この記事では「畏敬の念」について解説する。

端的に言えば畏敬の念の意味は「恐れ敬う気持ち」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

自然には畏敬の念を抱いている、読書家ライター伊勢雄真を呼んです。一緒に「畏敬の念」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/伊勢雄真

理工学部に所属する現役大学生。読書が好きで自然科学分野から人文学・社会科学まで幅広く読む。
読書で培った様々な知識と理系の勉強で養った論理的思考力で、みなさんを「畏敬の念」の奥深い世界に誘おう。

「畏敬の念」の意味や語源・使い方まとめ

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この記事では桜木先生と一緒に「畏敬の念」の織り成す世界を深堀していきましょう。

「畏敬の念」の意味は?

「畏敬の念」の辞書的な意味を考えましょう。念は思い・気持ちといった意味なので、ここでは「畏敬」という言葉が持つ意味を調べてみました。

1.崇高なものや偉大な人を畏れ敬うこと。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「畏敬」

畏敬の読みは「いけい」となります。意味は上記の通りですが、これでは少し分かりにくいですね。辞書の定義を細かく分解して捉えなおしていきましょう。

まず、「崇高」の意味を国語辞典で引いてみます。

1.気高く尊いこと

出典:デジタル大辞泉(小学館)「崇高」

崇高のよみは「すうこう」となります。気高いとは「気品があって尊い」という意味です。簡単に言えば、とても素晴らしく尊いという意味になりますね。

次に「畏れ」という言葉に注目しましょう。「おそれ」と同じように読む、「恐れ」とは違う漢字ですね。どのようなニュアンスの違いがあるのでしょうか。こちらも辞書を引いて捉えていきます。

\次のページで「「畏敬の念」の使い方・例文」を解説!/

敬い、かしこまる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「畏れる」

この「畏れる」は恐怖を意味する「恐れる」と似ているようで似ていない言葉です。神や自然などの、人にとってよく分からないものに対して、恐怖の感情と共に、神秘さやどこか心を惹かれ敬う気持ちが「畏れる」という言葉となります。単に怖がっているわけではないのですね。

ここで、もう一度「畏敬の念」という言葉の意味を捉えなおしましょう。これは「とても尊い存在に対して、とても敬うこと」という意味になります。

「畏敬の念」の使い方・例文

続いては、「畏敬の念」の使い方について説明します。次の例文をご覧ください。

1.神仏に畏敬の念を抱くことをテーマとした絵本。
2.先生に畏敬の念を感じる。
3.仕事の達人に畏敬の念を抱く。

さて、3つの例文を確認できましたか?三つとも呼んで分かるように、「畏敬の念」という言葉は「抱く」や「感じる」の目的語となりやすいです。そもそも「畏敬の念」は感情を表す言葉ですので、このような動詞が後に続くのはテンプレートとなります。特に「抱く」という動詞は、どの辞書の例文にも「畏敬の念」とセットで使われていることが多いです。ぜひ、この使い方をマスターしてください。

「畏敬の念」の類義語は?違いは?

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それでは、畏敬の念の類義語と同義語を紹介していきます。まずは類義語からいきましょう。

\次のページで「その1「畏怖」」を解説!/

その1「畏怖」

畏怖は「いふ」と読み、恐れおののくという意味になります。畏敬の念よりも「怖さ」といった部分に焦点の当てられた言葉です。他の類義語で「尊敬」「崇敬」「敬意」といったものもあります。尊敬や敬意は畏敬よりも敬う気持ちに焦点が当たっていますね。崇敬は「その人に人格を尊いものと認め敬う」という意味です。畏敬の念と似た意味ですが、対象が人となることに注意しましょう。

その2「敬畏」

さて、ここからは同じ意味、すなわち同格の言葉である同義語を紹介していきます。

敬意と書いて「けいい」という読みです。敬い畏れる、心から敬うという意味ですね。畏敬の念とそっくりですね。「敬意の念を抱く」と書き換えても良いかもしれません。

「畏敬の念」の対義語は?

続いては対義語を紹介します。

「軽蔑」

畏敬の念の対義語は「軽蔑」です。よくご存知の言葉だと思います。他には「軽侮」という言葉もありますね。相手を軽んじ侮る、人を見下して馬鹿にするという意味です。覚えておきましょう。

「畏敬の念」の英訳は?

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最後に畏敬の念を英語訳にしていきます。動詞と名詞を1つずつ紹介しましょう。

その1「overawe」

まずは動詞の「overawe」から説明します。威圧する、恐れさせるるという意味です。畏敬の念の畏れるの意味合いが強いですね。受動態で書くと「畏敬の念を抱く」という意味になります。例文で確認しましょう。

1.I felt overawed by the very big tree.

私はとても大きな木に畏敬の念を感じた。

2.The very big tree make me overawed.

とても大きな木は私を畏れさせた。

1.は簡単に受動態で書かれた例文です。2.は難しいですね。使役の形になります。保護は過去分詞の状態で表していることがポイントです。

その2「reverence」

こちらは名詞の「畏敬の念」です。ほとんど日本語と一致したニュアンスになります。こちらも簡単な例文を紹介しておきましょう。

I regard the stone with reverence.

私はその石に畏敬の念を抱いた。

regard O with Aで「AをOと見なす」という意味のイディオムです。上記の例文を直訳すると、「その石を威厳のあるものとみなす」となります。

「畏敬の念」を使いこなそう

本記事では桜木先生と一緒に「畏敬の念」の世界をのぞいてきました。最後にポイントの確認です。1.畏敬の念の意味。2.畏敬の念の使い方。3.畏敬の念の類義語と同義語。4.畏敬の念の対義語。5.畏敬の念の英訳。さて3つとも答えられましたか?答えられなかったところは再度本文に立ち戻って確認しておきましょう。

辞書で言葉を調べるとき、その説明すらよく分からないことがあります。そういう時は地道に何度も分からない言葉を調べることが大切です。語彙習得で大切なのは「急がば回れ」の精神なのです!

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国語言葉の意味

「畏敬の念」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「畏敬の念」について解説する。

端的に言えば畏敬の念の意味は「恐れ敬う気持ち」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

自然には畏敬の念を抱いている、読書家ライター伊勢雄真を呼んです。一緒に「畏敬の念」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/伊勢雄真

理工学部に所属する現役大学生。読書が好きで自然科学分野から人文学・社会科学まで幅広く読む。
読書で培った様々な知識と理系の勉強で養った論理的思考力で、みなさんを「畏敬の念」の奥深い世界に誘おう。

「畏敬の念」の意味や語源・使い方まとめ

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この記事では桜木先生と一緒に「畏敬の念」の織り成す世界を深堀していきましょう。

「畏敬の念」の意味は?

「畏敬の念」の辞書的な意味を考えましょう。念は思い・気持ちといった意味なので、ここでは「畏敬」という言葉が持つ意味を調べてみました。

1.崇高なものや偉大な人を畏れ敬うこと。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「畏敬」

畏敬の読みは「いけい」となります。意味は上記の通りですが、これでは少し分かりにくいですね。辞書の定義を細かく分解して捉えなおしていきましょう。

まず、「崇高」の意味を国語辞典で引いてみます。

1.気高く尊いこと

出典:デジタル大辞泉(小学館)「崇高」

崇高のよみは「すうこう」となります。気高いとは「気品があって尊い」という意味です。簡単に言えば、とても素晴らしく尊いという意味になりますね。

次に「畏れ」という言葉に注目しましょう。「おそれ」と同じように読む、「恐れ」とは違う漢字ですね。どのようなニュアンスの違いがあるのでしょうか。こちらも辞書を引いて捉えていきます。

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