

端的に言えばええいままよの意味は「もうなるようになれ(「成り行きに身を任せる決意表明)」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
現役の落語家でWebライターの晋治を呼んだ。一緒に「ええいままよ」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/晋治
現役の落語家でwebライター。20代後半から落語家に入門し、40歳からは兼業ライターに。言葉を生業とする落語家とライターの経験を活かして、わかりやすく言葉の意味を解説する。
「ええいままよ」の意味は?
「ええいままよ」には、次のような意味があります。
「ええいままよ」の意味
もはや状況に抗わず事の流れ(成り行き)に身を任せてしまおう、もうなるようになれ、という決意表明の意味合いで用いられる表現。ままよ(儘よ)に適当な間投詞が加わってひとつの連語のような形で用いられる。
出典:実用日本語表現辞典「ええいままよ」
「儘よ(ままよ)」の意味
[感]施すすべがなく、成り行きまかせにするときにいう語。なんとでもなれ。どうなろうと勝手にしろ。「儘よ、とにかくやってみよう」
出典:goo辞書「ままよ(儘よ)」
「ええいままよ」という言葉は「ええい」+「儘よ(ままよ)」で構成されています。「ええい」というのは掛け声なので深い意味はありません。「儘(まま)」という言葉の意味を理解することが重要です。
儘(まま)の意味は、
1 その状態に変化のないこと。それと同じ状態。
「昔の儘」「現状の儘」「立った儘」
2 思い通りの状態。自由。
「意の儘」「こう物価高だと買い物も儘にならない」
3 成り行きに任せること。古くは「…ともままよ」などの形で用いられることが多い。
「成すが儘」
[下接語]「有りの儘」「思いの儘」「思う儘」「着の身着の儘」「気儘」「心の儘」「͡この儘」「その儘」「我が儘」などがあります。
「ええいままよ」の語源は?
次に「ええいままよ」の語源を確認しておきましょう。
「儘(まま)」の語源は、「髄(まにま)」とされています。
漢字は違いますが、成り行きに身を任せる、他の意志に従うという意味は同じです。
「髄(まにま)」とは、他の意志や事態の成り行きに従うさまのことで、
「髄に(まにまに)」は、[連語]《「に」は格助詞》
1、 他人の意志や事態の成り行きに任せて行動するさま。ままに。まにま。「波の随に漂う」
2、 ある事柄が、他の事柄の進行とともに行われるさま。…につれて。…とともに。
「儘(まま)」の語源は、名詞の「髄(まにま)」。九世紀の中頃から「髄に(まにまに)」から「髄(まにま)」、「ままに」へ変化・移行されたと考えられます。十二世紀の初めには歌の中でも徐々に使われなくなり、現代と同じ「ままに」が主流となりました。これが「儘(まま)」の語源となります。
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