この記事では「慣例」について解説する。

端的に言えば慣例の意味は「ならわし」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

自治体広報紙の編集を8年経験した弘毅を呼んです。一緒に「慣例」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/八嶋弘毅

自治体広報紙の編集に8年携わった。正確な語句や慣用句の使い方が求められるので、正しい日本語の使い方には人一倍敏感。

「慣例」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「慣例」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「慣例」の意味は?

「慣例」には、次のような意味があります。

くり返し行われて習慣のようになっている事柄。ならわし。しきたり。

出典:明鏡国語辞典第三版(大修館書店)「慣例」

「慣例」は古くから伝わってきた行事、風習、式典などの年中行事が型どおりに行われる様子を指していいます。特に地域で代々開催されるお祭りやお中元、お歳暮などの風習も「慣例」と言えるでしょう。

「慣例」の語源は?

次に「慣例」の語源を確認しておきましょう。とはいうものの「慣例」には語源らしい語源はありません。「慣例」の「慣」は「りっしんべん」と「貫」で成りたっています。「貫」は貫くということで、空間的、時間的に一本の筋が通っている様です。これに同じ事態の繰り返しで心理的になじむ意味で「りっしんべん」つまり「心」を加えてできあがった文字が「慣」になります。「慣例」とは多分に私たちの心が作用しているものだと言えるのではないでしょうか。

\次のページで「「慣例」の使い方・例文」を解説!/

「慣例」の使い方・例文

「慣例」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.私の会社の朝礼では、当番社員が毎朝その日の目標を発表するのが慣例になっている。
2.取引が成立したので、慣例に従い双方が握手をする。
3.成人式や卒業式では、市長が祝いの挨拶をするのが慣例だ。

このように「慣例」は、日常当たり前に行っている様々なならわしや式典、祭など時期を決めて同じような内容で行う内容を指し、それは私たちの生活の一部になっています。それが時には「古くさい」とか「ワンパターン」と言われることもあるでしょう。しかしそうした「慣例」も時代とともに変遷していくこともあります。例えば各地で行われている祭礼でも、昔の形式ではなく簡略化されたものが多いのです。

「慣例」の類義語は?違いは?

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次に「慣例」の類義語を見ていくことにしましょう。「慣例」の類義語はたくさんありますが、主なものを紹介します。

その1「慣習」

「慣例」の類義語として、まず「慣習」が挙げられます。ある社会で一般的に行われてきたしきたりのことです。「慣例」が広い概念であるのに対し「慣習」は程度の差こそあれ、ある程度区切られた地域でのしきたりを指す表現になります。

また「成文法」に対して、文章にはなっていなくても社会通念として従うことが要求されることが要求されるものが「慣習法」です。立法機関が制定する「制定法」に対するもので「不文法」ともいいます。例を挙げれば民法上の任意規定に関して第92条、商慣習については商法第1条がいい例です。

\次のページで「その2「慣行」」を解説!/

その2「慣行」

「慣行」も「慣例」の類義語です。「慣行」は「慣習」よりさらに狭いエリアでの取り決めになります。例えば一地域や企業、団体などの組織内で明文化されてはいないものの守るべきものとして受け継がれてきたものです。ですから慣行を破ったとしても罰せられることはなく拘束力もありません。例えば社内の慰安旅行、朝礼、忘年会などがこれに当たります。

その3「風習」

「風習」とは地域や一つの国に代々伝わってきた「慣例」のことで、さらに規制が弱くなります。風俗習慣を略した言葉と考えて差し支えありません。

その4「因習」

「因習」も「慣例」の類義語ではありますが、古くから伝えられてきたしきたりで現代では弊害しかないものを指します。前述の3例と比べるといくぶんネガティブな決まり事を指すものと言えるでしょう。

「慣例」の対義語は?

次に「慣例」の対義語を見ていきましょう。「慣例」は古くから伝えられてきたしきたりのことですからそうした枠にはまらない言葉が対義語と言えます。

「異例」

「慣例」の対義語としては「異例」がふさわしいでしょう。十年一日のごとく繰り返されてきた事柄に対してまったくそこからはずれた行動や事柄のことです。これは珍しいこと、前例のないこと、普通と異なることを意味します。

例えば官僚機構のなかではいわゆるキャリア組の昇進が一般的に早いと言われていますが、その前例を破ってノンキャリアがキャリアを追い越して事務次官に抜擢されたりすることなどがいい例でしょう。この場合は「異例の昇進」と言われます。昔ほどではありませんが、会社の昇進でも年功序列に流されやすいものです。そのようなときに先輩を飛び越して課長などの上司に就任することも「異例」と言えます。

「慣例」の英訳は?

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最後に「慣例」の英訳を見ていきましょう。普通は次の英語を覚えておけば事足ります。

\次のページで「その1「custom」」を解説!/

その1「custom」

「custom」とは社会や集団の習慣、風習のことでまさに「慣例」の英訳としてふさわしい単語でしょう。「custom」が使われる範囲は非常に広く、しばしば個人の習慣にも使われます。例えば「It's my father's custom to take a walk before breakfast.(朝食前に散歩をするのが父の習慣だ」のようにです。もっともこう表現するよりも、英語では「My father (usualy)  takes a walk before breakfast.」とする使い方のほうが普通でしょう。

その2「tradition」

「tradition」も「慣例」の英訳として使われます。ただしこちらは「伝統」「伝説」といった意味もあり「costom」より時代がかった意味で使われることが多いようです。「tradition」から派生した「traditional」には「伝統的な」という意味があります。ですから民謡などの伝統的な曲は「traditional folk song」と言えばいいでしょう。もっとも民謡を英訳するときは「traditional」を省略して単に「folk song」と言うほうが多いようです。

「慣例」を使いこなそう

この記事では「慣例」の意味・使い方・類語などを説明しました。普段あなたは「しきたり」や「風習」のほうをよく使うと思います。「慣例」というといかにも形式張った言い方で抵抗を覚えるかもしれません。しかし同じような意味を持つ言葉をたくさん覚えることによってボキャブラリーが増えていきます。「慣例」に限らず普段使わない言葉を意識的に使うのも日本語力を向上するうえで必要ではないでしょうか。

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国語言葉の意味

「慣例」の意味や使い方は?例文や類語を元広報紙編集者がわかりやすく解説!

この記事では「慣例」について解説する。

端的に言えば慣例の意味は「ならわし」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

自治体広報紙の編集を8年経験した弘毅を呼んです。一緒に「慣例」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/八嶋弘毅

自治体広報紙の編集に8年携わった。正確な語句や慣用句の使い方が求められるので、正しい日本語の使い方には人一倍敏感。

「慣例」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「慣例」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「慣例」の意味は?

「慣例」には、次のような意味があります。

くり返し行われて習慣のようになっている事柄。ならわし。しきたり。

出典:明鏡国語辞典第三版(大修館書店)「慣例」

「慣例」は古くから伝わってきた行事、風習、式典などの年中行事が型どおりに行われる様子を指していいます。特に地域で代々開催されるお祭りやお中元、お歳暮などの風習も「慣例」と言えるでしょう。

「慣例」の語源は?

次に「慣例」の語源を確認しておきましょう。とはいうものの「慣例」には語源らしい語源はありません。「慣例」の「慣」は「りっしんべん」と「貫」で成りたっています。「貫」は貫くということで、空間的、時間的に一本の筋が通っている様です。これに同じ事態の繰り返しで心理的になじむ意味で「りっしんべん」つまり「心」を加えてできあがった文字が「慣」になります。「慣例」とは多分に私たちの心が作用しているものだと言えるのではないでしょうか。

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