この記事では「靡く」について解説する。

端的に言えば「靡く」の意味は「横にゆらめくように動くさま」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好き・英語好き・読書好きなライターくふを呼んです。一緒に「靡く」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/くふ

語学好き・英語好き・読書好きなライター。学習塾での経験を活かし分かりやすく丁寧な解説をお届けする。

「靡く」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「靡く」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「靡く」の意味は?

「靡く」には、次のような意味があります。辞書や辞典などで正確な内容を確認しましょう。

1. 風や水の勢いに従って横にゆらめくように動く
2.他の意志や威力などに屈したり、引き寄せられたりして服従する。また、女性が男性に言い寄られて承知する

出典:デジタル大辞泉(小学館)「靡く」

「靡く」という漢字を知っているでしょうか。少し複雑な漢字ですね。すぐに読むことができたあなたは素晴らしい漢字力の持ち主です。「靡く」とは「1. 風などに従って横にゆらめくように動くさま 2.他人の威力などに屈して服従すること 3.女性が男性に言い寄られて承知する」の意。読み方は「なびく」です。大きく分けて3つの意味を持つ言葉ですね。1つ目の意味は「花や葉などの植物が風に揺られている様子」を示すことが多いでしょう。2つ目の意味は「強い権力者に従うさま」を表す際に用いられます。3つ目の意味は「男性が女性に声を掛け言い寄る場面」で使用されますよ。3つの意味を覚えておきましょう。

「靡く」の語源は?

「靡く」の語源はありません。ここでは「靡」という漢字を詳しく紹介します。「靡く」の音読みは「ヒ・ ビ・ ミ」訓読みは「なびく・ なびかす・ おごる・ ただれる」です。画数は19画、部首は「非(あらず・ひ)」ですよ。珍しい部首を持つ漢字であることが分りますね。「靡」がつく熟語には「風靡(フウビ)=風が草木をなびかせるようにある時代に大流行するさま」や「奢靡(シャビ)=十分すぎるほどのたぜいたく」がありますよ。知識として身につけておきたいですね。

\次のページで「「靡く」の使い方・例文」を解説!/

「靡く」の使い方・例文

「靡く」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この用語は、たとえば以下のように用いられます。

1.公園に咲くたんぽぽが風に吹かれて靡いている
2.彼はどちらの派閥に入ろうか迷っていったが、主流派に靡いた
3.彼女は昨日の飲み会で2人の男性に声を掛けられていたが、どちらの男性に靡いたのだろうか。

「靡く」の使い方を例文から学びましょう。例文1は「風に靡く」です。「公園にたくさんのタンポポが咲いており、風に吹かれてゆらゆらと揺れている光景」を示していますよ。「靡く」は植物以外にも「髪が靡く」や「旗が靡く」のような表現で使われることが多い言葉です。一緒に覚えておくといいでしょう。

例文2は「権力者に靡く」です。「靡く」の2つ目の意味ですね。「いくつかの派閥がある中で主流派の派閥に入ることにした場面」を示しています。例文3は「男性に靡く」です。「靡く」の3つ目の意味ですね。「2人の男性から誘われていた女性の様子」を表していますよ。「靡く」の3つの意味を使い分けられるようになりましょう。

「靡く」の類義語は?違いは?

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「靡く」の類義語にはどのような言葉が考えられるのでしょうか。今回は2つご紹介します。

その1「たなびく」

「靡く」の1つ目の意味は「風に揺られるさま」でしたね。この意味での類義語として「たなびく」を紹介します。「たなびく」とは「雲や霧、煙が横に長く漂っている様子」の意。「靡く」は髪や植物、旗がゆらゆらとしているさまを表していましたね。一方、「たなびく」は雲や煙、霞などが薄く流れているイメージです。「靡く」の1つ目の意味と近いですが、植物には用いる機会が少ないことがポイントでしょう。ニュアンスの違いが興味深いですね。

\次のページで「その2「寄らば大樹の陰」」を解説!/

その2「寄らば大樹の陰」

「靡く」の2つ目の意味は「権力者に従う」でしたね。この意味での類義語として「寄らば大樹の陰」を紹介します。「寄らば大樹の陰」とは「身を寄せるならば大きな木の下が安全であることから派生して、頼るのであれば勢力の強い人の方が良い」の意。読み方は「よらばたいじゅのかげ」です。誰かに頼るのであれば、社会的に大きな力を持っている人が好ましいという意味を示す言葉ですよ。雨宿りや身を寄せるときは小さな木の下よりも大きな木の下の方が安全であるという場面から生まれた表現です。とても有名な慣用句の1つですよ。これを機会に覚えておきましょう。

「靡く」の対義語は?

「靡く」の対義語にはどのような言葉が考えられるのでしょうか。関連する言葉を一緒に確認しましょう。

「鶏口牛後」

「靡く」には「権力の強い者に従う」という意味がありましたね。この意味での対義語として「鶏口牛後」を紹介します。「鶏口牛後」とは「大きな集団や組織の末端にいるより、小さい集団のトップとなって重んじられる方が好ましい」の意。読み方は「けいこうぎゅうご」です。

「鶏口」とは「鶏のくちばし」の意。「小さな集団のトップ」の例えとして使われています。「牛後」とは「牛のお尻や尻尾」のこと。「強大な権力者に従っている人」の例えとして使用されていますよ。「大きな集団の末端になるより、小さな集団のリーダーとなる方が良い」という意味する四字熟語です。とても有名な四字熟語ですよ。頭に入れておきましょう。

「靡く」の英訳は?

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「靡く」は英語でどのように翻訳するのでしょうか。キーワードとなる英単語をチェックしましょう。

「blow」

「靡く」は英語で「blow」と翻訳できるでしょう。「blow」とは「風に吹かれて動く、風に吹かれて~となる」の意。「靡く」の1つ目の意味である「風に吹かれて揺れている」を表す英単語です。使い方を例文から学びましょう。例文1は「長い髪が風に吹かれて靡いている様子」を「blow」の過去形である「blew」を使って示していますよ。「blow」の意味と一緒に過去形も覚えておきたいですね。例文2は「blew」の後ろに「the door」という目的語を置いて「強い風でドアが開いた様子」を表しています。「blow」の使い方をマスターして下さいね。

1.The wind blew her hair.
(風が彼女の髪を靡かせた。)

2.The wind blew the door open.
(風に吹かれてドアが開いた。)

\次のページで「「靡く」を使いこなそう」を解説!/

「靡く」を使いこなそう

この記事では「靡く」の意味・使い方・類語などを説明しました。風にそよそよと靡いているコスモスや柳を見るとなんだかお辞儀をしているかのように見えることはないでしょうか。毎日何気なく見ている風景を少し違う視点から観察してみると、いつもとは違った表情を感じ取ることができるでしょう。一度、違った角度から物事を観察してみて下さいね。

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国語言葉の意味

「靡く」の意味や使い方は?例文や類語を現役塾講師がわかりやすく解説!

この記事では「靡く」について解説する。

端的に言えば「靡く」の意味は「横にゆらめくように動くさま」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好き・英語好き・読書好きなライターくふを呼んです。一緒に「靡く」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/くふ

語学好き・英語好き・読書好きなライター。学習塾での経験を活かし分かりやすく丁寧な解説をお届けする。

「靡く」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「靡く」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「靡く」の意味は?

「靡く」には、次のような意味があります。辞書や辞典などで正確な内容を確認しましょう。

1. 風や水の勢いに従って横にゆらめくように動く
2.他の意志や威力などに屈したり、引き寄せられたりして服従する。また、女性が男性に言い寄られて承知する

出典:デジタル大辞泉(小学館)「靡く」

「靡く」という漢字を知っているでしょうか。少し複雑な漢字ですね。すぐに読むことができたあなたは素晴らしい漢字力の持ち主です。「靡く」とは「1. 風などに従って横にゆらめくように動くさま 2.他人の威力などに屈して服従すること 3.女性が男性に言い寄られて承知する」の意。読み方は「なびく」です。大きく分けて3つの意味を持つ言葉ですね。1つ目の意味は「花や葉などの植物が風に揺られている様子」を示すことが多いでしょう。2つ目の意味は「強い権力者に従うさま」を表す際に用いられます。3つ目の意味は「男性が女性に声を掛け言い寄る場面」で使用されますよ。3つの意味を覚えておきましょう。

「靡く」の語源は?

「靡く」の語源はありません。ここでは「靡」という漢字を詳しく紹介します。「靡く」の音読みは「ヒ・ ビ・ ミ」訓読みは「なびく・ なびかす・ おごる・ ただれる」です。画数は19画、部首は「非(あらず・ひ)」ですよ。珍しい部首を持つ漢字であることが分りますね。「靡」がつく熟語には「風靡(フウビ)=風が草木をなびかせるようにある時代に大流行するさま」や「奢靡(シャビ)=十分すぎるほどのたぜいたく」がありますよ。知識として身につけておきたいですね。

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