
「靡く」の使い方・例文
「靡く」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この用語は、たとえば以下のように用いられます。
1.公園に咲くたんぽぽが風に吹かれて靡いている。
2.彼はどちらの派閥に入ろうか迷っていったが、主流派に靡いた。
3.彼女は昨日の飲み会で2人の男性に声を掛けられていたが、どちらの男性に靡いたのだろうか。
「靡く」の使い方を例文から学びましょう。例文1は「風に靡く」です。「公園にたくさんのタンポポが咲いており、風に吹かれてゆらゆらと揺れている光景」を示していますよ。「靡く」は植物以外にも「髪が靡く」や「旗が靡く」のような表現で使われることが多い言葉です。一緒に覚えておくといいでしょう。
例文2は「権力者に靡く」です。「靡く」の2つ目の意味ですね。「いくつかの派閥がある中で主流派の派閥に入ることにした場面」を示しています。例文3は「男性に靡く」です。「靡く」の3つ目の意味ですね。「2人の男性から誘われていた女性の様子」を表していますよ。「靡く」の3つの意味を使い分けられるようになりましょう。

「靡く」は様々な文学作品でも登場する言葉だ。泉鏡花の「葛飾砂子」では「土手は一面の蘆で、折しも風立って来たから颯と靡き、颯と靡き、颯と靡く反対の方へ漕いで漕いで進んだが」のように使われている。文学作品から言語を学ぶ学習方法もおすすめだ。
その1「たなびく」
「靡く」の1つ目の意味は「風に揺られるさま」でしたね。この意味での類義語として「たなびく」を紹介します。「たなびく」とは「雲や霧、煙が横に長く漂っている様子」の意。「靡く」は髪や植物、旗がゆらゆらとしているさまを表していましたね。一方、「たなびく」は雲や煙、霞などが薄く流れているイメージです。「靡く」の1つ目の意味と近いですが、植物には用いる機会が少ないことがポイントでしょう。ニュアンスの違いが興味深いですね。
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