

端的に言えば覚束ないの意味は「頼りない様子」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
今回は広告会社で経験を積み、文章の基本と言葉の使い方を知るライターのHataを呼んだ。一緒に「覚束ない」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/Hata
以前は広告会社に勤務しており、多くの企業の広告作成経験を持つ。相手に合わせた伝え方や言葉の使い方も学び、文章の作成や校正が得意。現在はその経験をいかし、ライターとして活動中。
「覚束ない」の意味は?
「覚束ない」には、次のような意味があります。
1.物事の成り行きが疑わしい。うまくいきそうもない。
2.はっきりしない。あやふやである。
3.しっかりせず、頼りない。心もとない。
4.はっきり見えないで、ぼんやりとしている。
5.ようすがはっきりせず、不安である。気がかりだ。
6.不審である。おかしい。
7.疎遠で相手のようすがわからない。
8.待ち遠しい。もどかしい。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「覚束ない」
「覚束ない(おぼつかない)」とは、“はっきりせずあやふやな状態”や“頼りない”様子を表す言葉。具体的な意味は多くありますが、いずれも共通して“ぼんやりしている”という意味から転じています。不信感や不確実性など、前後の文脈から適した意味で解釈するようにしましょう。
「覚束ない」の語源は?
次に「覚束ない」の語源を確認しておきましょう。
「覚束ない」は「覚束無い」とも書きますが、この漢字は当て字です。「おぼ」は「朧気(おぼろげ)」の“おぼ”と同義で“はっきりしない様子”を示します。また「つか」は「不束(ふつつか)」などと同じく接尾語です。さらにここでの「ない」は打消しの意ではなく、形容詞をつくる接尾語となります。
このように「おぼつかない」は“物事がはっきりしないさま”を意味し、そこから転じて“気がかり”や“待ち遠しい”といった、不満や不安などの感情も意味するようになりました。
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