably bound up with each other.

自分は彼女と腐れ縁なのでどうしてもその縁を切ることができない。

「腐れ縁」を使いこなそう

この記事では、「腐れ縁」の意味・使い方・類義語などを説明しました。

腐れ縁というと、どうしてもネガティブなイメージで意味を考えてしまいがちですが、「鎖」が語源と考えられ、しっかりつながっている縁というポジティブな意味も、実はあります。ぜひ覚えておきましょう。

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国語言葉の意味

「腐れ縁」の意味や使い方は?例文や類語を元新聞記者がわかりやすく解説!

この記事では「腐れ縁」について解説する。

端的に言えば、腐れ縁の意味は「切ろうとしても切れない縁」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元新聞記者で、ライター歴20年のトラコを呼んです。一緒に「腐れ縁」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/トラコ

全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。

「腐れ縁」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速、「腐れ縁」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「腐れ縁」の意味は?

腐れ縁」には、次のような意味があります。

離れようとしても離れられない関係。好ましくない関係を批判的・自嘲的にいう。くさりえん。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「くされ-えん【腐れ縁】」

まず、腐れ縁は、本当は離れたいけれど離れることができない縁だったり、縁を断ち切りたいけれど断ち切れなかったりといった意味です。日常生活の中で、特に経験上、恋愛や異性、男女など二人の関係性や相談ごと、解釈などで、よく聞かれる言葉かもしれません。

その他、一般的に好ましくない関係を、批判的だったり自嘲的だったりといった感じで表現する時にも使われます。

「腐れ縁」の語源は?

次に、「腐れ縁」の語源を確認しておきましょう。

腐れ縁というと、切りたいけれど切れない悪い縁という、どちらかというとネガティブな印象を受けるかもしれません。この腐れ縁、鎖(くさり)から「くさりえん」から派生した言葉という説が、腐れ縁の語源として有力です。

鎖はつなぎ合わせるという意味を持ち、それであれば、鎖のように切ることができない関係という意味合い。そのため、本来の意味は決してネガティブではなく、その後に腐った、腐敗した関係という意味での腐れ縁が定着したと考えられます。

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