国語言葉の意味

【ことわざ】「井の中の蛙大海を知らず」の意味や使い方は?例文や類語を日本語教師の大学院生がわかりやすく解説!

・コロナ禍を踏まえた新製品の開発について部内でミーティングを行っていたが、社長がまた割り込んで、針の穴から天を覗くような批判意見を言ってきて困った。社長は最新の動向を全く知らずに意見をするために部内全員が困り果てている。
・この問題に関する政治ジャーナリストの意見は針の穴から天を覗くようなものだ。そんな常識が通じるのは昭和までなのに…。

その2「夏の虫氷を笑う」

夏の虫氷を笑う」は「見識の狭いものが尊大ぶること」という意味のことわざです。「夏に生きる虫は冬の氷を知らない」ことから先述の意味が生まれました。「自分の狭い知識や経験にとらわれ、他に広い世界があるのを知らないで得意げになっている」という意味の「井の中の蛙大海を知らず」と同じ意味ですね。

「井の中の蛙大海を知らず」と同じような場面で同じ意味で使用されるため、特に違いはありません。ただ、「井の中の蛙大海を知らず」のほうが世間でよく知られていることわざと言えるでしょう。

例文を見てみましょう。

・若いうちは進路に関係なくいろんな分野の勉強をしろ。夏の虫氷を笑うのようなおじさん・おばさんになってしまうからな。自分の得意なこと以外何も知らないような人間にはなるなよ。

「井の中の蛙大海を知らず」の対義語は?

「井の中の蛙大海を知らず」には対義語はありません。同様に今回ご紹介した類義語「針の穴から天を覗く」と「夏の虫氷を笑う」にも対義語はありませんね。

「井の中の蛙大海を知らず」の英訳は?

image by iStockphoto

「井の中の蛙大海を知らず」の英語表現は「The frog in the well knows nothing of the great ocean」です。意味などを確認していきましょう。

「The frog in the well knows nothing of the great ocean」

The frog in the well knows nothing of the great ocean」は見てのとおり、「井の中の蛙大海を知らず」をそのまま英語に訳した言葉となっています。古代の中国で生まれた故事成語が日本でことわざとなり、さらには英語圏まで広がっているとは驚きですね。

\次のページで「「井の中の蛙大海を知らず」を使いこなそう」を解説!/

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