この記事では「事が運ぶ」について解説する。

端的に言えば事が運ぶの意味は「物事が順調に進む」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本語学を学び学習ライターを経験したfleurを呼んです。一緒に「事が運ぶ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/fleur

小学校の頃の趣味は広辞苑を読むこと。日本語学を専攻し、出版社で校正を担当した経験も活かしわかりやすい日本語解説記事を発信する。

「事が運ぶ」の意味や語源・使い方まとめ

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「事が運ぶ」なんとなく聞いたことも多い単語です。しかし、あなたはその意味をはっきりと答えられますか?

独特な表現なので、正確に意味を言うことは難しいという方も多いでしょう。それでは早速「事が運ぶ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「事が運ぶ」の意味は?

まずは一般的にどのような意味を持って「事が運ぶ」が用いられるのか確認しましょう。「事が運ぶ」には、辞書的には次のような意味があります。

物事が進行・進展・進捗すること。

出典:実用日本語表現辞典「事が運ぶ」

「事が運ぶ」(ことがはこぶ)という慣用句には「取り組みが進む」という意味があります。また、ただ進行するだけでなく、スムーズに進むというニュアンスを含むことがキーワードです。

「事を運ぶ」のように主語を物事を進める人にして表現する場合もあります。

「事」の内容としては主に仕事や用件など、真剣に取り組む事柄のことを指す場合が多いでしょう。

「事が運ぶ」の使い方・例文

大体の意味が分かったところで、実際に使えるように「事が運ぶ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のような用例があります。

\次のページで「「事が運ぶ」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.予定より事が運ぶのが早く、彼は嬉しい悲鳴を上げている。
2.知らぬ間に事が運んでいて、混乱してしまった。

1は、仕事が予想に反して素早く進行していたという状況です。2は水面下で物事が進んでいたというシーンでしょう。

「プロジェクトが進んでいて」とも言える場面でわざわざ「事が運ぶ」を使うことがポイントです。

「秘密のミッション」「例の仕事」などを連想させるような、声を大にして言えないような内容や共有事項を指して使われます。

進めている物事に直接関連がなければ何の話をしているか分からない上、大げさな表現なので人によってはふざけていると捉えられかねないのであまり真剣な場では用いない方が良いでしょう。

「事が運ぶ」の類義語は?違いは?

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ということで、「事が運ぶ」の類義語にはどのようなものがあるでしょうか。「事が運ぶ」は使うシーンを選ぶ表現なので、言いかえ表現を覚えておくと便利です。

それぞれの違いとともに見ていきましょう。

その1「進展する」

「進」と「展」という漢字の組み合わせでできています。「進」は文字そのままに進める・進むという意味を、「展」はのべる・ひろげるという意味の漢字です。

これらを合わせて物事が進み、大きく成長していくというイメージを伝えることができます。これから始まるプロジェクトよりは、現在進行形のものに使うことが多いです。

また、ポジティブな表現なので「事が運ぶ」の「事」が前向きな内容のときに使えるでしょう。

その2「とんとん拍子に」

思った通りに物事が進む様を表現したいときに使う言葉です。「事が運ぶ」の持つ、「スムーズに」のニュアンスを主に示しています。

ちなみに、「とんとん拍子」とは舞台上で師匠の手拍子のリズムに合わせて調子良くステップを踏む様子から転じた表現です。

そのため昇進や結婚などいくつかのステップがある事象に対して使うことがふさわしいでしょう。

\次のページで「その3「順調に進む」」を解説!/

その3「順調に進む」

「事が運ぶ」を最もストレートに表せば「順調に進む」になります。「事が運ぶ」は少し大げさなフレーズで、オフィシャルな場で使うことは望ましくありません。

それに対し「順調に進む」は分かりやすい表現なのでシーンを選ばず使えます。

上司に仕事の進捗を尋ねられたときなど「その件は順調に進んでいます」と答えれば良いでしょう。

「事が運ぶ」の対義語は?

つづいて、「事が運ぶ」と反対の状況を伝えたいときはなんと言えば良いでしょうか。

対義語についても見ていきましょう。

その1「埒が明かない」

物事を進めるのにあたり障害があり、打つ手がない。どうしようもなく解決しない。」といった意味を表します。

スムーズに物事が進むという意味の「事が運ぶ」とは正反対の言葉ですね。

ちなみに「埒」は元々馬場の周囲を囲う柵のことを指し、転じて物事の区切りという意味を持ちます。区切りがつかず次に進めないということですね。

その2「難航する」

「難」「航」の漢字からも分かるかもしれませんね。「難航する」は元々「気候などの問題により航行が難しい」状態を示しました。

ここから転じて物事を進めるのに障害があって進行できないという事態を表す言葉として使われています。

なんの滞りもなくどんどん進んでいく「事が運ぶ」と真逆のシーンです。

「事が運ぶ」の英訳は?

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英語を使う場でも、順調に仕事が進んでいることを報告したいシーンはあるでしょう。

最後に、「事が運ぶ」を英語でなんと翻訳できるかご紹介します。

その1「to carry something with ease」

「物事を簡単に進行する」といった意味です。「運ぶ」という意味の「carry」を使っているので、日本語の「事が運ぶ」のニュアンスにより近いと言えます。

「something」を具体的な進める内容に置き換えて表現してください。

また、「with ease」を「smoothly」に変えることで「順調に」というニュアンスを伝える方法もあります。

\次のページで「その2「go ahead」」を解説!/

その2「go ahead」

「前進する」「進行する」ということを表します。

「go ahead」は新たなプロジェクトなどを開始するときに用いることができる表現です。それに対し既に始まっている物事に対しては「go forward」が使えます。

また、「○○を推し進める」としたいときは○○を主語にするか、○○が長めの場合は「go ahead with ○○」のようにwithを使って付け加えてください。

「事が運ぶ」を使いこなそう

この記事では「事が運ぶ」の意味・使い方・類語などを説明しました。

計画や仕事の内容を敢えて「事」とふんわりとしたワードを使うことで特別な雰囲気が出ますよね。

仲間うちで使ってみるとおもしろいかもしれません。ビジネスなど真剣なシーン、場所で使ってふざけていると思われないように慎重に使い分けましょう。

読者のみなさんが本サイトなどを使ってたくさん学ぶことを通してお仕事や計画など、うまく事が運ぶことを祈っています。

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【慣用句】「事が運ぶ」の意味や使い方は?例文や類語を現役文学部生ライターがわかりやすく解説!

この記事では「事が運ぶ」について解説する。

端的に言えば事が運ぶの意味は「物事が順調に進む」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本語学を学び学習ライターを経験したfleurを呼んです。一緒に「事が運ぶ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/fleur

小学校の頃の趣味は広辞苑を読むこと。日本語学を専攻し、出版社で校正を担当した経験も活かしわかりやすい日本語解説記事を発信する。

「事が運ぶ」の意味や語源・使い方まとめ

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「事が運ぶ」なんとなく聞いたことも多い単語です。しかし、あなたはその意味をはっきりと答えられますか?

独特な表現なので、正確に意味を言うことは難しいという方も多いでしょう。それでは早速「事が運ぶ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「事が運ぶ」の意味は?

まずは一般的にどのような意味を持って「事が運ぶ」が用いられるのか確認しましょう。「事が運ぶ」には、辞書的には次のような意味があります。

物事が進行・進展・進捗すること。

出典:実用日本語表現辞典「事が運ぶ」

「事が運ぶ」(ことがはこぶ)という慣用句には「取り組みが進む」という意味があります。また、ただ進行するだけでなく、スムーズに進むというニュアンスを含むことがキーワードです。

「事を運ぶ」のように主語を物事を進める人にして表現する場合もあります。

「事」の内容としては主に仕事や用件など、真剣に取り組む事柄のことを指す場合が多いでしょう。

「事が運ぶ」の使い方・例文

大体の意味が分かったところで、実際に使えるように「事が運ぶ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のような用例があります。

\次のページで「「事が運ぶ」の類義語は?違いは?」を解説!/

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