
1.取らぬ狸の皮算用だが、年利10%で資産運用していけば、8年後には資産が元金の2倍に膨れあがる。
2.私「宝くじで10億円あたったら、ローンを返済して、戸建て新築を購入して、余剰分で投資信託して…」友人「取らぬ狸の皮算用をしていないで、しっかり働こうか」
3.受験において、取らぬ狸の皮算用で得意科目での高得点を見込み、苦手科目の対策をないがしろにすることは、とてもリスクが大きい。
例文の1と2はまさにお金の話なのでわかりやすいですね。ちなみに資産運用で年利10%というのは超低金利時代にあっても不可能ではありませんが、それなりにリスクも高い水準です。
例文3について、大学受験で多くの方が受ける共通試験は、毎年科目ごとの難易度に変動があります。得意科目だけに注力していると、受験した年のテストの得意科目が簡単で苦手科目が難しかった場合に、総合得点が思ったより低くなってしまうかもしれません。

3つの例文の内容は、「あるある」って経験済みのやつも多いんじゃないか?よほど意識して自分に厳しくしていないと、不安につぶされてしまわないように、ある程度楽な方向に考えちまうのが人間ってもんだろう。
「取らぬ狸の皮算用」に類語はある?
言葉の類語を知ることは、その言葉の理解を深める近道です。「取らぬ狸の皮算用」には意味を同じくすることわざは見当たりませんが、似た意味の言葉を3つご紹介します。
「机上の空論」:実現できない理論
頭の中や机の上だけで考えた論理のこと。実現できないような理想論であり、実際には手に入れていないという部分は「取らぬ狸の皮算用」と通じますね。
「夢物語」:現実的でない話
まだ見ぬ利益をもとにあれこれ計画を考えることは、一つの夢物語と言えるでしょう。先に挙げた例文2の宝くじが当たったときの妄想などは、まさに夢物語ですね。
四字熟語も!「空理空論」
四字熟語のなかで「取らぬ狸の皮算用」と似た意味をもつのが、「空理空論」です。「空理空論」の正確な意味は「机上の空論」に近く、まだ得ぬ利益をもとにした計画だけではなく、現実離れした様々な空想を含みます。
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