

端的に言えば腰が砕けるの意味は「腰の力が抜ける」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
今回は難関私大の文学部を卒業し、表現技法にも造詣が深い十木陽来を呼んだ。一緒に「腰が砕ける」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/十木陽来
難関私大の文学部卒ライター。現代文芸の表現技法を学びながら趣味で小説を書いたりもしてきた。その知識を使って様々な言葉の意味をわかりやすく丁寧に解説する記事を書いている。
「腰が砕ける」の意味は?
「腰が砕ける」はひらがなで書くと「こしがくだける」となります。以下が辞書に書かれている意味の一覧です。
1.腰の力が抜けて姿勢が崩れる。
2.事を成そうとする意気込みが途中で弱まり、あとが続かなくなる。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「腰が砕ける」
「腰が砕ける」という慣用句は言葉の並びから意味が想像しやすいでしょう。辞書の意味1はまさに「腰の力が抜ける」様子を「砕ける」という比喩で表現されています。実際に腰が小さくばらばらになってしまうわけではありませんが、腰から崩れ落ちる様子が「砕ける」ように見えることから、こう言われるようになったのでしょう。
また、派生した意味として「意気込みが弱まる」というものもあります。何かを成そうとして一旦は立ち上がったものの、気勢を失って座り込んでしまう様子をもって「腰が砕ける」の表現が使われるようになったのでしょう。意気込みが弱まる原因としては、単に自らのやる気をなくした精神的なものから、外部要因がもたらした影響によるものまで様々です。
「腰が砕ける」の語源は?
「腰が砕ける」の具体的な語源ははっきりしていませんが、本来「腰」とは「下半身全体を支えるもの」という考え方があります。立っているために必要不可欠である「腰」が「砕ける」、つまり役に立たなくなってしまうと、当然立つことが不可能になってしまいますね。このことから「腰が砕ける」という慣用句で「腰の力が抜けて姿勢が崩れる」という意味になったものと思われます。
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