

端的に言えば意に介するの意味は「気にする」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
今回は難関私大の文学部を卒業し、表現技法にも造詣が深い十木陽来を呼んだ。一緒に「意に介する」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/十木陽来
難関私大の文学部卒ライター。現代文芸の表現技法を学びながら趣味で小説を書いたりもしてきた。その知識を使って様々な言葉の意味をわかりやすく丁寧に解説する記事を書いている。
「意に介する」の意味は?
「意に介する」という慣用句には、次のような意味があります。
気にかける。気にする。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「意に介する」
辞書だけを見てみると「気にかける」「気にする」としか書かれておらず、これだけを見ると非常に単純な言葉であるようにみえます。しかし「意に介する」は辞書だけでは図ることのできない非常に奥の深い言葉なのです。
まずこの言葉は「意に介さない」「意に介することなく」など否定形で用いられることがほとんどとなります。この形で「(相手のことを)気にかけない」「(批判を)気にしない」など、ネガティブなニュアンスで用いられることが多いでしょう。
また「意に介する」ものは自らの内面よりも、外部からの影響や印象によるものが対象となりやすいです。相手からの言葉や視線、そして相手からどう思われるかを気にする際に「意に介する」という表現が使われやすいからですね。
「意に介する」の語源は?
次に「意に介する」の語源を確認しておきましょう。まず「意」には「意識」「意向」などと言った熟語からもわかるとおり、「心」「考え」「気持ち」といった意味があります。一方、動詞の「介する」には「間に置く」「挟む」といった意味です。つまりそのままの意味で考えた場合「心の間に置かれる」となりますが、そういったものに対しては何かしら気になってしまいますよね。このことから「気にかける」だったり「気にする」といった意味になっていったものと思われます。
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