この記事では「覚束ない」について解説する。

端的に言えば覚束ないの意味は「頼りない様子」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は広告会社で経験を積み、文章の基本と言葉の使い方を知るライターのHataを呼んです。一緒に「覚束ない」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Hata

以前は広告会社に勤務しており、多くの企業の広告作成経験を持つ。相手に合わせた伝え方や言葉の使い方も学び、文章の作成や校正が得意。現在はその経験をいかし、ライターとして活動中。

「覚束ない」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「覚束ない(おぼつかない)」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「覚束ない」の意味は?

「覚束ない」には、次のような意味があります。

1.物事の成り行きが疑わしい。うまくいきそうもない。
2.はっきりしない。あやふやである。
3.しっかりせず、頼りない。心もとない。
4.はっきり見えないで、ぼんやりとしている。
5.ようすがはっきりせず、不安である。気がかりだ。
6.不審である。おかしい。
7.疎遠で相手のようすがわからない。
8.待ち遠しい。もどかしい。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「覚束ない」

「覚束ない(おぼつかない)」とは、“はっきりせずあやふやな状態”“頼りない”様子を表す言葉。具体的な意味は多くありますが、いずれも共通して“ぼんやりしている”という意味から転じています。不信感や不確実性など、前後の文脈から適した意味で解釈するようにしましょう。

「覚束ない」の語源は?

次に「覚束ない」の語源を確認しておきましょう。

「覚束ない」は「覚束無い」とも書きますが、この漢字は当て字です。「おぼ」「朧気(おぼろげ)」の“おぼ”と同義で“はっきりしない様子”を示します。また「つか」は「不束(ふつつか)」などと同じく接尾語です。さらにここでの「ない」は打消しの意ではなく、形容詞をつくる接尾語となります。

このように「おぼつかない」は“物事がはっきりしないさま”を意味し、そこから転じて“気がかり”や“待ち遠しい”といった、不満や不安などの感情も意味するようになりました。

\次のページで「「覚束ない」の使い方・例文」を解説!/

「覚束ない」の使い方・例文

「覚束ない」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.成績が思うように上がらず、このままでは第一志望の合格は覚束ないと先生に言われてしまった。
2.サッカーの実況を見ていたが、正直なところ勝利は覚束ないと言える。
3.根拠が覚束ないと上司に言われ、企画は一から練り直すことになった。作った資料も無駄になってしまったよ。
4.覚束ない記憶を頼りに、昔の友人を訪ねることにした。
5.深酒をしたのか、先輩は覚束ない足取りになっている。心配だが大丈夫だろうか。
6.山奥の宿に行こうとしたけれどなかなか見つからず、道を間違えたかと不安になったものの、遠くに覚束ない光が見えて安堵したよ。

「覚束ない」とは“はっきりしない様子”を意味する言葉。“ぼんやりとした様子”から転じて、不透明な物事を疑わしく感じる様子や、不安や不満を覚える感情を表すときにも用いられますが、言葉自体に否定的なニュアンスはありません。

例文1~2では“物事がうまくいきそうもない”という不信感、例文3~4や6では“あいまいである”という意味合い、そして例文5では“頼りない”という印象を与えています。それぞれ文脈に合わせて、伝えたい意味合いを読み取るようにしましょう。

「覚束ない」の類義語は?違いは?

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続いて「覚束ない」の類義語表現についても紹介します。

その1「訝しい」

「訝しい(いぶかしい)」とは、“物事が不明であり怪しく思うさま”を表す言葉。疑わしいときやおかしいと不審がるときに用います。

物事が不確かである様子を示す言葉として、「覚束ない」と類義語にあたる言葉です。ただし「訝しい」は“疑わしい”という意味合いが強い言葉であり、“心もとない”や“あやふや”といった意味合いは持っていません。ニュアンスに応じて使うようにすると良いでしょう。

\次のページで「その2「茫々」」を解説!/

その2「茫々」

「茫々(ぼうぼう)」とは“広々としてはるかな様子”を意味する言葉。転じて“ぼんやりとしてはっきりしない”ことも意味し「茫々たる記憶」などと用います。

「覚束ない」の“ぼんやりとして不明瞭である”という意味において、類義語のひとつと言えるでしょう。示したい意味合いによっては、言い換え表現として使うことができます。

「覚束ない」の対義語は?

それでは次に「覚束ない」の対義語について考えてみましょう。物事がおぼろげでぼんやりしていることや、そこから生じる不安を示すのが「覚束ない」です。つまり物事が確かであることや、安堵できることは反対の意味と言えるでしょう。

ここではそのような意味を持つ言葉を「覚束ない」の対義語として紹介します。

「頼もしい」

「頼もしい」とは、“信頼できる”こと。頼みにできて心強いときや、期待をして使う言葉です。

心もとなく頼りない「覚束ない」に対し、心強さを感じて安堵できる「頼もしい」は、まさしく反対の意味と言えます。

「覚束ない」の英訳は?

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最後に「覚束ない」の英語表現についても確認しておきましょう。

その1「unsteady」

「unsteady」とは“不安定な”という意味の英単語。ふらふらする様子や定まらないものに対して使う形容詞です。

「覚束ない足取り」といった“不安定さ”“頼りない”という状況を表現したい時には、この英語表現を用いるのが良いでしょう。

その2「uncertain」

「uncertain」“不確かな”という意味の英語です。はっきりせずに疑わしいとき、気まぐれで当てにならないといった状況で用います。

「覚束ない」の“はっきりしない”という意味を表現するならば、この英語もおすすめです。なお“確信が持てずに疑わしい”というニュアンスには、ほかにも「doubtful」「unsure」といった単語を使うこともできます。

\次のページで「「覚束ない」を使いこなそう」を解説!/

「覚束ない」を使いこなそう

この記事では「覚束ない」の意味・使い方・類語などを説明しました。日本では古くから使われている言葉ですが、今もよく使われています。覚束ない語彙力とならないよう、意味や使い方はしっかり抑えておくようにしましょう。

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国語言葉の意味

「覚束ない」の意味や使い方は?例文や類語を元広告会社勤務ライターがわかりやすく解説!

この記事では「覚束ない」について解説する。

端的に言えば覚束ないの意味は「頼りない様子」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は広告会社で経験を積み、文章の基本と言葉の使い方を知るライターのHataを呼んです。一緒に「覚束ない」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Hata

以前は広告会社に勤務しており、多くの企業の広告作成経験を持つ。相手に合わせた伝え方や言葉の使い方も学び、文章の作成や校正が得意。現在はその経験をいかし、ライターとして活動中。

「覚束ない」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「覚束ない(おぼつかない)」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「覚束ない」の意味は?

「覚束ない」には、次のような意味があります。

1.物事の成り行きが疑わしい。うまくいきそうもない。
2.はっきりしない。あやふやである。
3.しっかりせず、頼りない。心もとない。
4.はっきり見えないで、ぼんやりとしている。
5.ようすがはっきりせず、不安である。気がかりだ。
6.不審である。おかしい。
7.疎遠で相手のようすがわからない。
8.待ち遠しい。もどかしい。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「覚束ない」

「覚束ない(おぼつかない)」とは、“はっきりせずあやふやな状態”“頼りない”様子を表す言葉。具体的な意味は多くありますが、いずれも共通して“ぼんやりしている”という意味から転じています。不信感や不確実性など、前後の文脈から適した意味で解釈するようにしましょう。

「覚束ない」の語源は?

次に「覚束ない」の語源を確認しておきましょう。

「覚束ない」は「覚束無い」とも書きますが、この漢字は当て字です。「おぼ」「朧気(おぼろげ)」の“おぼ”と同義で“はっきりしない様子”を示します。また「つか」は「不束(ふつつか)」などと同じく接尾語です。さらにここでの「ない」は打消しの意ではなく、形容詞をつくる接尾語となります。

このように「おぼつかない」は“物事がはっきりしないさま”を意味し、そこから転じて“気がかり”や“待ち遠しい”といった、不満や不安などの感情も意味するようになりました。

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