高校の生物学では、非常に様々な分野を学習する。細胞やDNAの話から始まり、神経やホルモンのはたらき、各種内蔵の役割や構造、遺伝、生態系、生物の分類、進化、生物分布などです。これらのうち、生物の分布についての項目では、いくつかの”法則”の名前や、その内容を覚えなくてはならない。今回は主だったものを紹介してもらおう。
大学で生物学を学び、現在は講師としても活動しているオノヅカユウが解説します。
ライター/小野塚ユウ
生物学を中心に幅広く講義をする理系現役講師。大学時代の長い研究生活で得た知識をもとに日々奮闘中。「楽しくわかりやすい科学の授業」が目標。
生物分布にみられるいくつもの”法則”
地球上にはあらゆる環境に動植物が生息しています。大きいもの、小さいもの、肉食のもの、草食のもの、カラフルなもの、地味なもの…生物は非常に多様です。たとえ同種であっても、「南部と北部では色が違う・大きさがかなり違う」などというような地域差がみられることもあります。
「さまざまな生物は、この地球上にどのように分布しているのか?」「何が生物の分布域を決定するのか?」に疑問をもった科学者たちは、色々な生物とそれらの住む環境を調査・観察し、ある程度の傾向やルールを見出してきました。それらが、この項目で学習する生物分布の”法則”です。
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