
1.書類の内容に不備のある場合は返戻の対象となる。
2.高校の同級生あてに手紙を郵便で送ったのだが、なぜか返戻されてきた。
3.事業がうまくいかず、借金もこのままでは雪だるま式に膨らんでいくので、生命保険を解約して返戻金を足しにしよう。
「返戻」という言葉を「返戻」という形のままに限定するのであれば、例文1や2のような文章で見ることになるかもしれません。しかし、「返戻」というよりは、「返却」や「返送」という言葉になっているはずです。
それよりも、「返戻金」や「返戻率」という言葉で「返戻」を見かけるのではないでしょうか。たとえば「無解約返戻金型の医療保険」や「個人年金保険の返戻率」などのように、各種保険の契約書で目にすることになります。
「還付」
「返戻」と同じように、お金が戻ってくるときに使う言葉が「還付」(かんぷ)です。「還付金」「還付申告」などと聞いたことがあるでしょう。
ただし、返されるものが「返戻」と「還付」では違うことに注意しなければなりません。実態としては、「返戻」と「還付」の定義が混同されていたり、「返戻では分かりにくいので還付という言葉で統一します」と前置きがあったりします。しかし、厳密には2つの言葉は意味が違いますので、正しく覚えるべきでしょう。
「返戻」は借りたものや預かったものを持ち主に返しますが、「還付」は税金や証拠物など、徴収や押収したものを返すという意味です。よって、多く支払い過ぎた保険料は「返戻」ではなく「還付」され、積み立てておいた保険を解約した場合は「還付」ではなく「返戻」されるということに気を付けましょう。
「返戻」の対義語は?
逆に「返戻」の対義語は何でしょうか。
\次のページで「「借用」「貸し出し」」を解説!/