
英語:Count one’s chickens before they hatch.
直訳すると「孵る前にヒナを数える」となります。本当に孵るかどうかわからない卵がすべて孵るものとみなしてしまうという部分が、「取らぬ狸の皮算用」の意味と本質的に同じと言えそうです。
中国語:打如意算盘
「如意(自分の思い通り)」に「算盘(そろばん)」を「打つ」ということで、「身勝手な計算をする」という意味。利益を勝手に勘定してしまうところが似ていますね。
韓国語:김칫국부터 마신다
『キムチックップト・マシンダ』と読みます。直訳は「キムチ汁から飲む」です。韓国では昔、胃もたれへの対症療法としてキムチ汁を飲んでいたとか。ここから転じて、「胃もたれになることを見越してキムチ汁を飲むこと」、すなわち早合点することを表現したことわざができたそうです。

海外と日本じゃあ文化が違うから、同じ意味のことでも表現の仕方がここまで変わってくるってことだな。表現の仕方が全然違うのに意味が同じってのは、面白いもんだ。さて、「取らぬ狸の皮算用」の意味や類語をみてきたところで、最後に身近な事例を少し掘り下げて考えてみようか。
投資での目標利益
例文では年利10%の複利計算を挙げましたが、現実には保有株式資産に対して1年間で40%増を目標に掲げる方も多いそうです。特に投資経験が浅く保有資産額が少ない人ほど、目標利益率が高い傾向があるという調査結果も。この事実は取りも直さず、投資初心者や若い人ほど『一山あて続けよう』と血気盛んに「取らぬ狸の皮算用」をしていることを示しています。
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